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あやめとアヤメの交換日記  作者: 深光
紅い糸の軌跡
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愛の伝道師、シェミューナ・コニュデウィ

 とりあえず、山吹君に変な噂が立ったら困るのでパンを食べて直ぐに理科室っぽいところから出たよ。

 理科室じゃなくってもしかしたら家庭科室ってやつかもしれません。

 とりあえず自然さをアピールするために、扉を出てから失礼しましたーって頭を下げてみた。

 超自然、ヤバイ彩萌すごい自然。彩萌は……女優だね。

 ちょっとご機嫌だったけど、まあそこまで深読みする人はいないよね。

 シェリエちゃんどこかなー、教室かなー。それとも中庭とか裏庭とかかなー。


「アナタ……随分と教室から出てくるのに時間がかかったわね、二人っきりの教室……生徒と教師、怪しいわ! とってもとっても怪しいわ!」


 彩萌はびっくりした、いきなり後ろから声をかけられるんだもん。

 しかも見られていたようです、でも発言から想像するに会話内容とかまでは聞いてないみたい。

 振り返れば白とピンクでお菓子みたいです。

 二つに縛ったちょっとピンクっぽいような白い髪を揺らしてその子は近づいてきます、その子も結構背が小さいほうかも。

 彩萌よりはちょびっと高いけど、他の子と比べると小柄だね。


「愛なの? 愛なんでしょ? 愛に違いないです! 愛以外の何物だと言うの!?」

「違います、彩萌は腕とか顔にある痣が酷いから……もしかしたら魔法薬で治るかなーって思って相談に行ったんです」


 おぉ、彩萌すごい上手い嘘だぞ! しかも自然に出た!

 彩萌はやっぱり女優だね、これならたぶん信用してもらえるよね!

 なんか、彩萌の発言にその子は目をキラキラさせた。

 さっきの言葉のどこに、目をキラキラさせる発言があったのか彩萌にはわかりません。


「それは、あれよね! それを口実に会いに行ったのよね! 悲しくて切ない片思いなのよね!」

「いや……、いや、えーっとなんて言ったらいいのか分からないけど、違います」

「良いの良いの、否定しなくって良いの! 今のアナタとっても幸せそうだった、それはきっと恋する乙女だからよね!」


 否定できないけど、否定したいところがいっぱいあるんですけど。

 あ……この子、シェミューナちゃんだ。上の三のミギーくんの隣で超ラッキーって思う女の子だね。

 小さい羽がなんか、興奮してるのか超パタパタしてるんですけど。

 シェミューナちゃん、すごいクセが強いね。

 これは好きとか惚れたとかそんな話が嫌いなミギーくんは好きになれなさそうだね……。


「私が……アナタの愛を応援してあげても良いのよ?」

「えっと、いや……私は大丈夫です! それよりもえっと、シェミューナちゃん……だよね? シェミューナちゃんはミギーくんが好きって本当なの?」

「私達は運命の赤い糸で結ばれてるんだから! ミギーはあげないからね!」


 運命の赤い糸か……、彩萌も運命の赤い糸があるのかな。

 というかシェミューナちゃん言い切ったね、運命の赤い糸で結ばれてるって。

 どうしてそんなことが分かるのかな。


「でもやっぱりミギーはスピリット系の魔物だから、あんまり効果が無いみたい」

「そうなんだ、赤い糸はスピリット系の魔物に効果無いんだ……」

「そうなの! せっかく私が結んであげたのに、ぜんっぜん効果出てないんだよ! でも、リディー先生は人間だからきっと赤い糸の効果出ると思うわ!」


 ……ん? あれ?

 なんか、彩萌の赤い糸の認識とシェミューナちゃんの赤い糸の認識が違うような気がしてきた。

 彩萌が不思議そうにしてれば、シェミューナちゃんは彩萌の腕を引っぱって行くんですよ。


「今から効果を見せてあげるわ! そうしたら私に応援されたくなっちゃうから!」

「え……っと、はぁ……はい」


 ……もしかして、シェミューナちゃんの言ってる赤い糸って魔法?

 魔法で人を好きにさせるってこと? それってよく無いことだと思うような……。

 彩萌がとまどってると、シェミューナちゃんは校舎から出たの。

 ちょっと離れた場所にあった大きな図書館っぽいとこに来たんです、中を開けるとやっぱり図書館だった。

 シェミューナちゃんに引かれるがまま、彩萌はついて行きました。

 だってなんて言えばいいか分かんないんだもん。

 止めた方が良いと思うけど、どうやったら止められるのかな。


「あら……、今から効果見せるからね」

「え? 止めた方が良いよ……、そういうのって倫理的に良くないよ」

「大丈夫大丈夫、ばれやしねぇよ……私のカッコいいところを見て惚れるなよ、ヤケドするぜ」


 やばいです、シェミューナちゃん調子乗っちゃう人だ。

 あとシェミューナちゃんには惚れないよ、ヤケドもしないと思う。

「止めてよ」って言っても聞く耳を持ってくれません、彩萌は実力行使に出ようと思います。

 シェミューナちゃんの腕を引っぱってみます、だが彩萌は非力だった。

 ビクともしねーですよ、シェミューナちゃんいがいと鍛えてるのかな……!?


