第1話 ログインーーー!!
前回までのあらすじは
主人公は記憶を失った理由の記憶を思い出した
出演者
○氏名不明の主人公
○神を自称する全身発光体
そしてもう1人の影を誰も見ていなかった。
晴天に木漏れ日、角の生えた小鳥が囀り、反対方向では雲が薄緑色の太陽を隠して雨が降り始めて、その下ではワイバーンらしき生物が崖で吼えている
それでいてジメジメとしてくる
その理由は二つの大きさの異なる二つの太陽が全く別の情景を左右で別々に作りだしているからだ
なんとも不思議でならない
少し歩くと森を置き去りにして足元の砂利は少なくなっていき道を抜けると巨大な門が構えている
その奥には壮大な漆黒の居城が姿を現す
手前には石橋が見えて、流れの激しい川が渦を巻いているのがここからでも分かる
門の左右にはそこに相応しいだけの巨体を誇示するかのように二体の化物
ケンタウロスとサイクロプスだろうか
ゲームの知識から引っ張り出すと最も表現しやすくて似ているモンスターはこのくらいしか知らない
門番だ、いわずもがな守護しているのは明白でろう
さて、どうしたもんかな~
ここは異世界、場所は魔王城の前
目前には有に7メートルには有りそうな凶悪なモンスターがいる
なんともかんとも未知の存在過ぎて友好的に出来るかどうかは自信がないし不明だ
ステータスという超常の力があるといってもやはり心配になってくるし杞憂は残る
役に入り切らなければ、それでいて素の状態を魔王ロールに持っていくしかない
ボロが出そうだな~
躊躇って立ち止まり考えて耽って足を動かせないでいると相手から声を掛けられる
それはそれは失礼な物言いで、である
かっちーん
((ヾ(≧皿≦メ)ノ))
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ガゼル・サイクロプス(別命 二本角の巨人)のバック(あだ名はバッカー)
と、ブルーケンタウロス(ミノタウロスとのハーフ)のフロンターは魔王城の誇り高き門番だ。
しかし今日も2人は暇を持て余していた。
「なぁ~バッカー、ゲーム止めなよ~」
ゲームとはバッカーが画面を開いてその中にある表示内から娯楽用のシステムを起動して遊んでいるモノの事で、本人の意思によってステータス等の開示は自由自在に可能なため、彼は開示した状態でゲームをプレイしていたからだ。
「ター坊、あとちょっとで一面クリア出来るかどうかなんだよ、いいだろ~
それに魔界に、それこそ魔王城に侵入しようなんてするバカが、このご時世にいるモノかよ~
がッはッはははは~~~~~!!」
「そうかもだけど、勤務中なんだぞ!
前もゲームやってるのがバレてさ。
フル=ハウス様に怒られたろ~、あれ全然、俺に関係ないってのによ」
「お前、そりゃ一緒に門番やってんだぞ。
しかも親戚なんだからよ、止めてねぇ~てのがおかしいって思われたんじゃあねぇか?」
「それこそ関係ないだろさ」
「そーかー?
なんなら昔みたいに兄ちゃんって呼んでも言いんだぜ!」
照れて次を口にしようとしてフロンターは気づく。
圧倒的な魔力の塊が、こちらに近づいて来ているという事態に。
「バッカー、敵だよ!」
「ん?
ったくよぉ、新作も、おちおちやる事もできねぇ~ってのかいよ!?
目障りなお客だぜ。
いっちょ素早く倒して続きをやるとするかな!!
へっ」
バックは仕方なくゲームを閉じて前方へと視線をやると壁に立て掛けていた自慢の剣を両手で持つと振り回してから自分の前の地面に突き刺す。
「何だよオイ!!
よ~く見りゃ、人間かよ。
しかも老人じゃあね~かよ期待外れもいいところだな、こりゃよぉ!
んン?
違うな、オイオイオイ!!!!
白髪のガキィかよ~?
まったく不気味だなぁ~オイ、アぁぁん!?
偉大なる魔王さまが居られる魔王城になんの用だよ?
