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あやめとアヤメの交換日記  作者: 深光
紅い糸の軌跡
11/114

夢の後遺症

 ふあーっと大きな口を開けて欠伸をします、二度寝した所為か眠いよ。

 朝日が眩しい……、すっごい朝早いのです。

 ちょっとウトウトしながら彩萌は今、窓ふきをしているのです。

 ここでは日曜日がお休みらしいので、日曜日に大掃除をするらしいですが……大変だからちょこちょこ掃除をしようという魂胆らしい。

 まあ本当にちょっとだけ、適当に……それにしても眠いです。

 うん……眠いのもあるけど、なんだかちょっぴりくらくらするような気がしなくもない。

 寝不足だからかなぁ、本なんて読むからか……。

 お掃除が終わってから着替えます、パジャマに埃がついてしまいました。

 洗面所で顔とか洗って歯を磨いて、ちょっぴりしゃきっとしてから彩萌は一度部屋に戻ってぱっちん留めを装備します!

 今日はーピンクのお花だよー、うふふ。明日は星が良いなぁー。

 それでその次はー月で、次は太陽にしてあげよう。

 お魚さんとか、色々あるんだよ。

 おほほほほ、彩萌はレディーですからね。おしゃれはテンションあがるのよー。

 でも今日は眠いし、ダルイから髪の毛は縛らなくてもいいや。

 髪の毛とかしてたら、着替えてたクーリーちゃんが近づいてきたのです。


「今日は髪の毛縛らないの?」

「ちょっとー、眠いから良いかなーって」

「じゃあ、アタシが縛ってあげるよ!」


 うんってうなずいたら、ちゃちゃっとクーリーちゃんは彩萌の髪の毛を縛ってくれたのです!

 早業だね……! あっという間にポニーテールです!

 それで彩萌の箱の中から一番大きい可愛いぱっちん(前髪にはつけられない感じ)ってするやつ出してね、ポニーテールの縛ってるとこにつけるの。

 すごいおしゃれだね! 彩萌の可愛さがこれできっと二倍だね!


「クーリーちゃんありがとう!」

「良いの良いの、だってアタシは先輩なんだからね! シェリエもやる?」

「縛る髪が無いから、お断り」


 髪の毛が可愛いとワクワクします、うふふ……クーリーちゃんのおかげで今日の彩萌はいつもよりおしゃれさん。

 服は洗濯室と言うので洗うらしい、男女別々の洗濯室があるみたい。

 洗濯機があるらしい、しかも……洗濯乾燥機ですよ!

 幻想世界(ふぁんたじー)ハイテクだね……、しかも一瞬で終わるらしい! 魔法だからだって!

 すごいなぁ、魔法すごいよ。朝の忙しい時間が一瞬で終わるんだね。

 昨日使った服とかも一緒に洗っちゃうよ。

 一緒に洗っちゃえ、ってことでクーリーちゃんとシェリエちゃんのも一緒に洗うことになったよ。

 洗濯機の横にある箱の中の四角い小さいカラフルなブロックが洗剤らしい、一個入れてふたを閉めてスイッチオン!

 ちょっとがっちょんがっちょんなってたけど、本当にすぐに終わったの……!

 幻想世界(ふぁんたじー)ハイテクだぁ、すげぇ……。

 持ってきたのと同じカゴに畳みながら入れるよ、彩萌はお母さんのお手伝いしてたから洗濯物たたむの苦手じゃないよ!

 すぐに部屋に戻ってタンスに服を入れて、朝ごはん食べに行きます。

 早起きしたけど、いつもと同じ時間にご飯食べてる……孤児院の朝は忙しいねぇ。

 朝ごはんはナッツの入ったパンとスクランブルエッグとサラダとニンジンとベーコンが入ったスープ。

 カウンターでご飯貰う時にね、セクシーなお姉さんに頑張ってなーって言われた。

 全部手作りしてるらしい、すげぇです……キッチンにはお姉さん一人しかいなかったのに……。

 お姉さん超人! カッコいい!

