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アンダーテイカー  作者: Garu
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第一話 遭遇

アンダーテイカー 第一話 遭遇




『AI』


日本では人工知能と呼ばれており、【人間のような知能を持った自ら学習するコンピューター】の通称であり今では様々な所で活躍しています。


例えば、ル〇バなどのお掃除ロボットであったり、あなたが今、肌身離さず持っているであろうスマートフォンにも人工知能 『AI』 は搭載されています。


しかしそんなAIがもしも人類に対抗、攻撃するような事が起きたら?


よく飲食店で、私たちを案内してくれているロボットくんが急にマシンガンなんかを取り出して乱射してきたら??


「そんな事ありえない」


そう思っている方も多いでしょう。しかし、これから起こる事は紛れもない


【AIと人類の存亡をかけた全面戦争】なのですから。








20XX年


「だから本当なんだってば!!!」


昼休みの終わりのチャイムが鳴ったのにも関わらず


顔を真っ赤にして、さっきから俺にありえない事をひたすら大声で言ってくるこの女は、幼なじみの高校2年生 渚 ユイカ だ。


さっきから同じことを繰り返し言われて、正直疲れてきていた。


「さっきからありえないっていってるだろ!?」


俺はイライラしながらそう言った。


「でも…ほんとに居たもん…」


ユイカは、自立型歩行最新ロボットAI 通称【トロイマー】をこの学校に来る途中に目撃したらしい。


自立型歩行最新ロボット【トロイマー】とは、アメリカが最近、独自開発に成功した超ハイテクであり、人間よりも優秀かもしれないと最近テレビやニュースで話題となっているAIロボットだ。もちろん値段は高価でざっと数百億円。大きさは約2m、重量は4tほどで、全身が白色で塗装された鉄で覆われており、足が4本とも蜘蛛のように広がり上半身は人間のような見た目だ。個人的にあんまりこの見た目は好きじゃない。だって気持ち悪いから。


現在では世界にまだ3体しか存在しないらしい。


そんなロボットがこんな田舎の山奥の、高校の近くにいるなんて考えられない。


俺がそんな事はありえないとユイカに熱弁していると、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。


「さっきからうるせぇよ!なんの話で喧嘩してんだ!?」


こいつは、中学で知り合って以来、俺の友達の


乾 トウヤ だ。


見た目はヤンチャだが根は真面目で、今はクラスの学級委員長をしている。本人は学級委員長はやりたくなかったらしいが、いざ任されると素晴らしい仕事っぷりからかクラスでは頼られる存在となっている。俺も彼のそう言う所に惹かれて友達になった。


「おい、トウヤ聞いてくれよ、ユイカがさトロイマーの事を、ここら辺で見たって言うんだよ…ありえないだろ?」


俺がそう言うとユイカは


「本当に見たんだって!!」


と怒った様子で反論してきた。


トウヤは困った顔をしながら


「トロイマー…?あのアメリカの気持ち悪いロボットか?あれって海外にしか居ないんじゃねぇのか?」


と言った。


俺はすかさず


「その通りだ。まず日本、ましてやこんな田舎に居るはずがない…どうせ見間違いだろ?」


と追撃したところユイカは相当キレているらしく


「じゃあいいもん!!3人で放課後見に行きましょ!」


と提案し、トロイマー論争は一旦休戦した。


その後、放課後になり、校門の前に俺、トウヤ、ユイカが集まった。


「じゃあさ、もし居なかったらユイカ罰ゲームな?」


とトウヤが言うと


「別にいいもん!!絶対にいるもん!」


とユイカは自信満々に言い放った。


ユイカに着いてきてと言われて、罰ゲームの内容を考えながら、着いていくと今工事中だというトンネルに着いた。このトンネルの長さは約1kmで、少し薄暗くて心霊スポットとしても少しだけ有名らしい。


