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あやめとアヤメの交換日記  作者: 深光
紅い糸の軌跡
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童心を忘れずに

 一旦紹介するから、食堂に行かないといけないらしい。

 超どきどきする! シェリエちゃんはすっごい深い溜息を吐いてた、目立つのがイヤなんだって。

「まあ二人は絶対目立つよね!」ってクーリー……いや、ミギーくんに言われた。

 ちょっと見分けつかなくなりそう、だって声も動作もそっくりだもん。

 ミギーくんの本当の姿ってどんな姿なのかな、やっぱり魔法でマネしてるのかな。

 食堂の前にはシュガーさんが居た、みんな待ってるって。

 居ない人も居るけど、まあだいたい顔を覚えて貰えば良いからってシュガーさん言ってた。

 シュガーさんの後に続いてお部屋に入ると、けっこう子供たちいっぱい居るね!

 シュガーさんとかを見て、みんなお喋りを止めてシーンってなってました。

 ギルドの食堂にちょっと似てる、ここから厨房の中身が見えるみたい。

 厨房の中にはセクシーなお姉さんがいて、目があったら手を振ってくれた。


「昨日話したと思うけど、新しく家族になる二人だよー……仲良くしてあげてくださいね!」


 そうシュガーさんが言えば、拍手してくれた子もいたけど……なんかブーイングとかえーとかいろいろ文句言う子もいた。

 彩萌はこの一か月くらいでなんかすぐになれちゃったけど、シェリエちゃんは気にしてるみたいでちょっとうつむきがちになってた。

 背中さすってあげたら、びっくりしてびくってなってた。


「おい、こら! さっき文句垂れた奴らみんな今日の夕食トカゲの黒焼きにするぞ!」

「別にトカゲの黒焼き好きだもんねー!」

「好きって公言して文句垂れてた奴は今日の夕食無しな」


 厨房のお姉さんがそう言えば、一部から悲鳴が上がってた。

 やっぱり、ここは彩萌が率先して自己紹介をするべきですよね!

 彩萌のタフな精神はこれくらいではへちょりとも折れ曲がらないのです、でもやっぱりちょっと心は痛いけどね。


「私は叶山彩萌と言います、彩萌が名前です。よろしくお願いします!」

「……えーっと、彩萌の良さが分からないなんて魔物失格だぞ! 魔物はみんな拍手しろー!」


 ミギーくんがそういえば、なんかとまどいがちに拍手してくれた。

 なんでとまどってるのかな、やっぱり見た目の所為かな。

 それとも呪われてる所為かな……、ちょっと気になってきちゃった。


「気にすることないよ、彩萌がなんかちょっと異質だから戸惑ってるだけだよ! すぐにみんな慣れるから大丈夫!」

「それって……フォローですか?」


「たぶん」ってミギーくんは笑った。

 うむ……まあ、しょうがないね! みんなすぐに慣れるよね!

 シェリエちゃんはクーリーちゃんになんか耳打ちされてた、何話してるのかちょっと気になる。

 クーリーちゃんに何話したのか聞いたら、大人の女の会話だからチビッ子には秘密って言われた。彩萌……同い年なんですけど、チビッ子じゃないんですけど。


「女子ってなんかあれだよね! 群れながらヒソヒソする生き物だよね!」

「ミギーくんだって女子みたいな見た目してるくせに……というか彩萌も女子ですし……」

「でもあれですし、ミギーと彩萌はスピリット系の魔物って言うジャンルですし」

「口調を真似するのは止めてください」

「それだけ彩萌に友好的感情を抱いているということですよ!」


 振り返ってみれば、いつの間にかミギーくんに彩萌と同じ角が生えてた。

 見た目はクーリーちゃんのままなのに……、どっちをマネするか決めてからモノマネして欲しい感じです。でもそれだと見分けがつかないから、今のままでも良い気がするけどね!