 牛乳とリンゴジュースは一人一杯まで、あとは水を飲めと言った感じ。

 彩萌はリンゴジュース飲んでる、シェリエちゃんは水で良いって言ってた。

 それでクーリーちゃんが牛乳です。

 このパンかりかりのサクサクでふあふあな感じで美味しい、ふあっかりっさくっ!

 しばらくご飯を食べてたら、食堂にふらふらーっとミギーくんがあらわれた。

 今日のミギーくんは昨日のままで、白仮くんみたいな感じ。

 あれ……でもミギーくんはスピリット系の魔物さんだからご飯いらないんじゃなかったっけ?

 そう思ってたらなぜか彩萌の方に来て、何も言わずに角に触ってまた食堂から出て行った。

 ……何がしたいんだろうか、ミギーくんは。

 彩萌が不思議そうに角を触ってたら、クーリーちゃんがクスクス笑ってた。


「気にしなくて良いよ、アイツいつもあんな感じで人から勝手に魔力奪っていくはた迷惑なヤツだから!」

「えっ……あれって魔力を奪っていく作業だったの?」

「そうだよ、いつもああやって誰かの肩とか頭とか髪とかに触って魔力取って行くから……でも体に負担を掛けない量しか貰ってないらしいから大丈夫だよ!」

「スピリット系の魔物は高確率で魔力を糧にしてるらしいね」


 そうなんだ……、彩萌の魔力を朝ごはんにしたんだね。

 でもなんか、ちょっとあったかい感じがしたんだけどな……なんか優しい感じ。

 何か言ってくれればいいのに、おはようとか……眠かったのかな?

