第12話 ちょっくら往って来やすぜエマの嬢さん!
日頃の感謝と謝罪の意を込めて大容量で、お届けだってばよ(o^-')b!スペシャル!
先日の投稿ミスを受けてパワーアップ・ダンジョンの巻き!!
んじゃイアのコーナーの後で又お会いしましょう。
※タイトルが微妙に修正変更されています。
前回までのあらすじは
魔法騎士の中には幽霊達がいた。
そしてヴァレンは魔王城をダンジョン化させると言い出した。
『I.A.の異世界・臨時講義からスタートです。
《第三回 ダンジョンとは①》
強い瘴気や魔力などが長い時間を掛けて同じ場所に集まり溜まると魔核結晶─通称コア─と呼ばれる固体物質になり、その領域を支配する迷宮を作り出します。
結晶の形・色・サイズは千差万別であり大きい程に強力であるとされていますが、その真相は定かでは無いとされているのが一般ですが間違った噂のようです。
自然発生する事は近年では稀で人為的なモノも多く人間等の他種族がダンジョンマスターとなっている事例も多発しているくらいです。
現代では多大な魔力の塊であるコアやダンジョンから齎される財宝とモンスターの素材やトレジャーボックスからアイテム・武具を狙う人間達が我が物顔でダンジョン内を日夜、闊歩している光景が日常化しています。
目当ての宝や素材のためダンジョンを探索すれど、それを手にし巨万を得る者は少数でしかなく、殆んどの者は命の危険と獲られる報酬は冒険稼業よりもリスクとリターンの表裏一体は厳しく本来の住居人であるモンスターに倒されてダンジョンの糧と成って吸収される終わりを遂げているのです。
今回はここまで、次回に続きます。』
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さてさて、ダンジョンって言う如何にもなファンタジー色の強い異世界感の溢れるワード(発音良く)が突然に飛び出したのか。
それはフル何とかブッチャーさんの騒動が終わった時ってか直近だけども、に遡る。
白眼を剥いて倒れているブッチャーさんを余所に次は、お城に勤めてるお偉いさんとか?役人?に挨拶しといた方がいいなっとジャックさんを見て思い至ったのでオレっ天才!
なんて考えてたらオレがジャックさん見てたのをアイコンタクトか何かと勘違いしたジャックさんの様子から魔王さんの遺体が気掛かりってなって保管する事になった直後の、お話である。
到着するまで暇になりそうだな~と思っていたら脳内にI.A.の声が入って現実に引き戻される。
『ボス、よろしいですか?
報告です。
魔王との戦闘でのステータスアップ等の全ての確認が終了しました。
レベルの上昇に併せて管理しているヴァレン様のワールド・システムも機能面で行える事象に変化・向上のアップデートが確認できましたのでその精査結果からヴァレン様の要望に叶う候補の完成に成功しました。
成功率の最も高い案を再算出するのに時間が掛かってしまいました。
安全安心に右目及び右腕を取り戻すためにホームメニューに新たに追加されているダンジョンを御使用下さい。』
おっ!?
やったじゃん!
いやいや、そんな事ないって。
んじゃホームを起動させて確認するね。
イアが提示している情報を視線でスクロールしながら新しく表れたダンジョンの文字をタッチしてダンジョンのタブが開かれると、まず最初にダンジョン化をするためのエリア選択をしてダンジョン化を開始して下さい、の文字が表記されてる所をタップしたりして段取りを進めていく。
ロード中の待ち時間に準備体操してるとエマさんに聞かれたのでカッコ付けちゃったぜ。
もっとちゃんとダンジョンするんだよってホウレン草だっけ?した方がよかったかな~と思ってたら半透明の眩しいの糸が大量に襲って来て繭みたいに覆われてしまったけど然も知ってました顔で平然と毅然にキメ顔作っといて1歩足りとも動かずにいた。
そしたらそれが良かったのか、やがて魔術文字と神聖古代紋刻の2つの魔力で構成された幾何学模様が右肩から手の指先まで形作って移動して魔力反応の光が収まると、そこにあったのは綺麗な赤薄紫のルビィーの宝石のような腕だった。
エヘヘ(。-`へ´-。)
これは何を隠そう、ダンジョンコアなのでRっ!
