表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

後編◆魔王は倒された!…ですが?

なんだかんだで魔王をやっつけました!今までは封印するので手一杯だったんだけどこの度は本当にやっつけました!これでバベちゃん(神)もカイルを許してくれるかな?くれたらいいね!

魔王城に入ったらメイナードがメイナードのお父さんを見つけて「迷惑かけやがって」と問答無用で斬りつけていた。メイナードは世話になった家に火をつける人だけど、一応人並みの倫理観は持っているんだなってちょっと安心した、と言ったらゼンダに「いや、人並みの倫理観があれば父親に容赦なく斬りかからない」と言われてしまった。それもそうか。メイナードのお父さんは斬られた体を修復し高笑いしながら去って行った。あれはもう人間をやめちゃったんだろうな。

明らかに瘴気が晴れたし王様も魔王が倒されたことはわかったと思うけど、我ら勇者パーティーはお城へ報告に向かったのだ。


王様に報告をしたらお褒めの言葉を頂いたけど、カイルとレベッカとゼンダは名指し、私とメイナードは「そちらの者」とその他2名みたく言われた。後からゼンダが言うことには、ゼンダとレベッカは王から神託を受けた勇者を助けて旅をするように命じられたけど、メイナードと私は成り行きでパーティーに参加しただけなので呼ばれなかったんじゃないかってことだった。まあいいけど。

勇者凱旋のパレードをするとかで、私たちはお城に留め置かれていた。王都はカイルの居場所を探すのに立ち寄ったきりで、お城の中なんて初めてだったので私は大はしゃぎで楽しんでいた。街に出かけてお父さんとお母さん、あとダンじいちゃんや友達にお土産を買ったり。冒険者をやっていたから私も結構お金を稼ぐことができていたので予算は十分よ!

そうこうしてると第三王女様とやらが、聖なる竜を見てみたいと仰ったとお城の召使いの人が言ってきたので、二つ返事で了承した。


「ホリちゃん、お姫様だって!すごいわね!」

『すごくないし我の方がすごいし』


まあ、確かに女神ヴァ―ヴェルのことをバベちゃん呼びできるホリちゃんには、この国のお姫様くらいはどうってことないのかもしれない。でも嫌がることはせずお姫様に姿を見せてくれることになった。

お城の中の広間で何か壊したら大変だから、広い中庭で見せることになった。お付きの人に日傘を差してもらいながらお姫様がやってきて、私は頭を下げた。


「面を上げよ」

「はい、王女殿下にご挨拶を申し上げます、カイルと共に旅をしていたミラと申します」


このご挨拶はここに来る前にレベッカに教えてもらったのだ。ちゃんと出来てるか不安だけど、レベッカは「平民の女の子だし、王女たっての希望なのだから大丈夫」だと言っていた。話を持ってきた王女様のお付きの人にもレベッカが「ね?」と確認をしたら頷いたので大丈夫だと信じたい。


「ではミラ、聖なる竜を」


王女のお付きの、傘を差してる女の人じゃないおじさんの方が私に言った。他にも騎士さんとかいっぱい後ろにいてみんな貼り付けたような表情をしていた。なんか怖い。


「はい、じゃあ、ホリちゃんおいで!」


私が呼ぶと光が爆ぜてホリちゃんが姿を現す。ホリちゃんは空中に留まりめっちゃかっこいいポーズを決めたあと雄たけびをあげた。メスなんだけど。昨日はお姫様なんて全然気にしてない風でいたのにいざ登場したらかっこつけてるなんて、やっぱり嬉しいんじゃんと私はホリちゃんを見上げて微笑んでいたら「姫様!」って声がした。

え?


「姫様しっかり!」

「貴様!何をした!」


見ればお姫様が倒れてしまっている。何をしたってホリちゃんを呼んだんだけど。私がびっくりして声も出せずにいると中庭にゼンダが走ってやってきた。ゼンダは宮廷薬師と言うらしい。お付きの人がゼンダに姫様の具合を見るように言う。


「ホリ…ホーリードラゴンの姿に驚いて気を失われたのかと思います。ミラが何かしたわけではありません」

「だから魔物なんて見せるのは反対したのだ!おい、姫様をお部屋へお運びしろ!」


お付きのおじさんが騎士さんに指示を出したらぞろぞろと王女軍団が去って行った。ゼンダも同行するみたいで、去り際にちらっとこっちを見た。何が起きたかわからない私とホリちゃんはポカンと同じような顔をしていただろう。