 顔は見えなかったけど、ぼーっとしてる感じだったし。

 ご飯を食べ終わって、カウンターに行って食器を返したら学校だー。

 バッグを持って今日も元気に学校に行くのです、ちょっぴり眠いけど……全然平気だよ。

 バッグの中にはあのお面が入ってるの、本当はこういうの持って来ちゃいけないらしいけど。

 クーリーちゃんと分かれて、教室に入ると白仮くんはもうすでに居たの。

 早いね白仮くん、おはようって言ったらおはようって返してくれた。


「あのね、白仮くん……これね、なんていうか……白仮くんに似てる雰囲気の人の落し物なんだけど――……知ってる?」

「……さあ? でも……なんか、爺ちゃんこういうの好きかも」


「見せたいから、借りて良い?」と言われて、ちょっと悩んだけどおっけーした。

 なんとなくだけど……、このお面は白仮くんが持っていた方が良いと思うんだ。

 白仮くんはそのお面をバックにしまってた、彩萌は持ってきた本の続きを読もうと思う。

 これを読み終わって降誕祭のがいようを知ったら、ちゃんとした降誕祭の本でも借りようかな。

 それで続き……六月がむーちゃん(月の精霊)で六月二十二日、イソニアールって祭り。

 月が良く見える時間、その年に成人した参加希望の人を集めるらしい。

 それで抽選でドラゴンと、戦士に分ける。分けられたらこれまた抽選で相手を決めて決闘するお祭りだってさ。

 このお祭りは怪我人が出てしまうらしい、まあ決闘だからね……。

 それで七月がフレアマリーさん(太陽の精霊)、七月二十八日で名前はフアソーニスリィトリア。

 太陽がのぼる時にキャンプファイヤーみたいな感じで大きなたき火を作って、日が落ちるまでその火を絶やさないようにする祭りらしい。

 まあ火を保つのは魔法で簡単にできるみたい。

 そんなことよりも火の前で行われる剣を使った踊りと斧を使った踊りというか演武? がすごいらしい。

 それで九月に飛んで聖女、九月二十日で降誕祭……本当の名前はアムシェクアーノメニスルフトゥアだって。

 まあ聖女がこの日に誕生したことを祝ったり、大事な人とシーシープドラゴン人形を交換し合って縁を結ぶという感じ。

 特にこれをしなきゃいけないということは無いらしい……ただ大事な人と祝うとか。

 噂によると精霊さんも密かに参加しているらしいけど、真相のほどは定かではないって書いてあった。

 でもみんな聖女を崇めているのでそれはそれは賑やかなお祭りになるらしい、へーそうなんだ……なんか彩萌としては微妙な気分だよ。

 それで最後……十一月がテスさん(大地の精霊)がトゥアオリネーアという十一月三十日のお祭り。

 来年の豊穣と子孫繁栄を祈るお祭り、トゥアオリネーアはどうも伝統的なウェディングドレスを身にまとった女性が踊るらしい。

 踊るのは未婚の女性のみ、でもダンスの時の音楽は既婚女性が演奏するようです。

 テスさんのお祭りは女性をメインにしたお祭りなんだね。

 太鼓を使った力強い音楽が特徴的で、やっぱりダンスもすっごい力がいるダンスみたい。

 重りの入った靴をはいて、床を踏みつけて音を鳴らして踊るみたいですよ。

 フラメンコみたいな感じなのかな? でも……重り入った靴で床を踏みつけるわけだからすっごい音なんじゃない?

 フラメンコはカタンカタンって感じの軽快な音だけど、これはたぶんドンドン! って感じになるよね。

 ……太鼓の音に負けない音ってこと?

 あ……解説がある、大地にひびくように踊る為に、重りの入った靴をはくようになったと考えられる……へぇ。

 つまりひびかせることが目的なんだね……大変そう。

 あとの特徴的なお祭りは無いみたい、彩萌的にフレアマリーさんのお祭り見てみたいかも。

 演武ってどういうのかな、かっこよさそうだね……。

 そんなことを考えながら本を閉じてふーっと息を吐く、もうすぐ先生来るね……。


「……なんか、顔色悪くない?」

「……えっ? ちょっと寝不足なだけですよ、大丈夫です」


 笑って白仮くんにそう言えば「……そう」と一言返事をして、暇そうに黒板を見てた。

 もうすぐ先生が来るんだけど、その前に教室にミギーくんが来た。

 なんかちょっと変な顔をしてて、彩萌のとこに来たの。


「ちょっとさぁ、保健室行ったほうが良いんじゃないの」

「……どうしたんですか、急に」

「ちょっとだけなんだけど……魔力の乱れを感じてんの、朝余分な魔力貰って安定するように少し魔力上げたのに……全然良くなってないじゃん」

「でも、シェリエちゃんは何も言わなかったよ」

「肉体って言う壁が一つある生き物よりも、むき出しのまま生きてる僕の方がそういうの分かるに決まってんじゃん!」


 ミギーくんにそう言われてると、シェリエちゃんも来たんです。

「どうしたの?」ってシェリエちゃんが聞くから、ミギーくんが魔力が乱れてるって言ってた。

 魔力の乱れって、どういうことだろう?


「たしかに彩萌、朝より顔色悪いよ」

「そんなに……ヤバイの?」

「魔力の乱れは魔力異常のことだよ、立派な病気……彩萌、誰かに何かされなかった?」

「別に彩萌は何もされてないけど……」


 思い当たるのは夢の中しかないけど、でもあれは彩萌が直接魔法をかけられたわけじゃないし……。

 でも、魔法は失敗しちゃったらしいけどね……。

 ……あれ? でもなんでルーカス先生が魔法失敗したのに彩萌は夢の中の彩萌の記憶が見れたの?

 もしかして、失敗したせいで彩萌がなんか変なことになっちゃってるってわけじゃないよね?

 どうしよう……保健室行ったほうが良いのかな。

 そんなことを考えてたら、彩萌はポンって背中を押されて椅子から転げ落ちてしまいました。

 ……いてててて、もー白仮くん何するんですか!