「お嬢ちゃん……愛を恐れてんのかい、大丈夫だ……怖いのは一瞬だけさ」

「いや、もうそれはいいから! 別に恐れとかそういうのじゃなくて、それは道徳的に良くないってこと!」


 図書館だからね、小声で言ってるよ。

 本当は叫びたいけどね、だってそうすればみんな気づくし……。

 でも彩萌にはそこまでの勇気が無かった、ヘタレです。

 シェミューナちゃんはなんか、弓を構えるような仕草を取るんです。

 彩萌に引っぱられたままそれをやるなんて、彩萌が超非力なのか、それともシェミューナちゃんがめっちゃ鍛えてるのかな!?

 けっこう力入れてるつもりなのに……、力入ってないのかな!?


「リィジアディグノームフェルディノスァドルニィ リィドクロードエミュールニーア クアニィアムディチノディグノム ディエメニス」


 シェミューナちゃんはそう言うと手を開いたの、彩萌は確かにシェミューナちゃんのとこから赤い色と青い色のなんかが出るのが見えた。

 あーあ、……彩萌知らないからね。彩萌止めたからね! そういうのって因果応報的になんかあるかもしれないからね!

 あーあ……先生にばれたら彩萌も怒られちゃうかも……。

 やだなぁ、怒られたくないなぁ。

 どこに飛ばしちゃったのかなって思って見れば、なんか赤い糸が出てる紫っぽい人が見えた。

 赤い糸はなんか途中で一旦透明になって青い色に変わってた、そんでもう片方の人に繋がってた。

 ヤバイじゃん、魔法かかっちゃってるじゃん。

 でもなんで彩萌に赤い糸が見えるのかな、みんなにも見えるのかな。

 赤い糸って小指で繋がってると思ってたけど、なんか胸のあたりから出てるんですけど。

 どうしよう……、誰かに相談した方が良いよね。


「成功したわね……、いやー良い仕事した後って気分が良いわね! これで世界にまた一つ愛が生まれたわ!」

「……怒られるよ」

「大丈夫大丈夫、そんときゃぁそんときだ……一緒に愛の逃避行と洒落込もうじゃねぇか」

「……シェミューナちゃん、それ……なんなの?」

「最近読んだ小説のね、カッコいいおっちゃんよ!」


 カッコいいのかな、彩萌にはまったく分かんない。

 魔力に敏感な人がいるのか、きょろきょろしてる人がいた。

 やっぱりよくないよ、魔法解いてあげてよって言おうとしたらもうシェミューナちゃんいなかった……。

 逃げたみたい……一緒に愛の逃避行するんじゃなかったんだね……。

 彩萌はどうしたら良いんだろう、先生に言うべきだけど……誰に相談したら良いんだろう?

 こういうのってやっぱり魔法の専門家的な人が良いのかな?

 どうしよう……。


「やっほー、彩萌ちゃんどうしたの?」

「あ、あぁディーテさん! 大変なんですよ……ってどうしてディーテさんがいるんですか!?」

「えへへ、お兄さんは今日から図書館の司書さんの仲間入りをしたんですよ。これで図書館に来れば彩萌ちゃんはお兄さんに毎日会えるんですよ!」


 あ、あぁ……だから朝はすっごい機嫌が良かったんだね。

 大好きな本に囲まれてるしね……、いや……! 今はそんなことをしてる場合じゃなかった!


「ディーテさん大変なの、愛の逃避行一人でされちゃったの」

「なんだか虚しい愛の逃避行だね」


 あ、いや違うよ。

 逃げられちゃったことよりもシェミューナちゃんの魔法の話しなきゃだよ。

 どう言ったら良いのかな? これって赤い糸って言えば伝わる話なのかな?

 そんなことを考えてれば、ガタンって大きな音が聞こえたんですよ。

 なんか椅子が倒れたような音だった。


「……っき、気分が悪いです! 不愉快です!」


 あ、ユヴェリア王子じゃん。

 王子図書館では大きな声出しちゃダメなんだよ。

 素早くなんか本を抱き抱えるみたいに持って王子はね、その場から逃げたの。

 まあ本はあるべき場所に返してたけど、図書館では走っちゃダメなんだよ。

 ……あれ、というか赤い糸が出てたの王子じゃない?

