第5話 バーサス魔王 |烽火《のろし》
前回までのあらすじは
魔王はウルト○マン○リアルだった!
あと超デカイいしウルトラマンより体長、有るんじゃない!?
2週目の2回目 戦いの烽火は上がる
くぐもった空気に揺れて重低音はゆるりと、しかしハッキリ聞き取れる程の声に変わって残響に沈んで消える。
温度は冷たく、だだっ広っ過ぎるホールは人の温かさという物を感じさせてはくれない。
ジャージのチャックを上まで締める。
それでも寒さは緩和される気は一切しない。
無機物らしさがそのままに剥き出しに具現化されて閉じ込められているのではと錯覚するように思えたぐらいだ。
ってそんな場合じゃないんだぜ!
絶賛やっちゃったんだぜ?
「いや、違うんですよ」
咄嗟に否定したけど否定した否定が違うや。
「「うむ」」
ピリついた雰囲気から戻って顎に手をやる魔王さん。
「いや違くく無くてですね。
正しくはあなたが持ってる、いや《所有》してる魔王の職業と称号を下さいって事なんですます。」
ヤバイな沈黙が余計に怖く長く感じる。
今度こそ本気で怒らせたかな~(汗あせ)
「「ふむ。
だがそれは無理だよ。」」
「わかってますよ、待って下さい。
えっと………限定1固定固有職業と呼ばれる特別な世界が管理してる、これらは言葉の通りに1つしかなくて同じ時代には1人しか持つのを許されず現・所有者が死んだら適正のある者が次に現れるまで行方を晦ます、この世から!!
でも!
何事にも例外は付き物で抜け道もある。」
あのテカり野郎(神)に前世のオレが聞いてたし、一様の意味でもイアに確認取ってる。
「一っ、所有権を次代に渡す事が出来る。
ずばり継承!
そしてもう一つが殺して奪うこと!
通称はそうだな継奪って名付けようかな。
どう~?
下剋上?いやいや反逆とか反乱が歴史的にも正しいし合ってるけど言っちゃあ何だね陳腐だし、どうせなら統一性を持たせなきゃ!
あっゴメン。脱線し過ぎた。
話、戻すね!
そんでコレが一番簡単ってとこが大事♡
贈れませWithスターダム☆ちゅ!
お分かり!?」
イア説明これで有ってる?
『ボス流の解釈が多分に含まれていましたが私の説明通りでしたので大丈夫ですよ。』
よかった(。-`へ´-。)!
「「君も充分オンリーそうだ。
うっんん………………知ってはいるようだね。
だがそれでも残念だが無料な行為だ。
ワタシを倒すには勇者の能力と権能の2つを合わせ持った者に限られている。
これは必要不可欠の世界の絶対の理であり覆せないルールだ。
そして勇者は今、この世界には居ない」」
「あ~ん…………………。
チッチッチッ!」
しっとりと言いながら首を少し傾けて視線を外してニヤけて勿体ぶる仕草をしてると視界の下に部屋用のモコモコふわふわスリッパが目に入る。
ちょっと顔が赤くなりそうなのを我慢しようとしてズボンの右ポッケが、はみ出てるを発見して、いそいそと戻す。
気を取り直して気丈な仕草を意識して舌を鳴らつつ人差し指を振りながら視線と体を魔王に戻す。
まだロールプレイングなプレイは実行中なのだ!
「それに‥‥ついては心配無用ですよ。
言い忘れてましたが、どうも別世界からの使者・勇者でございます!
こんばんは\(^o^)/魔王閣下!」
華麗な、お辞儀とセリフは決まった!!
魔王は驚いた顔をすると立ち上がって今までの孫の世話をするような優しい態度から一変して険しい雰囲気を発すると仇敵を見る眼光が仮面の隙間から覗く。
「「それはそれはっ、そうか。
ならば、これは此方も本腰を入れなければいけないようだ」」
あっヤバばッ!
言わなきゃ良かった~
『はい。
魔王の臨戦態勢に入りました。』
口から出た錆だわいな。
「そのスポットライトをスターライトを頂戴!!
щ(゜▽゜щ)」
でも引き続き口は挑発を辞めないんだなコレ!
もうここまで来たら戦うしかないのか!
ん、待てよ。
最初からこうすれば良かったんでないの?
『これが主目的のはずでは?』
だよね~(oゝД・)b★
魔王が動き出して歩行するだけでモンのスンごい衝撃が響いてここまで余波が届く。
体が跳ねる。
80メートルを越える巨体が動くだけでも、さぞ大変なのだ。
わぁ~あーーー(小刻み)
地震だ、あ、あ、だ、だ(小刻み)
およ4よヨYo!?
セルフ扇風機遊びみたいっになってる。
遊んでたら体が倒れて冷たい床に頬が当たる。
キンキンに氷ってやがるぅーーーー!!!
顔だけで見上げると迫りくる超巨大な拳が目一杯に迫ってた。
地面は抉れて煩くて逆に冷静に成ってきた。
このドデカいパンチは俺をロックオンして狙っているのだが、えっこれは避け切れ無くないかな。
ヤベ~っな、視界全部がグーの手だぞ~?