「ちょっと、白仮……彩萌に乱暴しないで、病人なんだけど?」

「……ねぇ、立てる?」


 白仮くんは手を差し伸べてくれました、でも白仮くんはそんなに力を入れてないから……乱暴してないよ。

 シェリエちゃんに背中を支えられて、白仮くんの手を杖に立とうとするんだけど……全然力が入らない。

 ど……どうしよう!? 立てない……、おかしいな……力入れてるつもりなんだけどな。

 寝不足ってこんなに深刻な病気、いや……本当に魔力異常なのかな。


「あのさ、彩萌……初日から症状が出てたんじゃない? ちょっと重いバッグが持てないとか、いろいろ……あれくらいの重さなら普通に持ててたよね」

「全然痛くないし……気分も悪くないからよく分かんないや……」


 昨日の夢は原因じゃないってこと? それとも昨日の夢が病状を悪化させたってことかな……。

 とりあえず保健室に行って診てもらう、ということに決定した。

 白仮くんが押してくれなかったら、たぶん自覚するのが遅くなってたかも。

 ありがとう白仮くん、でも椅子から落ちたの地味に痛かったよ。

 そんな会話をしていれば、グアリエ先生が来てミギーくんやシェリエちゃんとか座りこんでる彩萌を見て不思議そうな顔をしてた。


「グアせんせー、叶山さんがなんか病気みたいなんです。席から立とうとしたら立てなくなっちゃって……重症みたいなんです!」

「えっ……そうなのですか? まったく立てないのですか? どこか痛みや違和感はありませんか?」

「立てないですけど、痛いとかの違和感はないです……力が入らないくらいです?」

「僕は叶山さんから魔力の異常を感じます!」


 ミギーくんの言葉を聞いて、かすかにグアリエ先生は顔色を悪くしてました。

 彩萌の足に触って感覚はありますかって聞くわけです、感覚はまだ一応ありますよ。

 でもちょっとだけ……変な感じはしますけど。

 そう言えば王子のお母さんのイクシノア様も魔力異常を患ってるけど、麻痺とか体調不良になるって言ってたっけ。


「カノティシアさんは教室に戻ってください、叶山さんは先生が連れて行きますから」


 そう言ってグアリエ先生は彩萌を抱き抱えます、小柄な先生だけど力持ちだね!

 まあでも、彩萌はすごい小さいぶんめっちゃ軽いからね!

 ミギーくんはちょっと残念そうな顔したけど教室に戻って行った。


「みなさん、先生は叶山さんを保健室に連れて行きますから、ジェジア先生が来るまで自習です!」


 シェリエちゃんもついて行きたいって感じだったけど、我慢して席に戻ってました。白仮くんはお面の所為でよく分かんない。

 気がつかなかったけど、みんなざわざわしてたんだね。

 そういえば今日の授業は森羅万象の授業こと、魔法の授業だったね。

 森羅万象って言うから黄色の力かと思ったけど、魔法全般の授業だったみたい。

 彩萌も受けたかったけど、なんか病気みたいだから仕方ないね。

 かなり不安です……、なんか関係ないけどグアリエ先生良い匂いがするね。

 なんか香水とかコロンとかつけてるのかな、……なんか保健室まで遠いから聞いてみようかな。

 そういえば、香水とコロンって何が違うのかな。


「グアリエ先生……、香水とかそういうのつけてるんですか?」

「あ……、不快ですか? 今朝は校庭にある花壇の手入れをしていたもので……匂いが移ってしまったのかもしれませんね。少しの間だけ……我慢してくださいね」

「大丈夫ですー、彩萌はお花の匂い好きです」

「そうですか、叶山さんの今の体調が良さそうで……安心しましたよ」


 グアリエ先生の優しい声と、なんかゆれる感覚に眠くなってしまいます。

 でも寝ちゃダメかも、だって先生に病状を伝えなきゃ。

 ……魔力異常は保健室でどうにかなるのかな? 病院とか行くのかな。

 ちょっとウトウトしてたらいつの間にか保健室についてたみたい、気づいたら椅子に座ってた。

 まっ白い髪の男の人です、……うーんなんか白髪っぽい。

 綺麗に色が抜けちゃったみたいな感じ?