 というかそうか、彩萌もスピリット系の魔物さんだったのか……。

 ミギーくんとは仲間だったんだね。

 同族さんだからか、ミギーくんがちょっかいを出してくるけど適当に返してたらシェリエちゃんが自己紹介するみたい。

 ずっと被ってた帽子を外したシェリエちゃんは面倒臭そうな雰囲気だった。


「シェリエ・クアノーズ・ヴァニマ……よろしく」

「シェリエ笑顔だー! 笑顔で悩殺しろー!」


 クーリーちゃんがそう言うんだけど、シェリエちゃんなんかすっごい嫌そうな顔してた。

 シェリエちゃんはすっごい美人さんだからか、すっごい拍手されてた!

 やっぱりシェリエちゃんは美人さんだよね、彩萌のことでは無いのになぜか鼻が高いです! でもシェリエちゃんの二番の親友は彩萌ですからね、一番はエニョールちゃん!

 そんなこんなで、解散です。……学校に行かなきゃいけないからね!

 シェリエちゃんに話しかけたい雰囲気を出してる人が結構いるのを察知したのか、シェリエちゃんは解散してすぐに彩萌の手を掴むとほぼ走って食堂から飛び出したんですよ。

 クーリーちゃん置いて行っちゃったけど良いのかな、なぜかミギーくんはついて来れてた。

 というかミギーくんはよく見たら飛んでた、すごいね。


「というかー、先行ったら職員室とかいろいろ分かんなくない?」

「やっぱりほら、ミギーくん追い掛けて来てくれたわけだし……お願いします」

「良いよー、ちなみにあの校舎の三階の真ん中あたりね!」


 ミギーくんの言葉を聞いて、シェリエちゃんは持ってなかったはずの箒を取り出したんです。

 それも魔法なんだね、すごいねシェリエちゃん。

 というか今箒必要ないよね、とか思ってたらシェリエちゃん無理矢理彩萌を抱っこして箒で飛ぶんですよ。シェリエちゃん目立つの嫌いって言ってたじゃん、これすっごい目立つと思うんだよね。

 ミギーくんがすごーい! って喜んでたけど、彩萌は怖かったので目をつぶってました。

 気付いたら校内にいました……、そんなに逃げたかったんですか。


「……目立つの嫌いじゃなかったの?」

「階段上るの面倒だと思ったし、窓開いてたから」


 シェリエちゃんって不思議だね、ミギーくんは本物の魔女だって言って笑ってたけど。

 校内は彩萌が知ってる感じに似てるんだね、学校って感じ!

 でもやっぱり廊下が超広い! シャワールームまでの道はもっと長かったけど。

 彩萌は埃をぱたぱた払って立ち上がりました、職員室はここからけっこう近いらしい。

 オリーネ先生はオリーネ先生の専用の部屋があったけど、オリーネ先生は博士さんだったから専用の部屋があったのかな……?


