表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

第5話 魔女、歯医者に行く ~受付編~

<登場人物>

魔女:半人前の魔女。名前はまだ無い。歯が少し痛い気がしている。

エミエル:無表情な天使の女性。歯医者で受付をしている。

場所:歯医者の受付



エミエル(以下、『エ』)「申し訳ありませんが、名前欄に書かれている『魔女』は種族名であり、個人を表す名義としては不適切な表記となります。再度記入をお願いします」


魔女(以下、『魔』)「えっと…そう言われましても、私、名前が無いので…」


エ「名前が…無い?それは、どういった理由で、どのような事情があってのことでしょうか?」


魔「魔女は一人前になって初めて名前を貰えるんです。私はまだ半人前なので、名前が無いんです」


エ「誰から名前を貰うのですか?」


魔「それは…分かりません」


エ「一人前という評価は誰が下すのですか?試験のようなものが存在するのでしょうか?」


魔「それも…分かりません」


エ「………」


魔「………」


エ「あなたから与えられた情報を鑑みるに、あなたは詐欺被害に遭われている可能性が高いと思われます」


魔「ええ……まぁ、でも…そう思われても仕方ないかも…」


エ「………(携帯電話を取り出す)」


魔「わあああ待って待って!!通報しないで!!大丈夫ですから!!」


エ「………」


魔「あー歯が痛い!歯が痛いなー!今すぐ治療してもらわないと困るなー!」


エ「…分かりました。今回は『魔女』という名前で受付させていただきます」


魔「ほっ…ありがとうございます」


エ「何か困ったことがあれば、警察や他の人に相談することをお勧めします。あなたが望むのであれば、私も微力ながらあなたの力になるとお約束します」


魔「あ…はい…ありがとうございます」


エ「こちらは私の名刺です。お受け取りください」


魔「はい…」


エ「そして、こちらは試供品の歯磨き粉と歯ブラシと歯間ブラシです。どうぞお受け取りください」


魔「歯ブラシと歯間ブラシに試供品ってあるんですか」


エ「こちらはサービス品のコップです」


魔「えっ…」


エ「あと、こちらはフェイスタオルとエコバッグとTシャツです。どうぞ」


魔「てぃ、Tシャツ!?タオルとエコバッグとTシャツ!?」


エ「それでは、席におかけになってお待ちください」


魔「あの……これ全部もらっていいんですか?」


エ「はい。すべて無料サービスとなります」


魔「でもこの歯ブラシとか、ここに200円で売られてますけど」


エ「無料です」


魔「ええ……」


エ「席におかけになってお待ちください」


魔「はい…」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