一瞬の躊躇が命取りになるっていうけど、どうしろってテンダヨこの状況。
爆号とも怒轟とも取れる爆裂は空気の衝撃も友にしてオレを直撃。
ミーは壁に激烈キッスゥをして人形のヘコみを作っていた。
壁の中段程の高さまで飛ばされて衝突り、それはそれは痛くて全く動けません。
少しして落ちるように瓦礫と同じように床に着地するも倒れる術しか知らないデェ~ス。
何とか瓦礫を退かしながら立ち上がると数秒の沈黙のあと。
「痛っーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーて!!!!!!」
慟哭を叫び嘆いて感情を誤魔化した。
クラクラと立ち眩みはするし血が足りねっ~
そんな気がする。
「「ほう、あれを受けて生きているのか。
本当に勇者だったんだね。
いや、それ以上かな」」
こっちに気づいて皮肉と称賛のオマケ付き。
あんがとね。
「あ~あ、ぺっ!
口の中が血の味だ。剣と盾もボロボロ~!」
口の血液を吐き捨てながら剣と盾も落とす。
咄嗟に身体中に魔力を通したけど武器までは気が回らなかった。
「「それは悪い事をした」」
「んにゃ?
別にいいよ。
元々はオレのじゃないし、ここで拾った奴だし。」
床ってか下の階を指刺すと魔王がピクッと反応する
又なんかヤバイ事言った~かな~?
まずった~?
でもホント無策でラスボスに挑むモンじゃあ無いね。
イアさん今、取れる魔王への対抗手段は?
『魔族や闇の者への強力な一撃・特効となるのは光と聖属性の魔法や攻撃になります。』
それだ、今オレが使えるのはどんくらいある?
『残念ながらありません。
ゼロです。』
‥‥‥‥‥‥えーーーーーゼロ?
ゼェロォー。
何で?
MP回復したら使えるの増えるとか、そんな感じってこと?
『いいえ、それも残念ながら不可能です。』
ん、ん?
なして!?
『以前のボスが。』
前世ね、前世って言って。
感情的にも支え的な整理する拠り所としても。
『はい。
前世のボスが魔王になると決めたためステータス選択の際に除外しています。』
馬路かよ。
朧気に思い出して又腹立ってきた。
そうか。
確か、その代わりになんか悪者系のを選んだんだっけ?
『はい。
〔魔法|陰陽/式神〕と〔魔法|呪術/怨念〕等ですね。
あとは〔スキル|波導〕等の他にも使われていました。』
俺が勇者として使えるスキルとかないの?
『勇者適正の殆どが失われています。』
職業と称号を持ってるだけの、なんちゃって勇者の出来上がりだ~。゜ヽ(゜`Д´゜)ノ゜。
なんて事してくれてんだーー!!
腹立つ!
『そうですね。
しかし聖剣は装備出来ます。
恐らく一般人と同じ程度にしか攻撃力等は上昇せず、もしくは下回ると予想されます。』
つくづく腹立つ~前のオレ、ホント意味分かんない。
『ですが、そもそも一般人は聖剣を装備不可ですから。
持つことが出来るボスが勇者という括りで名乗っても支障は無いと思われます。
安心しても良いかと。』
そんな慰め要らないよ(;´゜д゜`)
あら?
あれ?
聖剣?
聖剣って言った?
聖剣オレにも有るし有ったずだよね?
確か貰ったもんね!
『召喚される際に全員が自分から魂に合ったモノを魔力から生成されています。』
だよね、忘れてた!
ほんじゃまか、いっか!!
よっしゃあ!
いっちょ、かましましょう~~!
伸ばした右手の手首の辺りを左手で掴んで叫ぶ。
カッコいい演出完了。
では実行開始をイアさん、よろしくです。
「来いッ|召喚|聖剣……はぁぁぁぁ!
……。
っつ、セ○バアァァァァァァァァーーーーーーー!!!!」
体の奥でドクンっと大きく胸打つとエネルギーつまり魔力がいっぱい練られているのが分かる。
溢れ返って体の中心から手の平に伝って体外に具現化、排出されていってる。
「「なにっっっツ??!!」」
姿を見せた魔力は目の前の床に紅い魔方陣と成って回転しながら現れる。
魔方陣には囓った林檎のような紋様と爪で引っ掻いた紋様が2つある。
やがてそれぞれの魔方陣は1つに重なると溶けあって、ゆっくりとそこから剣の柄が這い出でくる。
目の前に出現している柄を両手で取って抜き刺ると鑑定を発動しながら目視で見つめていた。
『了解しました。
鑑定開始します。』
〔聖剣:ブレイカー・エッジ//ブレア〕
赤を基調とした長剣型の聖剣 レベル1
勇者[名無し]限定所有権を保持している。
●クリムゾン色の魔力を灯して切断した相手を赤く焼き斬って燃える同時に灰と帰えす。
己魂から形型現れた血釁れし爪牙の刀身は渇いても強く儚いように振るわれては欲望と野望に抗うも永久を知るために削り自傷裂くのも厭わず奪い去るだろう。
◯伐り取って吸い集めた血液を絡めて魔力を溜める事が出来る。
それらの集めた血の魔力総量で威力が決定する。
一点に放つ固有必殺技
〈クリムゾン・ハンマー〉
〈クリムゾン・バースト〉
装備時の攻撃力+250 魔法攻撃力+400
ただし現在は攻撃+2 魔攻+5に低下中
「これが私のブレイカーか………。」
基本は赤色でアクセントに黒色を添えた洗練的な無駄を嫌ったデザインでありながら非対称なのも中二病心にグッと来る物がある。
ハッキリ言ってオレ様好みである。ガッハッハハッハッ!!