「さっき窓から入ってきたのはお前らか! 校則で禁止してないとは言え、マナー的にダメだろーが!」


 背後から怒られちゃって彩萌はびっくりしちゃったよ、ミギーくんはニヤニヤしてたけど。

 でもやっぱり窓からダイレクト登校はダメだったんだね……、ごめんなさい。


「別に良いじゃん、サンタクロースなんて煙突からダイレクトで来るじゃん?」

「サンタは関係ない、というかお前はサンタなんて信じてるような性格じゃないだろ!」

「先生知らないの! サンタクロースは実在するんだぜ!」


 というかミギーくんの本当の口調はそんなんだったんだね、普通に男子だね。

 彩萌たちを怒っている先生は、銀色の髪の男の先生だったよ。

 ちょっと目付きが悪いその先生は、彩萌たちを見てちょっとだけ不思議そうな顔をしてすぐに納得したような顔になった。


「見たこと無いなって思ったけど、お前ら編入生か……初日早々何やってんだよ、初日くらい大人しくしろよな!」

「とにかく早く学校に来てみたかったんです、私……早く勉強したくて気持ちが焦ってて」


 いつものシェリエちゃんとは思えないことを言えば、先生はとまどってなんか「そ……そうか」って返答に困ってた。

 そうか……そんな感じのことを言うと先生困って怒れなくなるんだね、勉強になった。

 ミギーくんは笑いをおさえるのに必死だったみたいで苦しんでた。


「いや、まあ……でも次はちゃんと玄関から入ってこいよ? 今回は初犯っていう事で大目に見てやるけど……」

「……ごめんなさい」


 やっぱり彩萌は謝っておきます、だってなんかやっぱり悪いことだったみたいですし……。

 頭を下げたら、なんか銀色の先生に頭を撫でられた。

 ついでに角も触られたけど……、彩萌のことめっちゃチビッ子だって勘違いしてない!?


「なんかよく分からんが、御利益が有りそうな角だな」

「なんかよく分かんないけど……その感覚よく分かる! やっぱり狼男は五感が優れてるね、種族としてはイマイチだけど」

「イマイチとか言うな! ミギーお前今日の生態の授業は忙しくなるとおもえよ」

「私の知識は古いものだけど、狼男は半人で結論が着いたんじゃなかったのか」

「元は半人だって証明されたけど、最近は新しい種族として認定されたんだよ」


 へぇ……そうなんだ、エミリちゃんは半人なのかな?

 それとも狼男……いや、狼人間?

 でもエミリちゃんは普通の時でも狼の耳生えてるし、お父さんとお母さんが人間と獣人族だからやっぱり半人なのかな?

 やっぱり狼男の両親は狼人間なのかな?

 新しい種族として認定されるんだから、きっとそうだよね。


「やっぱり満月の夜は狼になるの……ですか?」

「満月関係なしに夜は狼に戻るぞ」


 戻るって言い方なんだね、つまり元は狼なの……?

 そんな無駄話をしてたけど、先生は腕時計を確認してミギーくんに教室に行くように言った。

 彩萌たちを職員室に案内してくれるみたいです。


「クウェンシー・カルヴィン、魔物の生態について教えてる……よろしく」


 カルヴィン先生ですね、うん覚えた……よろしくお願いします!

 職員室は本当に近くにあった、カルヴィン先生の後について職員室に入ったんです。

 あ……山吹君いた!

 でも山吹君と知り合いなのは秘密なので見ないようにしなきゃ……。

 編入生は彩萌たちだけじゃなかったみたいで、なんか和風な感じの男の子がいたんです。

 何か白っぽくて赤い模様が入ってる狐のお面被ってた!