コラーーーーー!!!」
隣のフロンターは頭を抑える、いきなりの喧嘩腰は百歩譲っても良いとしても敵なのかの確認や敵の不確定さにバッカーは気づいていないからだ。
歳の離れた親戚に頭痛を感じて話し合うのを遅らせてしまう。
人間らしき謎の人物が丸腰である事、服装が全く汚れていない事、門の有るここから橋の端から端まで離れていても届く異様で強大なプレッシャー。
目を閉じても感じることが出来てしまう程の膨大すぎる威圧染みた漏れ出た魔力。
これは魔王様に届く、いや、もしかしたらそれ遥かに凌駕して余るかも知れないという事を。
そんな事を本能的な部分で感じ取ったフロンターは足を竦ませて二の足が出せずにいた。
バックお前はチンピラかよ?
おい!
Σヽ(゜∀゜;)守衛なんだろ?
先が思いやられるよ。
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ようやく考えが纏まって意気込んで、さぁ行こうっとしようとして橋に足をかける1歩手前で出鼻を挫かれる
不意の一言に変な声が出てしまったからだ
「何だよオイ、よ~く見りゃ人間かよ。
しかも《ジィジィじゃあね~かよ期待外れもいいところだな、こりゃよぉ!
んン、違うな、オイオイオイ!!!!
白髪のガキィかよ~?
まったく不気味だなぁ~オイ、アぁぁん!?
偉大なる魔王さまが居られる魔王城になんの用だよ?
コラーーーーー!!!」」
「はヘ?」
白髪、え?
黒髪ではなくて、へ?
しかも言うに事欠いて老人だと?
何だとこの野郎、口の悪い、ヤンキーかよこのやろう!
あん!?
このウシ頭が、ぶっ○すぞロース風情がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
これ、どっちもウシ面なんだよな~、よし!
角がある方を牛野郎で、もう1人を青牛野郎と呼ぶ事にしよう
それにしても白髪っ!?
なんでだろ?
ステータスとかで確認できるかな
ステータス‥‥‥‥‥‥‥あれ出ない、声かな
「ステータス」
小声で言ってみたけどダメだ、何でだろ?
おかしいな?
何だかな~
おっほん
「ステークスーーーーーーーー!!」
大声で発音良い感じで言ってみたけど三度、同じで何の反応もしない
あれあれ?
おかしいな
「オプション」
………………出ないですけど?
「ログ………設定……………画面!!」
違うのか
何でかな?
「ポップアップーーー!
ウインドーーー!
窓ーーー!」
あれれ、これでも出ないンだけども?
おかしいぞ~?
「コマンド」
うーん何なんだ?
出ないんですけど!!
「プロフィールーー!
ログインーーー!!」
違うか~
叫んだり、ボソボソ言ったり恥ずかしくなってきた
分からん
「メニューーーー!!!」
分かんない
「スタート………………起動」
音沙汰一切なし、ムカついてきた
地団駄を踏んだりしたけど効果はない
「スイッチ・オン」
空に向けて人差し指を向けてポーズを付けても風の通り抜ける音しかしない
やっぱり何の手掛かりなしで見つけるの無理なんじゃない
アイツ、教えとけよ(`Δ´)プンプン
後は~~なにか有るかな?
ホームとかかな?
お、あれ?
すると視界の上の方に赤いランプのような物が点滅しだした
やがて青色に変わって、視界の中央に《英語/漢字》の文字が現れて軽くビックリはしたけど念じればいいのかなと心で漢字を選択する
すると{ホームが解放されました。}
{メニューが起動しました。}
{魔法の使用が可能になりました。}
{スキルが稼働しています。}
{転送後から異世界言語などの複数のスキルとユニークスキルが自動稼働しています。}
{魔力の感知が可能になりました。}
{種族特性によって太陽光で微量ダメージが確認されています。}
{ユニークスキルで相殺され、増減と回復を繰り返しています。}
と立て続けに沢山のログが上から下に流れて、背景では数字や英語が、ずらーと出現している
目で追えただけでもいっぱいあったので後でちゃんと確認しとこう
でもどうやら正解したようだ、最初現れなかった時はあの自称神・発光、ひかり野郎と恨んでやろうとしたけど結果大丈夫だったので今回は良しとしてやろう
説明しとけやっまったく( `Д´)/
だが、これ戦闘中とか見ずらいな、サポートシステムとかないの?