カッコいいのに性能が弱体し過ぎてるww(泣)
そこらで売ってる安売りの露店でも、もっとマシなのあるだろさ~。
んーーーーーー!
でも良いこと(悪い事)考えたぞ~
狐顔でニヤリ
「「それが‥‥聖剣!」」
「あぁ!
今度はこっちの番だ!」
聖剣を右手で持ちながら思いっきり走ろうとしてある事に気を獲られる。
床や俺の服に顔から垂れて付着してたりする流れ出た血を聖剣ブレイカー・エッジが吸い取り出したからだ。
えっ聖剣の効果って俺のでも良いんダ?
適用されるモンなの?
『通常は不可能です。
今回は相手が相手なので流血しそうにありません。
独断で私が無理矢理に処置を施しました。
よって長くは保ちません。
お急ぎ下さい。』
了解だぜい!
流血は球体となってオレと聖剣の間を浮遊しているのを見て頷く。
なら急がないとっオレは走り出して魔王がさっきまでの場所に居ないことに驚く。
あれれ?
自然に左右を確認しようとして風が上から吹き抜けてくる違和感に襲われる。
『上です。』
イアの焦る声で確信するも一足遅かった。
魔王は俺の元まで近づいて跨がる形になっていたからだ。
俺の視線と魔王の視線が鉢合わさって搗ち合う。
さっきと同じ轍を踏まないためにも聖剣を強く握りしめると前に飛び出す。
魔王は足を上げて踏みつける気でいるようだ。
魔王の足と俺の身体が交差しそうになった瞬間の今がチャンスだ。
「呪術・怨念発動!!」
『〔魔法|陰陽/式神〕と〔魔法|呪術/怨念〕を発動します。』
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〔陰陽/式神〕レベル1
星力を用いて間接的に妖力の化身、足る鬼神を使役する。
荒ぶる鬼の神・清らかな霊神から低位の霊魂を識札に封じ込めて契約・協力してもらい怨敵を祓う。
(召喚される級はランダムで決まる。スキルレベルと使用者の魔力(星力)も関係している。)
人心を見定めて悪行にも善行にも片寄り手を貸す妖鬼を起源としている。
正式名称は式鬼神や識神と呼ばれる。
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〔呪術/怨念〕レベル--(なし)
霊力を用いて操作する生きとし物が生み出す負や憎悪という存在の感情が凝り集まった思念体の総称。
自然発生したモノとは別に数えられ呪詛とも呼ばれて分けられる事もある。
自然発生したモノは場所や地縛霊が関係しているためこの魔法とは別のため対象外で有りコントロールを失う可能性が高いと考えられるので使用この際は注意が必要。
スキルレベルの不可であり使用者の魔力量(霊力)に完全依存する。
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俺の背後から青紫色の魔方陣が一度に6個、現れる。
魔方陣は陰陽形を描いていて、そこから紙が飛び出してくる。
紙の真ん中に五芒星っての?
あぁ、星のマークがあって折り紙的な式神が飛び回って浮遊してる。
掌より少し大きいサイズの人形タイプの式神たち6匹は各々に小さい魔方陣を出現させて俺に補助魔法を掛けたり攻撃魔法を発動待機させている。
おぉ優秀!
次に目の前の空中に魔方陣が現れる。
中から出てきた怨念はドス黒くて鬼哭啾啾しい。
泥みたいな魔力の塊がニョロニョロ触手みたいに聖剣に纏わり付いて登っている。
ヘドロは蠢いては時折、悲鳴や呻き声を人の顔に変えて上げたり、手のような部分は何かを掴もうとして空振りしてる。
(゜゜;)うやぁ
うぎゃ(っ-_-)っ
ちょっと腕とかに掠った。
痺れるような痛みに喚んどいて失礼かなっと思ったので声は我慢する。
そのうちに聖剣に染み熔けるように透明になって見えなくなる。
うん、何とも形容し難いことになった(ノдヽ)
けれども、うん。
ひとまず状況確認出来たので前を向くと叫ぶ。
「よっしっあ行くぞオラーー!!
みんなッーーー!
らァァァアアアあ!!」
ちょっと涙目、怨念って怖い。
オレは魔王の足に目掛けて思いっ切り聖剣を斬り衝けた。
次回「魔王死す!?デ○エル・スタ○バイ」
来週も通常運転で更新されます。
月曜の昼0時です。