第4話 ノーゼンハイレンちゃんは血が嫌い その2
<登場人物>
魔女:半人前の魔女。名前はまだ無い。家族がおらず、一人暮らしをしている。
ノーゼンハイレン:血が嫌いな吸血鬼の少女。常に腕に点滴が刺さっている。両親と一緒に暮らしており、両親との仲は悪くはないが、時々ケンカする。
場所:魔女の家
(ノーゼンハイレンがベッドに仰向けに寝転がっている)
魔女(以下『魔』)「人の家に来ていきなり人のベッドに寝転がるとは…」
ノーゼンハイレン(以下『ノ』)「あー…もう嫌だ。世界なんて滅べ」
魔「どうした急に」
ノ「う~……やだやだ、血なんて飲みたくない~!」
魔「またお父さんとお母さんに何か言われたの?」
ノ「父上と母上にはわらわの気持ちなんて分からんのだ!」
魔「あらあら…」
ノ「もーやだ!もう家には帰らない!ここで魔女と一緒に暮らす!」
魔「はい!?」
ノ「魔女を養子に取って、魔女の母親として生きていく!」
魔「ツッコミどころが多いな」
ノ「魔女!これからはわらわのことを母と呼んでいいぞ!」
魔「そんな無茶な……家族だとすればどう見てもノンちゃんは私の妹だよ。母親どころか姉も無理だよ」
ノ「むっ…」
魔「というか私は家族なんていらないし、誰かと一緒に暮らすなんて勘弁してほしいっていうか…」
ノ「………」
魔「………」
ノ「わらわが相手であってもか?」
魔「うん」
ノ「貴様!わらわの作ったメシが食えんというのか!?」
魔「ノンちゃん、料理作れるの?」
ノ「作ったことはないが、作ろうと思えば作れるはずだ!」
魔「根拠の無い自信がすごい」
ノ「少なくとも魔女の作るメシよりはマシだと思う」
魔「おいおい…舐められたもんだな」
ノ「勝負するか?」
魔「よっしゃ、やってやんよ」
~~~3時間後~~~
魔「ちょっとノンちゃん!この葉っぱとかキノコとか何!?どこで採ってきたの!?ちゃんと食べれるやつ選んだ!?怖くて食べられないんだけど!」
ノ「お前こそ、とても食べ物とは思えぬ色と匂いではないか!何かの実験の失敗作にしか見えんわ!まさかこんなものを毎日食っているのか!?」
魔「私はそれ普通に食べられるよ」
ノ「なっ…なんだと…?」
魔「そんなことよりこれ、ノンちゃんが作ったやつ……怖くてノンちゃんにも食べさせられないから、私の実験に使うことにするけどいいよね?」
ノ「むぅ……」
魔「もう、やっぱり料理できないじゃん」
ノ「ふんっ、そもそも私は血液以外のものを摂取してもほとんど栄養にならないから、料理など作れなくてもよいのだ!」
魔「私にメシを作ってくれるんじゃなかったの?」
ノ「…魔女がわらわと一緒に暮らすというのなら、努力するが」
魔「それはお断りします」
ノ「なんだと!?なら今日わらわをここに泊めろ!」
魔「それはいいよ」
ノ「やったぁ!」