***


王都出禁になった。目の前でメイナードがお腹を抱えて笑っている。ひどい。出禁を言い渡された私はびーびー泣いてるというのに。


「王女殿下たっての頼みでホリちゃんさんをご覧入れたのに、一体これはどういう仕打ちですの?」


いつもおっとり穏やかなレベッカが不満げな顔で言う。私のために怒ってくれていると思うと嬉しい。


「その説明はしたし、向こうもそれは認めた。だけど王都に魔物を呼べる者は危険だって聞く耳持ってもらえなくて…」


ゼンダも悔しそうに言う。私のために怒ってくれるの嬉しい。


「じゃあオレもミラと一緒に王都を出るよ。村に帰ろう」

「あー、カイルのじいちゃんが王都に向かってるから入れ違いになっちまうかな…」

「じいちゃんが?」

「パレードに家族を呼ぶって手配されてるんだ。たぶんみんなそうだと思うぞ?」

「うちのお父さんとお母さんも?」

「きっとそうだと…」

「そんなわけねえだろ」


ゼンダの言葉を笑うようなメイナードの声が遮った。


「呼ばれているのは王に命じられて戦った奴の身内だけだ。謁見で名前も呼ばれない奴にそんな配慮するかよ。なあ、旅の報告書は定期的に出していたんだよな?そこにオレとミラの名前は書いて無いのか?」


王様に報告書を書いていたゼンダは黙り込んだ。あれは書いてたって顔だ。パレードだって浮かれていたけど、初めから私はお呼びじゃなかったのか。ちょっと止まりかけてた涙がまた出てきちゃった。


「う~~~…パレードぉ~~ホリちゃんもマルもピーちゃんも魔王と戦ったのにぃ~~~…」


また笑い出したメイナードの腹にレベッカが肘鉄をする。私のためにありがとうレベッカ。まあ、確かに私はみんなにお願いをして戦ってもらってただけだから、実際参加資格は微妙な所だと思う。だけど一度いいよって言ったのを「やっぱりなしって言うのはあんまりだ。カイルもゼンダもレベッカも、王がそういうつもりならパレードなんて出ないと言ってくれた。みんな本当に怒ってくれてて、それで私の気は済んだ。


「…みんなはパレードに出て。王様がせっかく準備してくれてるパレードに全員が不参加とか、それこそ怒らせちゃうよ。特にゼンダとレベッカは怒られたら困る立場だよね?」

「でもミラ…」

「いーの。それにホリちゃんを見て気絶しちゃうお姫様なんて失礼よね、なんか王様とかお姫様とか憧れてたけど夢壊れちゃったな。でもお土産はいっぱい買えたし、王都の思い出はもう作れたわ」

「ふん、じゃあオレも一緒に出るか」

「へ?」


そう言ったのは笑い終わったメイナードだ。


「メイナードはパレードに出なよ」

「市中引き回されて侯爵に顔を見られるわけにいかねえんだよ」

「「あ」」


そうだった、と声が出たのは私とレベッカだ。メイナードは侯爵様の家(母屋ではない)に火をつけたお尋ね者だった。パレード前に辞退を申し出ても勇者パーティーに心を尽くしているというポーズを取りたい王は良いと言わないだろうと、パレード直前にバックレるつもりだったらしい。たしかにパレードの人だかりに紛れてしまえば逃げられるわね。


「ミラが出るなら一緒にオレも出ると言ったところで、王命を受けて旅をしたわけじゃねえやつを強く引き止めたりはしねえだろ」


形式的には何か言ってきても、だったら私と留まると言えば、私を早く追い出したい王はメイナード共々王都から出すのを選ぶらしい。なにそれ傷つく。


「それに、もしお前が今後も冒険者やるなら一緒に組みたいくらいなんだぜ」

「え、ほんと?お父さんとお母さんに言ってみようかな」


心配はされるかもしれないけど、一人でじゃなくてカイルと同じくらい強いメイナードが一緒だったらきっといいって言ってくれると思う。冒険者はお金になるしね!


「荷物の番くらいのことでもソロより複数の方が都合がいいからな」

「荷物番以外もできますけど!?」

「…おい、お前ら二人でかよ」


ゼンダがそう聞いて来たけど、今のところはそうなると思う。ゼンダは旅の途中で見つけた薬草を王都で研究したいと言っていたし、レベッカは元いた教会に戻るという。カイルは村に帰ってからレベッカを訪ねたいと言っていたから私たちに同行はしないだろう。でも、もしかしたらゼンダも行きたいのかな?私はゼンダのことをちょっといいなと思ってたから、もし一緒に旅ができるなら嬉しい。王都出禁の私はもうそれ以外に仲を詰める方法はないのよ。


「ゼンダも行く?」

「いや……」

「…だよね」


王様から命令されてた仕事が終わってやっと帰って来れたのだ。家も仕事も家族も友達も王都にいるゼンダにすぐに旅に出る理由はない。


「決まったな、ミラ、荷物取ってこい」

「メイナードの荷造りは?」

「旅の時のままだ。すぐに出れる」


私はお土産をめいっぱい買ってしまって持って歩いて旅をするのは無理があった。お城を出る前に報奨金だと言ってお金を貰えたので、奮発して辻馬車ではなく村まで馬車を貸切ることにした。これで自力で持って歩く必要はない。


