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あの時の太郎。

 そこに男がいました。


 男が自慰をすると


 大きな大きな精子が生まれました。


 両腕の中にすっぽり入るその大きくて立派な精子を、男は『太郎』と名づけました。


 太郎は毎日ビチビチニョロニョロとますます大きくなりました。


 しかしどんなに大きくなっても、太郎は精子以上の姿には成長しません。


 持て余した男はティッシュで拭いて捨てようとしましたが、何枚ティッシュがあっても足りません。


 仕方がないので男は、太郎を川へ流しました。


 川の流れに身を任せていた太郎は、目の前にぷかぷか浮かぶ大きな丸い物を見つけました。


 太郎はそれに向かって必死に泳ぎ、そしてようやくたどり着いて中に潜り込みました。


 太郎は柔らかくて甘くてしっとりしたその中でゆっくりと眠り、新しい人生が始まるのを待ちましたとさ。



            どっとはらい。

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