―――――――――――――――――――――――――――――
[ホームメニュー]
〔マップ
どうぐ
装備
ステータス・プロフィール
仲間
履歴・ログ
設定
セレクト
スタート
閉じる〕
――――――――――――――――――――――――――――
見渡すとステータスがあったので
タップしてみる
スクロールして早送りで探す
それらしいのは無いが代わりにこんなのを見つけた
〔使用魔法一覧〕
・
・
魔法|召喚
魔法|契約
魔法|創造←選択
魔法|破壊
・
・
・
ふむふむ
説明覧には次のように書いてあった
――――――――――――――――――――――――――――――――
その名の通りに作る事を行使する特化魔法
使用には多大な魔力と叡智を必要とする
普通の人間種は覚え得る事さえ困難であり、まず扱う事が出来ない神の魔法。
――――――――――――――――――――――――――――――――
あぁん(怒)説明覧に人間扱いされて無いんだが?
なんか腑に落ちないんだけどな、仕方ないか
まぁ、ひとまず使ってみますかね~っと
今必要なのはサポートしてくれそうな、人工知能のA.I.とかかな?
よし行使だ、ウィンドウの想像魔法をタップする
創造魔法発動せよ!
脱力感が圧って来て、それどころじゃなくなる
{魔法|創造を行使しました。
完成・構築終了まで他の魔法及びスキル発動が制限・使用不可状態になります。
それまで、お待ち下さい。}
なん!だとっ!!(ヨ○ヒコ風)
マジか、敵が目の前に居るんだけどな~
この間は、なんと0:05秒に過ぎない
ではそのプロセスをもう一度見て
は、みないか!!
「何を1人でペチャクチャしてんだ!?
ビビって奇怪しくでもなったのかよ
へーん!?
バーカがぁア!
コラーーーーーーー!!」
「なんだとッ!
このホルスタイン野郎!!」
よし倒う、なんの気兼ねなくブッ殺してやる!
勢いよく走り出して頑丈そうな橋に突入する
でも違和感を感じる
石畳を駆けていて周りの動きが遅い気がする
それに変だ、何……
「ぐへっ
どわぁあ!!?」
転けて顔から思いっきり顔面を橋のタイルに激突する、下の水流が見えて驚く
痛い((T_T))
穴の両端を押さえて落ちないようにしながら土煙を舞う場に漂う
「だ、大丈夫かい?」
もう1人の青い方が心配してくる
ジャージの誇りを払ったり顔を擦りながら立ち上がるけど、恥ずかし過ぎてちょっと顔を上げるのがイヤすぎる
だが、戦場で人をバカにしたり同情してたら終わりだぜ
低姿勢のまま石畳のタイルを見ながら走りだす
驚愕から焦っても今さらだね
気づいても遅すぎる
あっという間に二体の巨大牛モンスターの前にたどり着くと、右前に構えていた青ウシはオレが現れた事に反応出来ずに遅れて気づいたようで戦斧を構えて大きく縦に振るう
それを不思議な感覚に、いながらも容易に一歩横に飛んで避けると右腕でパンチする
でもパンチは外れて橋に当たってクレーターを作る
あれ、マジか?
不思議に思いながら青ウシに急接近して左足で回し蹴りをお見舞いしてやろうとして橋の石の欄干が崩れて川に落ちていく
あれ?なんかさっきから上手く動けないし当たらないな~
今度こそ、ぶっ飛ばしてやる
相手も不信がりながら気を持ち直して斧を右や左、縦などに攻撃をしてくる
その攻撃は鈍く見えて容易く躱せるので大振りに避けながら近付いていく
高く飛び上がって青ウシに飛び掛かる
その時、石畳にジャンプの威力でヘコみが出来たのを感触で分かったけど直ぐに意識の外にやる
青ウシの大きい腕に着地すると上へと駆け昇ると拳に力を込めると青ウシの顔面に目掛けてパンチを今度こそヒットさせる
青ウシは、さっきそんなにだったってゆうか何なら心配してくれた位なので軽く手加減と実験を兼ねて殺さないでやろう(`・∀・´)えっへん
ん?
そういえばオレ、腕を走りながら昇らなかった?
あら、やだ奥さんったらアニメみたいよ
スゲーわ、ホントにアニメみたいな事ができるのか~
流石、異世界だ
ふっふ~う!!
「フロンターーーーーー!!!!!」
角のウシが叫ぶので気分が、ぶち壊しである
害された感情を表わにしながら、一度睨んでから青ウシに目をやる
すると青ウシは橋にメリ込んで泡を吹いて倒れていた
マジかよ!
ちょっとした小突き程度に殴ったつもりだったのにな~
そうなのか~そんなにか~
なんかごめんよ~
「てめえ!