「へへ、得したな」


私が借りた馬車に遠慮なく乗り込んだメイナードはご機嫌だった。私の村は王都からみたら隣国方面なので、この国から出る予定のメイナードの行きたい方向でもある。もし私が一緒に冒険者をやらなくても、国を出るための距離をだいぶ稼げるというわけだ。

一人で王都から出ることになってたらきっとまた泣いていただろうから、メイナードが居てくれてよかったと思う。


***


私は冒険者をやることになった。というか、やらざるを得なくなった。目の前では私のベッドの上で腹を抱えて笑ってるメイナードがいる。ひどすぎる。

メイナードと一緒に村に着いたらやっぱりお父さんとお母さんは村にいて、ダンじいちゃんはお城の人のお迎えが来て王都へ行ったとのことだった。私が王様に名前も呼ばれないで王都を出禁になったなんて知ったら、お父さんもお母さんも悲しむと思ったからそれは言わなかった。勇者の家族だけ呼ばれたんだと疑問もなかったみたいだからそれでいいと思う。

メイナードにはしばらくうちでゆっくりしてもらおうと思ったから、性別を隠すために気を回さなくていいように、村の人にはメイナードの許可を取って女の子と紹介した。侯爵様の追っ手がこんな村にいるわけないからね。うちは狭いからお父さんがダンじいちゃんちで寝ることになった。留守を頼まれているから丁度いいんだって。すんごい美人だからさぞかし村の男の子にモテるだろうと思っていたらそうでもなく、気にならないのか聞いてみたら「女に見えない」と言っていた。世話になるからとメイナードが魔獣退治をしてくれたのを見たのだという。とんでもなく強いからって女に見えないってどういうことよ失礼ちゃうわ。


一週間くらい家でゆっくり旅の疲れを癒して、もうパレード終わったかな、あ~あとか思っていたらお父さんとお母さんが真っ青な顔で帰って来た。二人とも心の中がすぐ顔に出る。


「どうしたの!?何かあったの?」

「ミラ……」


メイナードと一緒に夕飯の支度をしていたのを中断して話を聞くも、お父さんもお母さんもなかなか言い出さない。


「考えられるのは二つ、オレを差し出せか、ミラを追い出せ、じゃねえのか?」


じゃがいもを向きながら人の悪い笑顔でメイナードが言ったらお父さんとお母さんの顔色は真っ白になった。

村の男たちがメイナードに近づかなかったのは村長が気に入ったかららしい。旅人だと知ると面倒みてやるから村長の家に連れてこいと言われたとのことだった。それを聞いて私は体が震えた。私のために一緒に王都を出てくれたメイナードに一体なんてこと言ってくれてんの!?

それと村長の娘、私とカイルの幼馴染仲間でもあるんだけど、カイルはその子と結婚するからカイルと仲の良かった私はカイルが戻る前に村を出て行って欲しいと。

どちらも「さも善意で言ってますよ」みたいな言い方をしていたみたいだけど、端的にいうとこういうことだ。


「そんなの言うこと聞く必要ないわよ!」

「まあでも、聞かなきゃ今後お前の両親は村で暮らし辛くなるだろうな…ミラ」

「…………」

「…お前、村も出禁かあ!」


そう言ってメイナードはまた腹を抱えて笑い出した。


「ちょっとー!やめてよお父さんにもお母さんにも言ってないんだからー!」

「いや…もう言っとけよ…っ」


ゲラゲラ笑いながらメイナードが私のベッドに倒れ込む。そんなメイナードをよそにお父さんとお母さんはどういうことかと聞いてきた。隠し続けることもできなくて、王都であったことを話したらお母さんが泣き出してしまった。


「うちのミラは…っそんな目に遭う子じゃないわ!」

「辛かったね、ミラ…。でもお前はカイルを立派に助けてこうして帰って来た。私たちの誇りだよ」

「うん…」


そうやって親子三人涙ぐみながら抱き合っているのをベッドに寝っ転がりながらメイナードが見てたみたいだけど、飽きちゃったのか料理を再開してた。

晩御飯を食べながら今後のことについて話し合う。メイナードが冒険者の相方に誘ってくれているのをお父さんとお母さんは諸手を挙げて賛成した。


「魔獣を退治してくれたのを見たからね、どれだけ強いかわかっているから安心だ!」

「メイナードは何年も冒険者をやっているのでしょう?ミラはまだまだ不勉強だと思うけどよく見て学んで、お互いに助けられるようになってね」


隣国に渡るという事を言っても反対されなかった。王都も故郷も出禁になったのだから新天地に行ったらいいと。村で生まれ育ったお父さんとお母さんは他所に行くのは怖いけど、私が望むことは止めないと。