 だって紫色の人だったし、やばいな……彩萌はどうやら王子をキラキラで判断してたみたいですよ。

 キラキラが無いと王子は遠目だと分かんないや。

 王子が座ってた近くにね、赤い糸と繋がってる青い糸が出てる人がいたの。

 ちょっと暗い雰囲気の女性だった、なんかオバケみたいな人だね。


「あ、あのね、ディーテさん大変なの……王子が魔法かけられたっぽい!」

「そうだね、見てたから知ってるよー。でも王子なら大丈夫だよ、半分スピリット系の魔物さんだから呪いはほとんど効果ないよ」

「えっ、見てたの……? でも王子逃げたよ……?」

「それはたぶん王子が半分スピリット系の魔物だからだよ、スピリット系の魔物さんは生殖活動とかの生物の基本の活動を必要としないから生物が持ち得ている欲求の感情をほとんど理解できないんだよ、言い寄られて怖いとか気持ちが悪いって思ったんじゃない? 王子ほぼスピリットだし」

「そ……そうなんだ、なんか怖い思いしちゃって王子かわいそう……どうにかできないの?」

「ごめん……お兄さん縁を切るのは得意じゃないんです」


 えー、じゃあ止めてくれればいいのに! だって見てたんでしょ?

 シェミューナちゃんが魔法使おうとしてる時に止めてくれればいいのにぃ、ディーテさんのバカぁ……。

 だってあのお姉さんだって王子のこと好きじゃなかったのに、好きになっちゃったんでしょ?

 それってすっごくかわいそう! 良くないことだと思う!

 洗脳とか、そういうやつじゃん。

 なんで彩萌こんなに非力なんだよぉ。


「それはやっぱり、彩萌ちゃんが生まれ変わったばっかりだからじゃない?」

「ぶう……、もうディーテさんには頼らないから良いもん……王子に直接相談するもん」

「え……縁を切るのが苦手なだけで他のことなら頼りになるよ!?」


「王子も世間を知った方が良いと思って!」とか言い訳してたけど知らん、もう勝手にしろー。

 ディーテさんなんてあんぽんたんだもん、あんぽんたーん……あーんぽーんたーん。

 どうせディーテさんのことだから、なんか面白そうとか……興味があったから止めなかったんでしょ。

 そんなディーテさんの力は借りません、彩萌は自立した立派なレディーになるから大人の手は借りません!

 でも王子に相談はする、だって彩萌の知識とか語学力とかじゃあたぶんダメだと思うし……。

 それになんか、先生に相談するのはちょっと勇気がいるって言うか……。

 彩萌まだ全然馴染んでないから、ちょっとだけ不安なの。

 それにちゃんと止められなかったから、怒られちゃうかもしれないし……。

 王子は呪いとか魔術に詳しいって聞いたし、ディーテさんも呪いって言ってたし。

 図書館から出てふらふらしてた、だって王子どこ行っちゃったか分かんないし……彩萌迷子かも。

 あーうー……どれが幼少クラスがある校舎だっけ?

 幼少クラスがあるのはすっごい大きい校舎だっけ……?

 中学に行かないで祖国に帰っちゃう子が結構いるから、幼少クラスのある校舎はちょっとだけ大きいんだよね……。

 それで中等クラスと高等クラスは同じ校舎で、大学が一番小さいんだっけ……。

 あうぅ、彩萌にはまだ違いがよく分かんない! どこから出てきたんだっけ!?

 図書館から一番近い校舎だったっけ!?


「あれ、彩萌さん……どうしたんですか、迷子になってしまったのですか?」

「あ……、王子居た! なんか、運命的な物を感じてしまいます……!」


 迷子になってたからね!

 王子に会えるなんて奇跡的だよ、神様は彩萌の味方をしてたんだね!

 なんか彩萌の発言にすごい王子は戸惑ってた、動揺してた。


「王子探してたんですよ~、このまま会えなかったらどうしようと思って!」

「え……っと、あの……誤解してしまいますから、その様な発言は止めていただけますか」

「誤解じゃないですよ! 彩萌は王子を探してたんです!」

「私に、会いに来たのですか?」

「そうです!」


 王子ちょっとだけ顔赤いよ、でも確かに今日はちょっと暑いよね。

 必要無いかも知れないけど……今日は王子も水分取った方が良いかもね!

「ありえない」って呟いてたけど、よく分かんないけどたぶんありえなくないんじゃない?

 王子もしかしてご機嫌なのかな、空気がちょっとふわふわしてるよ……さっき逃げてたのに。


「それで、私にどのような用事があって彩萌さんは参られたのです?」

「えっとね……王子図書館で呪われちゃったんだよ! 赤い糸の呪いだって!」

「……あぁ、そうですか。それで私を、……探されていたのですね」


 あれ、なんか空気がちょっと重くなった。

 気の所為だったのかな、王子は精霊さんよりもそこらへん分かりづらいからね。


「赤い糸の呪いですか……、耳にした事は有りますが実際に拝見した事は有りません。突然見知らぬ女性に話し掛けられたのも、その所為だと彩萌さんはおっしゃるのですね」

「だってそこから出てる赤い糸があの人と繋がってたよ?」

「――……申し訳ありません彩萌さん、私は赤い糸を拝見することが出来ないようです……」


 なんと……! この赤い糸は今は彩萌にしか見えてないのかな!?