コアでありながらもオレの右腕としての役目も果たす超~優れモノ。
袖を捲って確認するとルビーのような鉱石そのモノで質感なのに動かせば、ちゃんとオレの腕として手として違和感も無くスムーズに動作の異変も感じない滑らかさを実現した再現不可能な神の、一品!!
おむ~ん、でも何か不格好だなI.A.~!!
『はい。』
右腕をカモフラージュする感じで普通の腕に見せれたりする?
『かしこまりました。
ご要望の機能は現時点では存在しません。
ですがボスのスキルから新しく作る事が可能です。
…………………。
………………………スキルを複製、融合しました。
スキルの複合開発に成功しました。
[魔法|幻影]をシステムに連動させ新しい魔法を制作します。
成功しました。
[システム|投影]と[スキル|幻影]の複合システム、[システムスキル|ビジョン機能]を創造しました。
他システムへの動作不良や干渉等ありませんでした。
シュミレーション確認でも問題ありません。
[ビジョン・システム]を他者にも表示するため現実に干渉します。
起動実行開始します。』
オーケー!
バタンキュー!?
スッゴい疲れて倒れてちゃってた。
でも、みるみるうちに右手は肌の色に変わっていくのを確認してから立ち上がりながらエマに話し掛ける。
「エマ~、ダンジョン化は無事に完了したよ!」
手を振りながら近づく。
「あ、ああッ。
心慌意乱しっぱなしだ、、、ヴァレン殿。
そのヴァレン殿は大事ないのか?
こ、こ、これは一体、何がどうなっているのやら全然ついて行けていない、、の、、だが、まずは腕が再生した?ようで良かったよ。」
問題ないので軽い感じで答えようとして肩に、ついさっきまで無かった、お高そうな黒いマントがあってちょっと驚く。
マントは風に揺れて端の方が靡いてる。
で、思った。
ナニコレ??
『ダンジョン化の特典、おまけのような物ですね。
ダンジョンの主といえば一国の王とも言われますからダンジョンマスターとなった者へのプレゼントのつもりなのでしょう。』
ふーん( ・-・)
性能とかは?
『今のボス、ヴァレン様には微々たる効果でしかありません。
通常のダンジョンマスターには破格の性能と言えます。』
表示されたタブをパッと見たけど魔力アップとかの特別な能力しか無かった。
うんカッコいいから着とこ。
腕でわざとマントを翻したりしてみる。
ばさっ~!!
「よいしょっと、うん全然大丈夫(^_^)v
もう普通の色だけどダンジョンコアなんだよ!」
「ダンジョンコア!?
……………そうか!!!
確かにダンジョンにするとは言っていたがコアと融合してしまうするとは斜め上の発想だな。
感心の一言だ。
ヴァレン殿は、やはり凄いのだな。」
手でポンって昭和のコントみたいなリアクションで理解したよってしてるエマは可愛いな~。
「そう?照れるな~」
でへっ(*>ω<*)
面と向かって言われると照れちゃうよ~。
恥ずかしいので誤魔化す事にした。
「んじゃ、やることをやらないとね」
オレは視線を黄色騎士たちに向ける。
それに釣られて続くようにエマもオレに合わせて視線が動くけど今は気づいてないフリをする。
黄色騎士たち改め、正式名称は黄色騎士幽霊隊達は魔王の間の修理担当班たちが今も土魔法なんかを色々と使って接合したりなんか色々と色々してる。
オレっているのかな( ゜д゜)ポカーン
新しく造られては魔方陣から出てくるので、その中から何体かを、こちらに呼んで指示を出す。
「部屋の扉の横にいる兵士達をここに連れて来てくれる、あくまでも丁重にっ、そう優しくね♪」
幽霊騎士は静かに頷くとガチャガチャ行動を開始して慌ててる兵士達の所に向かう。
ちなみにこの幽霊騎士たちの声はエマは勿論、他の者にも聞こえていないようになっている。
つまり今まで元気いっぱいに返事をしてくれてたり会話してたりするのもエマには聞こえていない。
なのでリズムよく話し掛けられたからオレもリズムに乗って言って彼らに合わせて、お喋りしてたからだったりするのも分からないのでオレが、いきなり音楽チックに喋った感じになって‥‥‥変な奴に思われてないかな。
…………そんなゴースト達の後ろにはレイスがあとを追いかけて行っている。
お世話、ご苦労様です。
以上の事を知らないのでエマさんは首を傾げてたりするけど、やっぱり変な奴、認定されてるっぽい。
誤解解きたいけど、タイミング的に今じゃないし、それに全部の説明がメンドイ。
うん後回しでいいかな~ってオレの紹介する時とかの皆が居る時でいいかなって思った。
にしてもゴースト達を待ってる間、ヒマだな。
結構距離あるし気まずいな。
時間を持て余しちゃう感じだ、コレ!