「だけどそうね、一番近い街くらいには行けるから、いつかは会いましょうミラ」


お母さんがそう言って、私はとうとうご飯を食べながらえぐえぐ泣いてしまった。そして早めに寝て翌朝早く、私とメイナードは村を出た。まだ日が昇ってもいないから誰にも気づかれず、お父さんとお母さんが見送ってくれただけ。私はこの故郷の村にはもう戻らないけど、後ろ髪を引かれることはなかった。


***


「では、これにて私はお暇させていただきますわ。カイルさんとゼンダさんにこの先幸多いことを」


パレードが終わり、馬車…というか馬が引いている神輿みたいなものから降りた瞬間、私は淑女の礼を取りそう言った。これから王宮で晩餐会と伝えられてはおりましたが、参加する気はさらさらないのです。


「えっ地面に足を付けたとたんとか早すぎないか?」


ゼンダさんはそう言いますけど、そんなことはございません。教会長からの命がなければミラさんとメイナードさんと共に王都を辞したかったのに、よくここまで付き合ったと自分を褒めてあげたいところです。王から命を受けているのは教会長です。教会長は数ある教会の中から勇者の助けになる人物を選び、共に魔王討伐に向かうよう命を出した先が私です。王から祝賀会に誘われておりますが、教会長からは「とりあえずパレードまででいいよ、そこからは任意で」と言われましたのでパレードで業務終了です。


「私はもう一瞬たりともこの陰謀渦巻く権力の巣にいたくはないのです」

「は?」

「やはり権力は恐ろしいわ…ゼンダさんもカイルさんも、権力に巻かれるも逃れるのもお心次第ではございますが、くれぐれもお気を付けくださいませ」


ミラさんが王都から遠ざけられたのはカイルさんとの距離を見てのことだと思っております。王家はカイルさんを取り込んで、勇者人気をそのまま王家の物にしようとしてるのでしょう。きっとパーティーでは年齢の釣り合う第三王女が接待することでしょうね。本当に恐ろしい。


「レベッカ!その、レベッカの帰る教会まで送ってい…」

「いいえ、それには及びませんわ」


権力者に狙い撃ちされているカイルさんの言葉を、お行儀が悪いけど被せて断らせてもらいました。カイルさんが王家の意向をどう受け取るかはわからないけれど、勇者に近い邪魔な女として始末されないためにも関りは一切断った方がいいと思っております。


「旅の間に、教会の転移門を使って他の教会へ移動したことがありますでしょう?あれを教会の者はいつでも利用可能ですわ」


なので私はこの王都から遠く離れた父侯爵の領地にある教会へ一瞬で帰ることができるのです。凱旋パレードにはお父様とお母様が見に来ているから置いて帰ることになってしまうけど、修道女になった時点で私は神の娘。先に帰るのは許してもらいましょう。一般の方に転移門は利用できないのです。


「あ、そうですわゼンダさん」

「え?」


ゼンダさんは「こんなの着たことがない」と言っていた豪奢な衣装が窮屈らしく、首元を開けておりました。確かに衣装に着られてる感じはします。ゼンダさんは優秀な王宮薬師ですが身分でいえば平民ですので、あまり堅苦しいことは慣れていないのでしょう。彼のおかげで過酷且つ制限がある旅の中で快適に過ごせたと思います。良識的な人柄も好感が持てるので、最後にちょっとお節介をしようと思いました。


「メイナードさんは女性ですわ、ミラさんもご存じですわよ」

「…は?」

「は?」


その言葉にゼンダさんもカイルさんも呆けたような声を上げたかと思ったら黙り込んでいる。脳で情報処理中なのでしょう、動きが止まってしまいました。


「「なんだってー!!!」」


カイルさんとゼンダさんは「全くこれっぽっちもわからなかった」「男とか女とかいうよりメイナードという超個体というか」と言い合っています。メイナードさんは自分の芯を持っていて、世で言われる男らしさ、女らしさなどに何の価値も見出さない方です。それどころか社会通念も飛び越えることもあるからちょっと注意が必要ですけど、尊敬すべき性質だと思っています。そのメイナードさんの価値観において、ミラさんを旅の相方にしてもいいと判断したのでしょう。


ミラさんは普通の女の子で、魔王城の中でさえそれは変わらず、魔王と対面しカイルさんが言葉を交わした時の内容を聞いて「魔王って性格悪いねぇ」とこっそり言ってきたのは魔王の前なのだけど笑ってしまいましたわ。ミラさんの中には普通の物差ししかないから、魔王ですらそこら辺の人を判断する基準で測るのですね。