 彩萌の知ってる天狗の双子みたいな感じなのかな……。

 こっちに顔を向けて、彩萌とシェリエちゃんのことぼんやり見てた。


「今年は珍しいですね! 幼少クラスに編入生が三人も居るなんて、ここ四十五年は無かったですよ~!」


 ついお面の子を見返してたら、なんか柔らかい紫色の髪をした若い見た目をしてる女の先生が近づいてきたんです。

 なんか足取りが軽やか、全体的にふわふわしてる感じです。

 なんか耳が垂れてるうさぎさんみたいな耳してる、目がぎょろっとしすぎててちょっと怖いです。


「しかも……、女の子が二人も! 女の子が二人ですよ! 女の子ですよぉ~!」

「……シビー先生、ちょっと……落ち着いてください」

「私は落ち着いていますよ、えぇ……落ち着いていますともグアリエせんせぇ!」


 落ち着くって言う言葉は、きっとこの人の中では違う意味になってるんだろうね。

 彩萌はえっと……シビー先生が落ち着いてるように見えないです。

 しかもシェリエちゃんどん引きだし、カルヴィン先生もどん引きしてるよ。

 お面の子はそのシビー先生のことをたぶんぼーっと見てた。

 シビー先生は歌うように喋るんですね……。


「私は生活について教えております! 料理とか、裁縫とか……日常生活に必要な知識を皆さんに教えております!」

「あ……えっと、はい……よろしくお願いします……」

「貴女はとても小さくてとてもとても可愛らしいですねぇ~! ちゃんと栄養を取っているのです!?」


「食べてます……」って彩萌が小声で返したら、すっごい笑顔で「それなら良いです!」って言ってた。

 なんか怖い、よく分かんないけど迫力が怖い。

 シビー先生に対して無反応な先生もいるけど、反応してる先生はみんな引いてたよ。

 彩萌が見たところ……、無反応な先生はすごい年取ってるか逆に若々しく見えるからもしかしたら長いこと教師やってる人たちだと思う。

 たぶんシビー先生のこの反応に慣れてるんだと思う……たぶん。

 シビー先生にグアリエ先生って呼ばれてた、眼鏡の小柄な男の先生がなんか言おうとしたら職員室の扉をバーンって開ける人がいたんですよ。


「夏休み気分で寝坊した、夏休み気分で寝坊した! やっぱり夏休みは悪魔だよ!」

「ちょ……ちょっとイクシィール先生! 生徒の前ですよ、壊す勢いで扉を開けるのは止めてください!」

「これくらいで壊れる様な貧弱な扉じゃないから大丈夫だったみたい! やっぱり初日だけでも早めに来たいよね」

「そういう問題ではありません! 生徒が真似をしたらどうするおつもりですか!?」

「学活始まる前に来ただけでも評価はしますけど……十分遅いと思います、あと生徒が真似をする前にイクシィール先生をクビにすれば全てが丸く収まると私は思いますね」

「私にしては早い方だよ!」


 なんか……先生たちかなり自由だね……、なんか……グアリエ先生が気分悪そうだよ。

 扉を壊す勢いで入ってきたのは褐色な肌の小さくて男の子みたいな感じの先生、たぶん妖精とかそういう系だと思う。本当だったら耳が生えてる場所になんか、宝石みたいなのが生えてる。

 けっこうぶかぶかな服を着てて、可愛い感じ?

 そんなイクシィール先生に文句を言ってた先生もだいぶ小さかったけどね、……なんか先生たち小柄な人多くない?


「おぉ、これが編入生たちだね! えっ……、三人も居たの!?」

「昨日レニ様が話されていたじゃないですか、何を聞いていたのです? アナタには何の為に耳と頭があるのか、私に教えてくれませんか?」

「休日の使い方を考える為の頭と、大好きな音楽を聞く為の耳だったと思いますよ!」


「バカだろ……」って言われてた、そんなイクシィール先生と色白のすごい小さい先生の会話を聞いていたらカルヴィン先生に気にしなくて良いからって言われた。いつの間にかシビー先生は自分の席に戻っていろいろ準備してた。

 どうやら彩萌たちのクラスの担任の先生はグアリエ先生みたい。

 いっぱいふらふらしながら教材を持ってきてくれました。


「えっと……よろしくお願いしますね!」

「みんな同じクラスなの?」

「そうなんです、夏の間に色々あったみたいで祖国に帰っちゃった子が何人も居まして……」


 はぁ、とグアリエ先生は溜息を吐いた、苦労してそうな人ですね……。


「リッテに聖樹が突然現れたおかげで地元での就職口が見付かったから高等な勉強が必要なくなってしまったらしくて……」


 祖国に帰っちゃったのは彩萌の所為だった、なんかごめんね。

 シェリエちゃんがちょっと笑いそうになってたけど、でも祖国で仕事が出来るのは良いことだと思いますよ! う……嬉しい悲鳴ってやつですよ、たぶん……。

 多分祖国に帰っちゃった子はリンズとかから来た子に違いない……。


「あ……でも聖樹が突然現れたのも聖女様の思し召しでしょうし、とても幸せなことだと思います! 寂しいことではありますが、生まれ育った地で生きられることは喜ばしいことです」