「玉座まで行ってみるぅ?」
くそっ!手持ち無沙汰で訳の分からない事を口走ってしまった。
まだ接する時の距離感が分からない(´ε`;)ゞ
なんと無しに片目に入ってきた巨大建造物の名前を出してみたのは失敗だったかも。
「ウ、うむ、だが座れぬだろう。
アレは大き過ぎる。
ココだけの話しなのだがな。
父上は巨大化していて他を威圧していたのだがな!
実は本当は違っていてだな。
本当は巨大化魔法では無く変身魔法なのだ!
昔、ある部下が勘違いしてそれが魔界中ないしは世界中に広まってしまったらしく訂正も出来なくなってしまい何時の間にか父上は巨大魔法のスペシャリストと呼ばれ二つ名まで付く始末。
魔族中からその武勇で尊敬されてしまっていてな、子ども心に笑ったものだ~」
気を利かせてくれたのかエマから話を振ってくれた。
段々抑揚のように話してる間に気持ちが入ったのかエマは頬を綻ばせながら楽しそうに語っているのを歩きながらオレはその話を、しっかりと聞くために耳を傾ける。
最初は通常の歩幅だったのが少しずつ狭く遅くなっていく。
それは楽しいのと申し訳ないの2つからだろうか。
「(;´゜д゜)そうなのか~」
メタン子オタン子ナスに超々超々~気まずさが内心圧し掛かってくる。
そんな君の、お父さんを倒したのオレなんだよな~素直に笑えないんだけども。
「あぁ分からないか?
そうだな巨大化魔法より変身魔法の方が効率が良いらしいから、だったはずだ。
身長プラス大きくなりたい背丈で魔力は増大するのだが変身だと元から有る身体に魔力を覆って持続させるだけでいいからな~
つまりだ!
ズバり、ズルをしているようなものだな!!
確かヴァレン殿が会った事のある者だと‥‥うむ。
門番兵の二人の事は知っているだろうか?」
「お?
えっ~と確か、サイクロプスとミノタウロスの2人組だっけ?」
イアに写真付きを表示されて思い出す。
「そうだ。
あの二人も父上の巨大化魔法に憧れて門程とまでには届かなかったが巨大化魔法を使って大きくなっていたのだぞ!」
へ~そうなのか~
ちょっとした雑学とか裏技かな?
良いこと聞いた~
「なるほどね、ためになる!
面白いね。
‥‥‥‥‥‥。」
「そうか?
助けになったのなら良かった♪
…………………。」
会話が途切れてしまった。
どしよ?
『でしたら魔眼を御薦めします。
先程のダンジョン化で中断していましたがホームメニューにダンジョンが追加されていますのでダンジョンに飛んでから一覧に魔眼を検索或いは私が表示しますので、そこから御選び下さい。
視力も快復すると思われます。』
ん、じゃその方向で。
イアさん、オナシャス!!!