ホーリードラゴンを従える彼女は「聖女」と言われてもおかしくない存在だと思うのですけど、本人は全くそんな気もないし、周囲もミラさんの普通さに聖女だなんて発想も出てこないようで、権力に巻きこまれることなく王都を離れることができました。このまま穏やかにお過ごしいただきたいです。いつでも普通を貫くミラさんはやはり確固たる自分があるということで、そんなところがメイナードさんとも馬が合うんじゃないかと思います。


ミラさんは旅の中でゼンダさんを気にしていらっしゃるのわかってました。だけど魔王討伐の旅の中で恋愛ごとをやることもなく旅を終えました。これからゆっくり気持ちを伝え合えればいいと思っていたらまさかの王都出禁となり、なりゆきでメイナードさんとひとまず故郷の村へ帰るとなった時、ゼンダさんは何となく、浮かない顔をしておりました。その時は一緒に旅をした仲間が言いがかりを付けられ、不当な扱いを受けたからだと思ってましたが、その晩ベッドの中でふと「メイナードさん(男性)とミラさんの旅だと思っていらっしゃる?」と唐突に気づきましたの。メイナードさんの性別は特に口止めをされてるわけでもなく、今更明かさない理由は「言っても言わなくても同じじゃねえか?」という実にメイナードさんらしい理由でしたので、ゼンダさんの気持ちに確信はございませんでしたが、一応お伝えしておこうかと思ったのです。


「カイル!」

「なんだよ」

「オレもお前の村に行く!」

「なんで?ゼンダが知らないような薬草も無いと思うけど…」

「そんなのどうでもいいんだよ!ミラに言わなきゃいけないことがあるんだ!」


あら、やっぱりお伝えしてよかったようですね。これからのことは各々の事情とか、タイミングとかあると思いますが、ひとまず方向は決まったようです。


「それではお二方、ごきげんよう」


そうして私は優雅に、だけど水面で激しく足を動かす白鳥のごとくスカートの中で小走りをして猛スピードで辞しました。王宮の人に祝賀会に連行されるのも、無理やり聖女に仕立て上げられるのも御免なのでございます。


***


どうして私とメイナードの方が早く王都を出たのにレベッカが教会にいるんだろう。ここはレベッカがずっといる教会がある土地で、レベッカのお父さんの領地だという。貴族の生まれとは聞いていたけど侯爵様だったとは驚いちゃった。レベッカのいる教会は領の郊外の方で長閑な風景が広がる。私のいた村より山が近いからか涼しい風が吹いている。


「さっそく寄ってくださったのね、とても嬉しいですわ」

「か、帰るの早くない?」

「教会の者は転移門を使うことができるんです」

「あーなるほど!」


魔王討伐の旅の時はちょいちょい使わせてもらっていた転移門。あの時は特例的に勇者パーティーも使用許可が下りていたんだって。メイナードと旅を始めて、まずは国境の通行許可証を取るためにレベッカのいる土地に訪れたのだ。


「この領を超えたら辺境伯領だな、そっから隣国へ渡る。国境を超える通行許可証はここの侯爵に発行してもらえるんだよな?」

「ええ。権力とは恐ろしいものですけど、然るべき時には有効利用してください」


隣国との取り決めで通行許可証が無い者は国を行き来させないということになっている。本来なら住んでいる領か王都の役場で発行してもらうことになるんだけど、私はともかくメイナードの通行許可証に困ってしまった。メイナードは偽名らしい。ちなみに本名はうろ覚えみたい…そんなことある?侯爵の養女の身分で発行してもらうわけにもいかず(そもそもまだ侯爵の籍に入ってるのか怪しい)その前の男爵令嬢(だったんだって!)の時の身分も、お父さんが魔王軍で働いてたのが明らかにされてしまったのでこれも厳しい。(国家反逆の犯罪者の身内…)そうなると、平民のメイナードで許可証を取ることになるんだけど、メイナードは流れ者で、一つのギルドで依頼を受けていたわけじゃなく、色んなところで単発依頼ばっかりこなしていた。なので頼みの「実績による証明」を出してくれるような冒険者ギルドに当てはないみたい。まだみんな王都にいる時にそんな話になり「そんなもん無くてもどうにでも」と言いかけたメイナードに被せるみたいにレベッカが、お父さんに正式な冒険者ギルド用の通行証明書を発行してもらうのを提案してくれたのだ。お父さんの侯爵様には王都にいる時にもう話はしていて了承をもらっているみたい。


「侯爵様はまだ王都から帰っておりませんが、順調なら明日には戻ると思います。代官様はおりますが、こういうイレギュラーな対応は許可を出した本人に対応していただくのがよろしいと思いますの」

