第7話 リュウイ君、襲来
<登場人物>
魔女:半人前の魔女。名前はまだ無い。戦うのは面倒なのであまり好きじゃない。
リュウイ:騎士候補生の竜人の少年。遠くにある他国から武者修行の旅でやって来た。クズと言われても気にしない。
場所:魔女の家の庭
リュウイ(以下、『リ』)「魔女殿!どうか私と戦ってください!お願いします!(土下座)」
魔女(以下、『魔』)「色々ツッコミどころはあるけど……とりあえずどちら様ですか?」
リ「(立ち上がる)申し遅れました。私の名はリュウイと申します。現在武者修行の旅をしております」
魔「へー」
リ「そのため、魔女である貴方に手合わせ願いたいのです」
魔「お断りします」
リ「お願いします!(土下座)」
魔「君、なんでも土下座すりゃいいってもんじゃないからね!?」
リ「魔女を倒せば箔が付くと先輩が言ってました。お願いします!」
魔「そんな理由で了承するかぁ!それに魔女と言っても私はまだ半人前だから。箔が欲しいなら一人前の魔女と戦いなよ」
リ「半人前でも魔女は魔女ですし、むしろ倒しやすくて箔を得るチャンスだと思います!」
魔「やたら正直だけど君さてはクズだな!?武者としての誇りとか無いの!?」
リ「武者といっても、私は騎士候補生です。騎士としてやっていくには何かしら名誉があった方が色々と都合が良いらしいので、お願いします!」
魔「いや騎士候補生なんかい!騎士ならなおさら、こう、誇りとかプライドとか持つべきなんじゃないの?」
リ「誇りやプライドなんてクソの役にも立たないから捨てろと師匠から教わりました」
魔「とんでもない師匠だな……とにかく、私は戦いたくなんてないから、お引き取りください。ほら、立って」
リ「(立ち上がる)なぜ戦いたくないのですか?」
魔「当たり前でしょ。私に何のメリットも無いし」
リ「魔女という種族は他者を痛めつけることに無上の喜びを得るのではないのですか?」
魔「そんなわけな……ちょっと待って、何そのヤバすぎる偏見?誰が言ってたのそんなこと」
リ「少なくとも私の祖国では、魔女は冷酷で残忍な種族であると伝わっています」
魔「ひええ……魔女ってそんな風に思われてるの…まぁ他の魔女のことは私も全然知らないけど……てか君、魔女がそんな危険な種族だって聞いてたのに、よく私に勝負挑んできたね…」
リ「どう見ても弱そうだったので大丈夫そうだと思いました」
魔「はっ倒すぞコラァ!」
リ「戦ってくれるんですか!?ぜひともお願いします!」
魔「あっ、クソッ!喜ばせちゃったよ!もういいや、ボコる!」