―――――――――――――――――――――――――――――
[ホームメニュー]
〔マップ
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仲間
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設定
セレクト
スタート
閉じる〕
――――――――――――――――――――――――――――
「エマさん、エマねぇねぇ!
右目の再生は無理だったけど新しいの有ったから付けてみるね~」
「うむ?
あったとは、どういう意味だ?」
どしたの?
うむ、うむむ?とエマは首を忙しく動かして腕を組んで考えてる。
オレの説明ヘタなのか伝わってない感じ?
とにかく見せて教えてあげようっと。
魔眼を選択するために、まずはメニューをタップしようとして左手でやってて、あっ!
右手あったやって思って両手でやってみる。
誤魔化したとかでは無い( ゜ロ゜)!!
見ていると良いのを見つける。
____________________________
[アイテム|魔眼☆ウインター・ブルーアイズ]
プラネタス・スター級
◯常冬の吹雪、極寒の暴風雪の中で息絶えた龍種のエネルギーから生まれた魔眼。
四季十二節色の1つで使節権限を可能にする英雄の瞳。
◯古き歴戦の龍の1匹が死に場所に選んだ最期の住処で過ごした時間の全てと死後の骸が氷雪と大地に溶け染み吸収され土地に草花を繁栄させる程の栄養を与えたとされる青の属性と生き絶える風前の灯の残り火が偶然にも近くの加屋の暖炉に引火、芯と宿った炎は水をかけても消える事は無く万年燃え続けたと伝えられる赤の属性との相反する、この2つを内包する金色の魔術の龍眼。
◯大寒と立秋を司り選定資格者のみが所有権と行使権限を有する。
譲渡は不可である。
◯四季十二節色の魔眼は、いずれも死亡すれば選定資格選別が現れ行われるまで世界からはその形を隠れ消す事になる。
______________________________
カッコいいじゃん!!!!!!
他にもスプリング・レッドアイズとか見透しの魔力眼に邪神眼なんかもあったけど1番琴線に触れたのはコレだった。
ブルーアイズなのになんでゴールドなんだろか?
うん、どうでもいいや。
よし我がまえに顕現せよ!ブルーアイズ・ウインターなんって~ポチっと~っな!!
イアっ!
さっそく投影で見せて~
『はいヴァレン様。
反映します。
新しいタブを開きます。』
おお~!
お~!
良いねオッドアイになってるのか~
違和感半端ないけど、なんかカッコいい!
ひゃほ~~!!
『効果は両目に出ています。
片方を失ったのが原因かと思われます。』
左目を手で隠してみる。
ちゃんと右目でも見える。
ちゃんと両目で見えてる素晴らしい、ありがとう目!
ありがとう視界。
カタログの一覧からスプリング・グリーンアイズが何故か消えてるけど気にならない。
「どう?
カッコいい!?」
中二病みたいなポーズで右目を提示するみたいに仕草を取ってみたり見せびらかすように見せ付けて、いっぱいポーズをする。
「おお、カッコいいぞ!パチパチパチ!!
魔眼だろうか?
凄まじい波動を感じるな!
素晴らしく似合っているぞヴァレン殿。
拒絶反応に違和感や痛くは無いか?」
素直に心底自分の事みたいに喜んで賛辞されてエマという女性の朗らかさみたいのに触れる。
言いながらエマに冷たく優しい手つきで頬とか蟀谷の辺りをやわやわされる。
その後も話は思いの外に盛り上がってオレとエマは会話を続けながら歩いて玉座の下へとやってきた。
▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
数分もせず黄金の玉座の元まで辿り着くとヴァレンとエマの二人はその高く聳え立つ黄金の玉座を見上げていた。
「いや、デッケーーーーーーーーーーー!!
デカすぎンだろ!」
その声は修復されつつある魔王の広間に反響してしまう。
ってか背もたれの所に魔王の片方のドデカ剣が、ガッチリしっかりとブッ刺さってる!?