「急ぐ用もねえ、構わねえよ」

「それでは、それまで侯爵邸にご滞在くださいな。魔王討伐の英雄を持て成す機会を設けるのが交換条件でしたの。今は嫡男が留守を守ってますわ。私の弟ですの」

「わあ~!」


私はお城で使った部屋を思い出してとたんにワクワクしてしまった。出禁になったのは悲しかったけど、楽しい思い出が消えたわけじゃない。たっぷりレースの付いたカーテンや掛布団カバー、立派な家具、家族で住んでた村の家より広くってお父さんとお母さんに思い出話をしたものだ。侯爵様の家ならやっぱりきっと綺麗な部屋なんだろうと楽しみになってくる。メイナードも「宿代が浮いたぜ」と笑顔だ。


「ご滞在の間に村も出禁になったお話、ゆっくりお聞かせくださいね」


レベッカにそう言われ、私は笑顔のまま固まってしまった。


***


今は侯爵邸でのお茶の時間。三人でこうやってのんびりお茶ができる日が来るなんて本当に良かったなぁ。


「ミラさんは何というか、数奇な運命を背負った方なのですね」


とレベッカに言われてしまったけど、別にそんなことは無いと思う。王都出禁、故郷出禁になる人なんて滅多にいないとは思うけど、そこに入らなきゃ普通の女の子よ。そう反論したものの、メイナードにすら同意をもらえなかった。ひどい。


「魔物使いはたまにいるけど、お前みたいな感じじゃねえぜ?意識を奪ってコントロールする感じ…ああ、古城で会った勘違い女がやってたみたいな」


メイナードに掛かれば魔王の部下も「勘違い女」で済まされちゃうのね。でもそっか、私のやり方違うのか。


「でもまあそれは、習ったわけじゃないし自己流になってもしょうがないじゃない」

「自己流…なるほど、物は言いようですわね。ご本人がそう思ってらっしゃるなら、それで構わないと思いますわ」


そんな話をしていたらレベッカのお父さんとお母さんが帰って来た。侯爵様への挨拶は王女様への挨拶と同じでいいかしら!?

侯爵様と奥様にご挨拶行ってレベッカに教わった礼をしてみたら「堅苦しい挨拶は不要です、我が国を救ってくれた英雄よ」と言われてしまった。


「あ、一緒に旅はしましたが私は英雄とかではなくて、それを言うなら私と旅をした魔物たちです。私は連れて行っただけですので…後方支援と言いますか…」


ね、ホリちゃん?他のみんなは自力で戦ってたけど、私はお願いをするだけだったし。


「勇者のそばで支えておられたのは立派な英雄ですよ」


侯爵様と奥様にこんな風に言われて、私はどうしていいかわからなくて口を開けたまま固まってしまった。たぶん、恐れ多いってやつ。そして何もかもをまずは柔らかく受け止めてくれる感じがレベッカと似てると思った。こんな素敵なお父さんお母さんから離れて修道女になったなんて、レベッカの決意ってすごかったんだな。

その日は侯爵様に晩餐にお呼ばれしちゃったんだけど、作法は王都でレベッカに教わった付け焼刃だったから失敗ばかりだ。でも侯爵様も奥様も弟さんも嫌な顔はしなくって「カトラリーが多いんだな、都度必要なものを持ってきてくれ」と言ってくれたから、違う食器を使って食べちゃうことはせずにすんだ。メイナードは元は貴族令嬢だと聞いたけど、最初から同じフォークでばかり食べているので、使用人の人に「お取替えします」って没収されて新しいのを渡されていた。

広い食堂から談話室とやらに場所を移して(広い!)通行許可証の話をしたら、すぐ発行してくれると言ってくれた。


「それと…ミラさんはもう村に帰れないと伺いましたが、お父様とお母様とは今後どのように?」


侯爵様ご一家に旅の話をする中で、私の出禁の話もしたのだ。するたびにメイナードが笑うから本当に腹が立つわ。


「帰って来る時に両親には近くの町に来てもらって会う感じだと思います」

「なるほど、もし村を離れるのがお嫌でなければなのですが、ご両親がこの領地に引っ越してくるのはどうでしょうか?」


引っ越し???


「この領地には国境を越えてから一番最初にある大きな町があります。辺境伯領は国防地帯であまり中心部も大きくなく、辺境警備をしている者も休みの時にはこの領の町へやってきます。国境を越える人の流れも多くてですね、この領はここで生まれ育っていなくとも暮らしやすいと思っております。もしご両親がいいと言えば移住の支援をさせてもらおうと思いますが」

「いえ!そんなお世話になるわけには」

「これは善意の世話ではないのです、領の施策なのですよ。最近町が更に大きくなってきまして、働き手が欲しいのです。移住支援はミラさんだから特別というわけではありません。もし良ければ、お誘いの文書をご両親に送らせてもらってもいいでしょうか」


私だって、お父さんとお母さんと帰れるおうちで会いたい。おうちを買わなきゃいけないなら王様からもらったお金もまだまだある。でも、住む場所を決めるのはお父さんとお母さんだ。二人は村から出てもせいぜい一番近くの町までで、生まれた時から知った人たちの中で暮らしてきたから嫌がるかもしれない。でも、聞いてみるだけなら。


