第8話 リュウイ君、襲来 その2
<登場人物>
魔女:半人前の魔女。名前はまだ無い。実はそれなりに戦える。
リュウイ:騎士候補生の竜人の少年。遠くにある他国から武者修行の旅でやって来た。一応ちゃんと努力はしている。
場所:魔女の家の庭
(焦げたリュウイが地面に倒れている)
魔女(以下、『魔』)「フッ、どうだ参ったか」
リュウイ(以下、『リ』)「まいりました……」
魔「ふふん、これに懲りたら、もう二度と私を甘く見ないことね(リュウイに治癒魔法をかける)」
リ「え…今のは…呪いですか?」
魔「治癒魔法ですけど!?呪いをかけてほしいならかけますけど!?」
リ「(立ち上がる)いえ、呪いはかけてほしくないです」
魔「でしょうね。はい、じゃあ、もう戦ってあげたんだから、お引き取りください」
リ「魔女というのはこんなにも強い種族だったのですね…」
魔「知らんけど……君が魔法に弱すぎるんじゃない?」
リ「魔法……そうか!」
魔「うわっ嫌な予感」
リ「魔女殿!」
魔「お断りします!」
リ「私を弟子にしてください!(土下座)」
魔「断るって言ったでしょうが!土下座するな!」
リ「魔法に関する知識と技術を得ることができれば、私はもっと強くなれるはずなんです!お願いします!」
魔「嫌です!自分で勉強しなさい!」
リ「自慢じゃありませんが、私の学業の成績は中の下でした!お願いします!」
魔「普通じゃん!頑張りなさいよ!」
リ「ですがやはり魔法と言えば魔女だと思いますし、できれば魔女殿から教わりたいです!」
魔「あのねぇ、私は魔女として半人前なんだから、他人に魔法を教えてる暇なんかないの!まず自分が勉強しなくちゃいけないんだから。君だって、まだ騎士候補生なのに、初心者から剣術教えてほしいって言われたら困るでしょ?」
リ「とてつもなく困ります!」
魔「よし!じゃあ私の気持ち分かってくれたよね?」
リ「くっ……分かりました……」
魔「はぁ……疲れた……」
リ「(立ち上がる)魔女殿、お疲れのご様子ですね。やはり魔女は身体トレーニングなどはあまりしないのでしょうか?いくら魔法を使えるにしても、少し体力を上げた方がよろしいかと」
魔「もう怒る気力も無いわ…」
リ「それでは、私は武者修行の旅に戻ります。手合わせの相手をしていただきありがとうございました」
魔「あぁ、はい、どういたしまして」
リ「修行の成果を見せに、また貴方に会いに行きます!では!」
魔「はいはい……は?また来る気か…っていねえ!足速っ!」