なんかゴメンなさい。
「父は魔法でデカくなれても物までは永遠に魔法では大きく出来ない。
だからココにある物全て、この玉座も実在の大きさで造らせたと言う事になる。
何時来ても壮大だ。…………………う、うむ、近くで見ていると少し首が痛くなってきたな。
にしても現場に居なかったワタシでも激戦ぶりが窺える戦いだったのだろうな。
うむ、やはりヴァレン殿で片言折獄モノだな。」
エマは解説を中断してオレに向き直る。
この娘、時々変な言葉を言い出すからな~
にしても大きくて玉座全体で100mを優に越えてるのは明らかだ。
映画館で一番前の席でスクリーンを観てる感じが、シックリくるかな?
でもこれってオレ、どうやって座るのん??
『座面までは60m程あります。』
マジでっ!?
どう登るの仕方ない、足を曲げて太ももの筋肉に力を溜める。
背中・背骨をバネみたいにするイメージで少し屈んで狙いを定める。
勿論、狙いはこのドでかい玉座の座る所、座ったら、お尻がある位置、正式名称とかは特に知らないのでザックリと移行ってナンつって~!
「エマ姫の嬢さんや!
オイラは、ちょっくら往って来やすぜぃ!」
オデコに手をピッ!として玉座に構える。
面を食らうエマさん。
えーーー?
貴女の時代劇風の口調に合わせたのにプー(≧Д≦)
身体を動かして跳ぶには~?
ジャンプするのに適してるのはネコとかかな?
よしっ(o^-')b!
ネコのイメージでいざ、ジャンピング!
「あっ!?
お、おう。無事に帰ってくるのだぞ。
ヴァレン坊!!」
今頃納得して演技しても遅いよ~もう!!
ヴァレン坊って(`Д´)ノ)゜∀゜)
力を入れた足は床を思いっ切りに蹴り上げて高く跳ね上がる。
ぽ~~~~~~ん
ぽ~~~~~ん
ぽ~~~~ん
ぽ~~~ん
ぽ~~んっと!
そして無事に着地正式!
ちゃんと座る所に来れたんだぜベイベー!!
わーいヤッター!ヤッ◯ーマン!!
( 〃▽〃)ウレシい
▼
|д゜)それからどしたの~
▲
オレを見上げるエマは一大事のように慌て、ふためき声を荒げていた。
「ヴァ、ヴァヴァレンどのーーーーーーー!?」
何どした~の。
‥‥ンにゃ、あれ?
これ手が短い?
小さい?
いや違う、ってか毛に覆われてる?
毛皮とか羽織ったけ?
首を動かして見る。
ミニマムになっている手に足に体!?
そもそも毛皮の身体とくれば!?
遅れて気づく。
・
・
・
・
・
!?
「ネコになってるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!????」
手足は短く、マンチカンで毛は長毛でアメリカンカールっぽい?
いや模様がトラ?ヒョウみたいのもある。
毛色は人間の時と同じで白色で、ちょっと銀色っぽくて灰色にも見える。
なんでだ?
何でだろ?
『直前に変身魔法の話を聞いた事。
跳躍する際に猫を想起した事。
ヴァレン様が吸血鬼であった事。
以上の条件が巧妙に噛み合った結果、ボスが無意識に発動させたモノと思われます。』
え~(困惑)
聞いただけで使えちゃったりするんだ~
『はい。
ボスの場合は特殊ですからね。』
特殊なのか納・得・納・豆!
そうか特殊なのか(((o(*゜∀゜*)o)))
特殊だから瞬殺スピードで使えるようになるのだ~
出来ちゃう~ふっふ~う(*>∀<*)
『ボスはlevelの上限が突破されていますから常識の範疇や事柄は通用しないと肝に命じて置かなければ生けないかもしれませんね。』
そっか~\(^-^)/わーいって急に、いきなり辛辣じゃない?
ちょっとビックリしたしキズ付いたんだけど!?
な~んて現実逃避乗してみたりしたけど猫のままなのは変わらなかった(|||´Д`)
へいへ~い!