「「トンネル…??」」


と俺ら2人が首を傾げていると、


「そう!トンネル!!このトンネルで見たのよ!あのニュースでよく見るロボットを!!」


とユイカが自信満々に話し出した。


そこで俺は


「トロイマーな?あと、全然見当たらないけど本当に見たのか?」


さっきからずっとトンネルの方を見ているが一向に出てくる気配がない。


「今は工事中だから中には入れないけどよ?なんか工事に使う機械とかと見間違えたんじゃねぇのか?」


とトウヤがそれらしいことを言うとユイカは


「あれ〜…?いや…なんかそんな気がしてきたかも...」


と急に弱気になり出し、俺は


「じゃあ罰ゲームか??」


と言うと、ユイカは焦った様子で


「人間はさ!誰でも勘違いするじゃん?だからさ?そういうの無しにしよっ!!」


と悪あがきを始めた。俺とトウヤで罰ゲームの内容を話し合い、担任の先生をママと一日中呼ぶという、なかなか鬼畜な案に決まりになり、ユイカに俺が言おうとした時


「罰ゲームは!!せんs


――ドカァァァァァァァァン!!!!――


と何かが爆発したような、ものすごい大きな音がトンネルの中から聞こえてきた。


トウヤは


「なんだ事故か??とんでもない音したぞ!?」


と興奮気味に喋っていてユイカはびっくりしたのか口をぽかんと空けたまま固まっている。


俺は昔から、好奇心旺盛でなにごとも気になった事は絶対に行動に移すという性格だった。


「中…見に行ってみるか?」


と俺が言うと、トウヤは興奮気味に頷いておりユイカは


「もう帰ろうよ!危ないよ!」


と 怯えながら俺に言ってきた。


「俺とトウヤは少しだけ見に行ってくる。ユイカは...帰っててもいいぞ」


と言うと、


「1人で帰るのは嫌……」


と嫌々ユイカも着いて来ることとなった。


トンネルの中では鉄臭い匂いと泥のような匂いが充満しており、鼻をつまみながら3人で前に進んだ。途中くらいで


「なんもねぇな…もう帰るか?」


と、トウヤが言っていたが俺の好奇心はトンネルの最後まで行ってみないと終わらないのだ。


トンネルの中には工事に使っているのだろう機械や道具があったが人間の気配はない。このトンネルはかなりくねくねしていて先が見えにくい。


覗くようにして先を確認しながら進んでいくと出口のそばに沢山なにか物が散乱しているのが見えた。


「なんだ?あれ…?」


ゆっくり近づくとその正体がはっきり見え始めた、最初は何か分からなかったが、ようやく正体が分かった時には3人とも腰が抜けて後ろに倒れてしまった。


「間違いない…人間の………死体だ…!」


俺がそう言うとユイカは涙を浮かべながら


「なんで……」


と言っており、トウヤはガクガク震えている。


しかも、この死体全身黒のタイツのようなものを着ており、両足両腕がバラバラに5つに切断されているのだ。この日は3人でその死体から逃げるようにして転んだりつまずきながらも、必死に走って交番まで行った。


この事を警察に話すと、あとは警察に任せろとの事であり、少し事情聴取されその日は解散した。


無事、家にたどり着き自分の部屋で今日一日の事を振り返った。


ユイカがトロイマーをトンネルで見たということ、そのトンネルにトウヤとユイカと俺の3人で見に行ったこと、そこであの死体を見つけたこと…


「トロイマーが人間を…?…まさかな…」


と考えていると俺のスマホに


宛先 救世主へ


と書かれたメールが届いた。


おそるおそるメールを開くと


内容は


――――救世主へ――――


私はしくじった。


彼らの力を見誤っていた。


私では勝てない。


彼らは危険だとこの世界に伝えてあげて欲しい。


君にしか世界は救えない。


頼む。


――――――――――――


と記されていた。


「なんだ…これ……」


俺は、怯えながら文章を見ていた。


「彼ら…?世界を救う……?」


なんの事か分からず考えていると、もう1通の追いメールが届いた、宛先は同じく救世主だ。その内容は


――――救世主へ――――


明日、あのトンネルに1人で来て。


真実を伝える。


必ずあなた1人で。


――――――――――――


「あのトンネルって…今は警察が居て近づけないだろ……真実ってなんだよ…」


などと色んなことを考えていると気づいたら寝てしまった。


次の日の学校はあのメールのこと、トンネルで見た死体のことなどで頭がいっぱいで授業のことなど1つも頭に入ってこなかった。放課後、俺はユイカとトウヤとは一緒に帰らずに


用事があると言ってそのトンネルに約束通り1人で向かった。


10分後トンネルに到着した。


「警察だらけだ…これじゃあトンネルには入れない…」


と頭を悩ませていると


「ほんとに来てくれたんだね…」


と小さな声で後ろから耳元で囁かれた。


「!?」


俺は驚き、声がした方を急いで見ようとすると顔に布を被せられた。そして


急に視界がぼやけて、真っ暗になった。


目が覚めるとそこは知らない施設のベッドの上だった。


辺り一面真っ白な部屋でそこにはベッド1つしかない。恐怖と不安で周りを見渡してみると小学生くらいだろうか140cm程度の女の子が立っていた。


この女の子は水色に光るヘッドホンをしており、真っ黒のタイツのようなぴちぴちの服を着て、その手には銃と思われる武器を持っていた。その女の子がこちらが起きた事に気づくと


「やっと目が覚めた?」


と言い


「なんで君がここに居るのか分かる?」


と聞いてきた


「分からない…」


と俺が答えると


その女の子は


「君は救世主。アンダーテイカーだから。」


と言った。




「俺が…救世主…?アンダーテイカー...??」




ここから俺の平凡な人生は一変するのだった…..

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