 グアリエ先生は信心深そうな人だね、……シェリエちゃん笑いながらそうですねって言わないでください。

 こんなに役に立てて、聖樹のお姉さんも喜んでるよ……。

 彩萌は教材を受け取りながら、どう反応していいのかちょっと分かんなくなってたよ。

 まだちょっとだけあるらしいけど、各授業を受ける時に担任の教諭に貰ってください……だって。


「私はグアリエ・シルヴェニスです、一年という少々短い期間ですが……よろしくお願いしますね」


 グアリエ先生は、クレメニスの歴史を教えてるらしい。

 というかグアリエ先生はどっちかというと、教師じゃなくて神父らしい。

 そんなことを教えてくれながら、グアリエ先生はすごい透明な水晶玉を取り出したんです。

 よく見たらグアリエ先生、真っ黒な手袋着けてた。


「魔力の色を確認しますから……手をかざしてくださいね、……絶対に触れちゃダメですよ! 魔力を吸い取る石ですから、直接触れてはいけませんよ!」

「彩萌の杖と一緒か……」

「え、ヴァニマさん何か言いました?」


 すっごい小さく呟いたから聞こえなかったみたいでグアリエ先生は聞き返してたけど、シェリエちゃんは曖昧に笑った。

 彩萌には聞こえたけどね、そうだね……彩萌の魔女っ娘スティックと同じだね。

 まず最初に手をかざしたのはお面の子だった。

 手をかざしたら、なんか水晶玉の中に色が広がってぐるぐるしてた。

 すごいね、カラフルだね! とってもきれい!


「青色と白色が強く出ていますね、それに緑色も通常より色鮮やかですね……白仮(しらけ)さんは赤や朱色が扱えないようですね」

「知ってる」


 おぉ、初めて喋った。その返答にグアリエ先生は苦笑いしてたけど。

 次はシェリエちゃんがかざしてた、超黄色い!

 緑色とかもちょっとあって、全般的に使えるって言われてた。

 彩萌は魔法使えないはずだけど、一応かざしてみます。


「――真っ黒……ですね、……穢れている訳では、無いようですが……」

「すごいね」


 白仮くんがなんか反応してくれた、……真っ黒は珍しいのかな。

 昔イズマさんが虚無とか、無限とか言ってたけど……居ないことは無いけどーってこと? あれかな……仮にいるとしてとか、黒はほぼ居ないからよく分かんないから虚無とかそういうことなのかな。

 ……あ! もしかして黒の力を扱う精霊さんが最近までいなかったから、能力が無かっただけとか?

 もしかして黒い魔力もなんかできるのかな……、彩萌も魔法少女かな!?

 グアリエ先生がちょっと困惑気味って言うか、驚いてた。


「……実際に黒い魔力を持っている生き物を見るのは初めてです、黒い魔力は観測はされていますけど……生きている物から反応が出るのは初めてです」


 ジェリさん真っ黒だから、黒い魔力なのかなって思ってたけど全然違うのかも。

 生きてない物からは反応が出たのかな、黒い魔力……。

 彩萌は決してアンデッド系の魔物じゃないですよ!

 何回も生まれ変わってるけど……。

 あと黒い魔力に関してはシェリエちゃんは別にびっくりしてなかった。


「邪鬼という種族も珍しいが、黒い魔力を有してるのか……嫌じゃなかったらぜひ、俺と仲良くしてくれ。白仮、お前もだ」

「……カルヴィン先生、生徒を観察対象にしないでください!」

「生徒を観察対象にしちゃいけないだなんて……、それだったら一体俺は何の為に此処に来れば良いんだよ!」

「じゃあねー、遊びに来れば良いと思うんだよ!」

「もう! イクシィール先生は早く準備をなさってください、もうすぐ時間ですよ!」


 職員室の中には気づいたらカルヴィン先生とイクシィール先生くらいしか残ってなかった。

 カルヴィン先生は彩萌とか白仮くんの生態が気になってたのかな!?

 というかカルヴィン先生が気になるってことは、白仮くんも魔族なのかな?

 白仮くんのほうをちらっと見たら、小さく手を振ってくれた。

 だから彩萌も手を振り返してみました、白仮くん……ちょっと笑ってるような気がする。というか、白仮くんはなんでお面被ってるんだろう?

 そんなことを考えながら、彩萌は教室に向かうグアリエ先生について行くのでした。





 ――あやめとアヤメの交換日記、四頁

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