第1話 フラウィス君は使い魔になりたい
<登場人物>
魔女:半人前の魔女。名前はまだ無い。外見年齢は中学生くらい。
フラウィス:羊の姿をしている悪魔。白くてもこもこ。
場所:魔女の家
フラウィス(以下『フ』)「魔女ちゃん!」
魔女(以下『魔』)「なに?フーちゃん」
フ「僕を魔女ちゃんの使い魔にしてください!」
魔「お断りします」
フ「………」
魔「………」
フ「魔女ちゃん!僕を使い魔にし」
魔「しません」
フ「………」
魔「………」
フ「魔女ちゃ」
魔「ダメです」
フ「………」
魔「………」
フ「うぅ……なんでぇ?どうしてダメなの?」
魔「逆にどうしてダメじゃないと思ったの?もう何回も断ってるよね?」
フ「だって、聞いてみないと分からないでしょ」
魔「いや、断ってるじゃん」
フ「でも、その時の気分とかで答えが変わるかもしれないし」
魔「気分なんかで変わらないよ……コーヒーか紅茶か、みたいな軽い問題じゃないんだから」
フ「コーヒーと紅茶は人によっては戦争が起きるよ」
魔「まぁ…うん、それはそうかもしれないけど、私にとってはどっちでもいいの」
フ「僕はどっちも好き!」
魔「あぁ、そう、よかったね…」
フ「でもね、濃いエスプレッソはたくさん飲んだらダメなんだ。前に飲んだら鼻血出たから」
魔「エスプレッソってそうなの?飲む機会無いから分かんないや」
フ「少しの量なら大丈夫だよ!」
魔「そっか…でも、鼻血はよく分かんないけど、濃いのをたくさん飲むのはあんまり良くない気がするね。分かんないけど」
フ「明日一緒に喫茶店行こー!魔女ちゃん!」
魔「いいけど……だいぶ話変わったな」
フ「僕ソーダフロート飲みたい!」
魔「コーヒーでも紅茶でもないんだね…」
フ「魔女ちゃんは何飲むの?」
魔「んー、その時の気分によるかな」
フ「僕も魔女ちゃんと同じの飲みたい!」
魔「ソーダフロートはどうした?」
フ「どっちも飲む!」
魔「じゃあブラックコーヒーにする」
フ「うっ…」
魔「砂糖もミルクも入れるの禁止ね。何も入れちゃダメ」
フ「ううっ……」
魔「ふふん、無理しなくていいよ。フーちゃんが飲めなかった分は私が飲むから」
フ「魔女ちゃん……もし明日僕がブラックコーヒーを飲めたら、僕を使い魔に」
魔「しません」