「あの、ぜひお願いします。私からも両親に手紙を送ります」

「ああよかった、では明日早速送らせてもらうよ」


侯爵様と奥様は微笑んで頷き合った。ダンじいちゃんは昔大きな町の学校に行ってたみたいで、私やカイル、それにお父さんとお母さんに字を教えてくれた。だから旅の途中も手紙が出せる場所に行ったら手紙を書いて送っていた。村の人が意地悪して私の手紙を届けてくれないなんてことがあるかもしれない。封筒の表に名前を書かずに、私だとわかるメッセージでも書いておこうかな。


「それと、…いえね、王都のパレードがとても素晴らしくて、折角勇者のお仲間が3人もいるのだからこの領でもパレードをさせてもらえませんか?」

「パレード!」


侯爵様のパレードの言葉に興奮して反応したのはレベッカの弟くんだ。歳は13歳なんですって、来年から王都の学園に入学するみたい。


「ぜひ!あの、父上!パレードをするのならその企画はぼくにやらせてもらえませんか!」

「待ってエスファ、まだメイナードさんもミラさんも了承しておりませんわよ。それに私も初めて聞くお話ですわ」

「そりゃそうだろうね、レベッカはパレードが終わったらさっさと一人で帰ってしまったではないか」


侯爵様にそう言われ、レベッカはやれやれといった顔をする。


「お二人はパレードに出ていないし、レベッカは神の娘になったとはいえ、皆は領主の娘であることもわかっている。華々しく凱旋を祝いたい領民の気持ちを汲んでやってくれないか」

「オレは結構だ。ミラはパレードに未練たらたらだったからやってもらえばいいんじゃねえのか」


領主様にもメイナードはいつもの感じで話すのは本当にすごいと思う。怖いものはないのかしら。


「おや、メイナードさん。私は通行許可証を出すのに条件として英雄の皆さんを持て成すことを許して欲しいとお願いしていたはずですが」


はたと、レベッカが言ってた言葉を思い出したメイナードの動きが止まる。侯爵様はニコニコとメイナードを見てる。これは侯爵様の勝ちだわね。


「…パレードもそれに入るのか」

「ええ。通行許可証も旅の準備も全部私が用意しましょう。はは、田舎のパレードは王都のものほど大げさにはなりませんよ」


メイナードはちょっと考えて、ふっと息を吐いて「わかったよ」と受け入れた。メイナードはお尋ね者だけど、辺境にほど近いこの土地で見つかることもないかと思ったみたい。

パレード!パレードよ!!マルもホリちゃんもピーちゃんも私も「よくやった!」って褒めてもらえるのよ、嬉しい!

これにカイルとゼンダもいればもっと嬉しかったと思うけど、それはしょうがない。ゼンダは王都に帰って行ったし、カイルは…もう村に戻ったかしら。ここにいる間に二人にも手紙を書いて送ろう。パレードのことも自慢しちゃおう!


***


パレードは飾りつけをされた荷馬車に私たちが乗って、農耕馬がゆっくりゆっくり領の大きな町を巡るものだった。マルもホリちゃんもピーちゃんもみんな呼び出して、祝福の花を撒いてくれる領の皆さんに手を振る。中には鎧を着た騎士さんもいて、あれはこの領の騎士団と辺境伯領から来てる人たちらしい。ノリノリでみんなでウェーブをしてくれてる!嬉しくって思いっきり両手を振ってしまった。メイナードには女の子からすごい声援が来てる。メイナード様って呼ばれてる。噴き出して笑ってたらメイナードに小突かれた。なんなのよ!

パレードのルートや、出店の区間や許可、交通整理なんかをレベッカの弟くんが全部立案したんですって。すごい…そういうことは大人が何人も寄ってたかってやるものだと思っていた。やっぱり次の侯爵様になる子は優秀なのね。


パレードが終わって、やっと魔王討伐の旅も終わったなって思えた。まあ、これからエンディング後の真・ラスボスが現れるみたいだけど。その旅にカイルが誰を伴うかはわからないけど、手伝ってほしいと言われたら手伝うつもり。あと多分、今度はそこにメイナードのお父さんがいる気がするからメイナードも行くんじゃないかな。

だけど今はただ、これから自分がどうやって生きていくのかを旅をしながら決めて行きたい。魔王を倒したあとのことはゲームを途中でやめてしまった私にはわからないから、ああなるんじゃないかな~とか予測も立てられないんだけど、それが普通の人生よね。