このやろうがぁ!?
いきなり消えて現れたと思ったらフロンターを殺しやがってぇぇぇ!!」
えっ??
いやいや、ピクピクしてるよ
殺す訳ないじゃんか、発想が怖いわ!
まぁあ、そこまで言うなら確認しますけど
えーとたしかここら辺にあったはず、、、えっ~と、、、、、あった!
―――――――――――――――――――――――――――
〔スキル一覧〕
・
・
・
特殊|鑑定←選択
・
・
―――――――――――――――――――――――――――
{鑑定結果です。}
{フロンター ♀ 107歳 レベル37
ブルーケンタウロス/ミノタウロスハーフ
状態《痙攣・気絶》
状況説明
今のところ命に別状はありません。}
―――――――――――――――――――――――――――――
そうか良かった
「別にだ」
「なんの用で来やがったぁぁぁア!!
もう許さねぇぇぇぇエ
許さねーーーーーぞ!!!!!」
えーー遮んなよ
逆ギレ臭いぞ最後まで聞こうよ
それにさ、そっちがケンカ吹っ掛けて来たんでしょ?
まぁあ、イラっとして、こっちとしましても先制攻撃してしまったけどもさ
悪いとは思わないでも無くはないけども、なんかお前の態度見てたら釈然としないから、ここは魔王役の出番だな!
お前は蹴散らしてやる!!
「何~にィ~!
このオレは、この城で一番強い奴に用があるんだ
貴様のような雑魚には最初から興味など、さらさら興味が無いぞ??」
キマッた!
カッコいくない?
「このクソガキゃあ
ぁぁあ、ふざけんな舐めたこと言いやがってぇぇェェエ!
ぶっ殺すゥぅぅぅぅぅ!!」
えれ?
チョイス間違えたかな?
鼻息荒くて目が血走ってるんだけど?
もっと逆上してない?
何でだ??
このままでは危険だ、自分の能力の事も気になるけど瞬殺しちゃう?
また何つって(^_^ゞテヘ
身構えて動きだそうとした瞬間に小さいアラーム音がなる
ピッピッピッピッ
視界の右上のランプが緑から、ん?
いつの間にか緑色になってる
青に戻るとログが画面に表示される
{魔法|創造が起動を終了します。}
{創造に成功しました。
ご要望のサポートシステムの構築に伴い。
ログ・プログラム及びホームメニューをサポートシステムに譲渡・掌握・融合されました。
音声に切り替わります。}
おっおふ~!?
そんな気の逸れたオレを、おつむプッツンプリンの角ウシさんは頭に血管を引き攣せて浮かべながら手に持っていた彼よりも更に大きな大剣を袈裟斬りしてくる
それを間一髪で大振りに飛び退い避けるの脳内に音声が響く
『はじめましてボス。』
おっスゴ
『名前がまだ未設定のため、ボスとお呼びします。』
えっそうなの?
あっ!そうだった記憶、失なってから考えもしなかった
『ご安心下さい。
貴方を手助けするサポートとして私が生まれたのですから。
ボスを支援するのが務めです。
お任せ下さい。』
あらっなんて良い子なの頼もしい!
オレから生まれたってのになんて良い子に育ったのかしら
お父さん嬉ちっ♪
『前方の敵対魔族が動きます。
鑑定を行使開始します。
戦闘Modeにシークエンスを移行します。』
おぉ~勝手にテキパキ動いてくれる
凄杉る
よ~し!
じゃあ、お父さんが名前を付けてあげないとな~!
うん思い浮かばん!
まずは何個か今出てくる単語を候補にしていくかな
希望とかある?
要望とかさ………………………?
知らんぷり?
分かったよ、お父さん頑張るよ(^o^)/オ~!!
身体の操作をサポートさん、かっこ仮がしていて悩んでるだけで角ウシの攻撃を躱したり、薙がしたりしてくれる
シンプルに凄い
どうやってんの?
少し飛んでいる身体は大雑把な剣撃に微動だにしていない
夕焼けに染まりつつある空に寒いな~と感じるも雄叫びが、どうにも煩くて風情も何もあったもんじゃ無い
そんな感想を抱くぐらいに余裕が出てくる
それでも戦闘は続いているのだから、オレの異世界生活1日目は波乱に満ちてるな~と思った
空は夜を迎え入れようとしていた
次の更新は本日の夕方です。