 不思議だね、とりあえず赤い糸を彩萌は持ってみたよ。

 王子に近づいたら、ちょっと王子はどぎまぎしてた。

 見えないからね、彩萌にはけっこうはっきり見えるのに……。

 なんか触った感じはあんまりなかった、ふわふわしてて……赤い糸あったかいね。

 なんか引っぱったら千切れそうだね、千切れちゃったらどうなるんだろう?


「ねえ……、これ引っぱっちゃダメかな」

「さ……さあ、私は見る事が出来ないので何とも言えません。ただ、赤い糸が切れるという事は縁が切れるという事ではないでしょうか?」

「それって呪いがとけたってことかな? あのお姉さんの洗脳も溶けるかな?」

「わ、わかりません。ただ、私が今一つ言える事は……ちょっと近過ぎる様な気がするという事くらいですけど」


 うーん……、なんか彩萌今これをすっごい引っぱりたい気分!

 洗脳とか魔法で無理矢理に作った縁なんて、なんか良くない気がするし。

 でも引っぱったらどうなっちゃうんだろう?

 そんなことを考えながら赤い糸をいじってたら、プチって音がして千切れちゃった。

 あって思ったら、しゅわしゅわーって感じで消えちゃった。


「切れちゃった、王子大丈夫? なんか変なとこない?」

「そうですね、動悸が激しい意外に体の不調は感じられません」

「なんかよく分かんないけど、あとでお医者さんに見てもらった方が良いよ!」

「これは薬では治せない病なので、時間が解決してくれるのを待つしかありません」


 先天性のなんか病気なのかな、王子も大変だね。

 でも呪いがとけたならいいや、良かったです。

 いやーめでたいね、ってにっこり笑ったら王子も笑い返してくれた。

 王子は愛想が良いよね、赤い糸が無くても色んな人に好かれてそうだね!


「ねえねえ王子、彩萌迷子になってるっぽい」

「大丈夫ですよ彩萌さん、私がきちんと送り届けて差し上げますよ」

「でももうすぐ休み時間終わらない? 場所教えてくれたら一人で行けるよ」

「午後は特に予定は入っておりません、入っていたとしても友人である彩萌さんよりも大事な用事など今の私にはありません」


 授業受けなくて良いの? 午後はお休みなのかな。

 にこにこ王子が笑ってるから、まあ大丈夫かなって思った。

 ……っあ!? 五時間目って山吹君の授業じゃん!

 急がなきゃだよ、山吹君に怒られちゃう!


「王子あのね、五時間目は魔法薬の授業だからちょっと急ぎ目でお願いします!」

「今……とても、私にも赤い糸が見えたらいいなと思いました」


「千切ってやりたい」って言ってたけど、もう赤い糸繋がってないよ。

 王子はゆっくり歩こうとするから、彩萌は道案内されてるけど王子を引っぱって歩いたよ。

 でも彩萌は今は非力だった、王子あんまり走ってくれない……。

 そしてどこにあるか教えてくれればいいのに……教えてくれない。

 ちょっと、この短時間で王子いじわるになったんじゃない!?

 彩萌が赤い糸千切ったせいかも……。

 でも王子は昔から腹黒ってやつだったか……、彩萌が必死に引っぱろうとしてる姿見てにこにこ笑ってた。

 なんで楽しそうなのさ、彩萌は山吹君に怒られそうなんだよ。

 っく……道案内を頼む相手を間違えたっ、そのへん歩いてたお兄さんお姉さんにお願いすればよかった。

 そういえば、途中でシェミューナちゃんが見えたんだよ。

 彩萌のことじーって見てた、愛の逃避行したんじゃなかったのかな。

 王子を引っぱってる時にチャイムが鳴ったんだよ、キーンコーンカーンコーンじゃなくってもっときれいな音だけどね。

 チャイム鳴ってから王子は普通に早歩きしてくれた……最初から早く歩いてください。

 玄関のところでシェリエちゃんが待っててくれてた、ごめんねシェリエちゃん……。

 王子と玄関のとこでお別れして、シェリエちゃんに図書館に行ってたって言った。

 迷子になったことも言った、そうしたら……彩萌が迷子になっちゃって、私は彩萌を探してて遅れてしまいましたって言い訳しようか、だって。

 そうだね……、まだ編入してきたばっかりだから許してくれるよね。

 というかそれは、ほぼ真実だから言い訳じゃないような気がします……。





 ――あやめとアヤメの交換日記、八頁

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