 作り物みたいでちょっと怖い、深い緑色の目がちょっぴり冷たく見える。


「大丈夫ですか叶山さん、……グアリエ先生は授業に戻って良いですよ。あとは私が責任を持って様子を見ていますから」

「あ、はい。叶山さんをお願いしますね」


 そう言われたグアリエ先生は保健室を出て行きます、……よく見たら保健室超広い。

 ベッドも結構あるね、……やっぱりお金持ちも来るからしっかりしてるのかな?


「叶山さん、私はレニ様からお話を伺っています。叶山さんは生まれ変わったばかりで、まだ体は出来上がってから二か月も経っていないのですね?」

「あ……はい、そうです」

「呪いの所為で魔法が使えない体だとも伺っております、特殊な体だと」


 彩萌の体の様子を診ながら、先生は確認をしていきます。

 心音を聞いたり、体温を測ったりするのはどこの世界でも一緒なのかな。


「……体温がだいぶ低いですね、ココアは飲めますか?」

「好きです」


 先生は席から立ち上がって、マグカップとポットみたいなのを用意してました。

 マグカップの中に茶色い粉を入れて、お湯を注いでた。

 甘ーい匂いがします、彩萌はミルクがいっぱいの方が好きだけど今は我慢します。

 受け取ろうとしたら手が震えたから、マグカップは渡してもらえませんでした。

 絶対落としてたよね……、そう思ってたら先生がココアに息を吹きかけて冷やしてた。


「焦らないでゆっくり飲んでくださいね」


 そう言って先生は彩萌の口元にカップを近づけて飲ませようとするの、なんか彩萌介護されてるみたいだね。

 あ、このココアすごい美味しい。

 けっこう飲んで、カップを口から離してもらいました。

 お腹いっぱいになっちゃうからね、それにしても先生飲ませるのが上手だね。


「一通り診てみた結果ですけど魔力の剥離が見られますね、足の感覚も鈍くなっている様ですし……魔力異常でしょうね」

「そうなんだ……入院とかそういうのって必要ですか?」

「叶山さんの特殊な肉体の事を踏まえて考えるとまだ体に上手く魔力や魂が定着していないのでしょうね、乳幼児によく見られる症状ですから。母体の中では母が子の魔力をコントロールしていますし……ディーテ様と離れてしまった事が原因で魔力異常が引き起こされた可能性があります。叶山さんの身体には魔法を掛けられた痕跡がありますし、それが原因で上手くコントロールできずに剥離が悪化してしまった可能性がありますね」


「薬を飲めば改善できますよ」って保健室の先生は言ったんです、良かったです。

 つまり彩萌は生まれたばっかりだから免疫力がない感じ? ぴちぴちを通り越していたんですね。

 今日は安静にするようにって言われちゃった。

 そして彩萌の体は特殊だから、ここの薬を与えて大丈夫なのかよく分からないでの山吹君とディーテさんを呼んでおきますって言ってた。

 山吹君はふだんはここに引きこもりしてるんだっけ……、いつも寝てるのかな?

 先生にベッドに運ばれて、寝かされました。

 寝不足だったから眠れるのは嬉しいけど……、彩萌乳幼児がなる病気になってたのかぁ……。

 ちょっと恥ずかしい……。

 ……でも、本当にディーテさんと離れたから彩萌は魔力異常になっちゃったのかな?

 だって重い物が持てなかったのは、ディーテさんと離れる前からだったよ……?

 ディーテさんもミギーくんと似てる感じだと思うから、気づかなかったって言うのはちょっと変な気もするけど……まあでも魔力異常にはきっと間違いないよね。でも先生が言ったのは可能性の話だからね……。

 眠い……。

 夢の中の彩萌の夢はもう見たくないな……、ちょっと怖いもん。

 魔力異常が悪化しちゃうかもしれないし……白雪ふかちくんがちょっと怖かった。

 だって夢の中の彩萌の話だけど、彩萌は殺されかけてるわけですし……。

 でもたぶん現実世界のために白雪ふかちくんも頑張ってるんだよね。

 ……この話は忘れよう。

 今悩んでもしょうがないし、夢の話だもん。止められないよ。

 ――……おやすみ。





 ――あやめとアヤメの交換日記、十一頁

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