まあ予測を立てられた今までだってその通りになったわけじゃないし、本当に知りたい未来は出禁だったな~と思う。…出禁かぁ。


レベッカとご家族に見送られて辺境に向かう。振り返ったらいつまでも手を振ってくれてて、なんだか涙が出そうになった。


***


今は隣国のとある街のギルドを拠点に活動している。安宿は治安が悪かったりするし、かと言ってまともな宿は結構高いので、一週間更新で貸してくれるという部屋を二人で一つ借りた。二人旅は何かとこうやって安上がりにできていい。ギルドって私はあまり知らなかったんだけど、魔物退治の依頼だけじゃなくて、植物の採取とか、普通の人は行くのが困難な場所への護衛や調査なんかもある。メイナードはギルドへ行くとその日にあった一番金額が高い依頼を手にする。大抵超ランクの魔物討伐で、お店で「これください」と言うくらいの気軽さで受けるのだ。今まではそんなことをしてると有名になっちゃって、それが煩わしくなって他の拠点に移ってたんだって。自分のせいじゃないの。

私はこういう仕事って初めてだから、まずはギルドのお姉さんがおすすめする優良な依頼者の案件を取るようにしている。ギルドでは登録した冒険者にランク付けをするんだけど、依頼する側にも付けるんだって。それなら受ける側も安心だもんね。


ちょっと落ち着いたからみんなに手紙を書いたら、ギルド付けでレベッカから返事が来た。その中にはお父さんとお母さん、そしてなんとカイルとゼンダからの手紙も入ってて部屋で大きな声を出して驚いてしまった。メイナードが変な顔してこっち見てる。


レベッカのいる領に、お父さんとお母さんだけじゃなく、なんとカイルとダンじいちゃんも引っ越して来たらしい。カイルはどうやら王様に王女様と結婚するのを勧められたのを断り、村長の娘との結婚も断り、うちのお父さんとお母さんが引っ越すという話を聞いたら秒で「オレも行く」って決めたらしい。ダンじいちゃんにも相談しなよ。その時になぜかゼンダも村に来ていて、引越しを手伝ってくれたらしい。本当にゼンダっていい人。今度こっちのお菓子送ってあげなきゃ。

カイルはやっぱりあれなのかな、レベッカの後を追ったということなのかしら。そういうストーカーみたいなことはやめた方がいいと思うんだけど、逆にレベッカのお父さんがいる土地だから安心なのかしら?レベッカの手紙ではカイルが引っ越してくることについては事務的に報告みたいに書いてたわ。

そうそう、レベッカに聞いたんだけど、修道女は結婚できないけど、聖女だったらできるんですって。過去に修道女から聖女になって王家に嫁いだ方もいらっしゃったそうなのよ。レベッカは「前世で婚約者の王子に殺されたので現世では関わらないで過ごします!~なのに私が聖女で勇者に生まれ変わった王子と旅なんて聞いてないんですけど?」で過去の関係を回避するために聖女にならなかったんだろうかってちょっと疑っている。


ゼンダからの手紙は、まずは私が出禁になったことの心配と、励ましてくれる言葉が書いてあった。優しいなぁ。それで、すぐには無理だけどゼンダもお城の仕事を辞めて冒険者の薬師になるつもりなんですって。お城の仕事を辞めるなんてもったいない気がするけど、ギルドで見た薬の依頼は値段が高いものばかりだからゼンダだったらへっちゃらよね。その日が来たらまた一緒に旅をしようですって!


「んふふふふふっ」

「気持ち悪いな」


メイナードは夕飯用に買っておいたサンドイッチを紙袋から出しながら私をさっきより更に変な顔で見る。その頭にはピーちゃんが乗っている。ピーちゃんはピーと鳴くと体の異常状態と体力を回復させる力があるので、超ランク魔物の討伐を一人で行くって時には貸してあげてて、最近一緒にいるからかなんか仲がいいのだ。


「そのうちゼンダも一緒に旅をするかもねっんふふふっ」

「まあ、そうなりゃ薬代が助かるな」


ピーちゃんがいるから薬がいらないと思いきや、ピーちゃんは寝てたら何もしないから(それは誰でもそうか)回復してほしい時に寝てたら薬を使うしかないのだ。そしてよく寝るのよピーちゃんは。


これから先、ひょっとしたら真・ラスボスは出てこないかもしれない。ただただ愉快な旅をしていられるのかもしれない。平和な旅はワクワクするから、そうね、真・ラスボスが現れたら、私の生活のためにまずはやっつけるわ。もしカイルが行かなくたって私がね。なんせ私にはホリちゃんがいるし!カイルはまあ、レベッカとのことを頑張ってね。


そんなこんなで一旦魔王討伐が終わった私はこんな感じなのです。

私とメイナードの旅ははじまったばかりなのであーる!



END

メイナードの令嬢時代の話とレベッカの話を考えたりちょっと書いたりしてはほったらかしにしていたんですが、他の長編の息抜きに書き始めた短編これで勇者の仲間になってました。

ミラは明るく楽しく仲間と一緒に真・ラスボスもぶっ倒すと思います。めでたしめでたし。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