一話
あ、お前にはまだ言ってなかったか。じつはな、おれはあと半年で寿命なんだ。ん?どうしてって?それはな?去年のハロウィンパーティーが原因だ。聞きたいか?
…聞きたいのか。じゃあ覚悟して聞けよ。
…なんだって?やっぱり聞きたくないのかよ。じゃあ良いや。お前には一生話さねえ。
…は?やっぱ聞く?わかった。じゃあ聞け。
ハロウィンパーティーは普通のパーティーだった。つまり飴をもらって仮装するだけ。
主催者は町内会の会長。
楽しく家を回っていた。
最後にみんなで集まってその場は解散になった。終わりの挨拶の時、会長が言った。おどけた感じで。
「もっとお菓子欲しい人は、会長の家にしゅーごー!」
俺の家系は代々貧乏人。曾々叔父さんが多額の借金を背負ったままなくなったからな。
だから、お菓子なんていつもは買えやしない
ってことで俺は会長の家へ向かった。
会長の家には親が一緒に来ているちびっこが多かった。
会長は親を一瞥すると
「お帰りください」
と言った。
その瞬間、親はどこかへ消えた。
俺たちは会長の家の中に瞬間移動。
この瞬間、俺は本能で察した。
こいつはやばい!
会長は俺たちを部屋へ連れて行った。
大きなテーブルがあった。そこには山ほどお菓子が積まれていた。
俺たちはとりあえず食いもんだけは取って帰ろうとして、4、5個掴んで扉を開けた。
…つもりだったのに、扉は開かない。鍵はない。鍵穴はついていないのだ。ただの木の板。でも押しても開かない。机に蝋燭が置いてあった。火がついている!
俺は冴えていると思った。そう、放火したのだ。
…やっぱりこう言うことは不可能だった。全く引火しない。熱くなっただけだった。