『ちょっとしたユーモアのつもりだったのですが言い得て妙かもしれませんね。
今の学習過程では感情までは気が回まらず失態でした。
今後も随時・情報の更新とボスのギャグセンスをリサーチ及び好みに合う媒体等の網羅を開始します。』
耳のそばでは、そんな事が聞こえた気もするけどオレは落ち込んでいてそれ所では無かった。
てか不穏な空気を醸しだしとけばフラグが建つのでは無かろうか~(((*≧艸≦)ププッ
あーお腹空いてきたー!
『訂正。
ヴァレン様の笑いのセンス云々では無く先ずは貴方の育児・子育てをメインに分けるべきかも知れません。』
ほへ?
(・-・ )??
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
▲ ▲ ▲ ▲ ▲
下ではオレ以上に焦っているエマの声が聞こえる。
「ヴァレンどーーーのーーーー!?
猫になってしまったかのようだがーーーーーーー!!!
意識はあるだろうかーーーー?
それとも完全に猫へとなったのだろうかーーー!!!」
大声で口に手を当てて、わざわざ問い掛けてもらってありがとうエマさん、ひっきりなしに心配かけてすみません。
「ナ~~!!
みゃ!
ニャ?
にゃにゃニャーーー??
ンギャン!
わ~~~ん。
わ、あーー!
出た!
大丈夫ぅ~!
なんとか喋れるようになった~!
あと意識もオレの感じっぽい~~!」
「「良かった~」」
オレとエマの声が重なる。
そのエマは浮上していて空中を飛んでいて目が合った。
異世界に来てから数時間、2つの月は既に沈みかけていて太陽が顔を出す時間へと変わり始めて朝を迎え入れる準備に入っていた。
オレの前途は多難だ~
なんか~そんな感じしない?
多分そうだと思う。
(しみじみと。)
尻尾がチョコチョコって追ってくる。
これ気になるな~もう( `д´)
あれ?これ?
ソ~レ?
この!
コノ!!
コノコノ!!
こんにゃろう。
ワーーイ!!
楽しい過ぎる!!
「ヴァレン殿!
完全に猫に変わってしまったのか?
(´□`; 三 ;´□`)返事をしてくれ~~!!」
ん?
「いや、大丈夫!
ホントに大丈夫ぅ~!」
やべーー焦った~
我を忘れて回転して追いかけてた!?
クソう!
なんてこったいパンナこった~!
思考が完全にネコ寄りに侵食されている、だとっ!?
毛に覆われた太い尻尾を手で捕まえようとして我に帰って溜め息して落ち着くように自分に言い利かせる。
その時に自分の毛を舐めてて焦って止める。
1度瞼を閉じてから手の平を見てみるも。
「肉球だっ」
マジっか!
相変わらず猫のままだった!
どうしよう、どうしようかな?
戻れるのコレ!?
ただ、ただ恐怖です。
そこにプテラノドンみたいな翼を生やしたエマさんがポワンっと優しいタッチで玉座に着地してオレを抱える。
「やはり、うむ。
魔力はヴァレン殿のモノだ。
子供のブリザード・ハンター(雪豹)のようだがアルビノ・タイガーや白彩崖山猫とのミックスにも思える。
太り気味、いや毛が長いからか。
モフモフで小さい毛玉の妖精のようだ~!!!!
新鮮で可愛い。」
良い甘い匂いに思わずエマの、お腹をフミフミしてたら辛辣なセリフが頭上から降り掛かってきて泣きそうです。
悲しい気持ちになったので逃げようとしたけど両脇を抑えられていて逃げ出せず、されるがままに、お腹を嗅がれていると下から子供の声がするので体を、くねらせて脱出する。
絶望したようなエマを余所に声のする玉座のフチまでポテポテして歩き覗く。
まだ騎士鎧に入っていない辺りを浮遊していたゴーストが教えてくれたようだった。
《連れて来たよ~》
幽霊騎士(式神たち)にグルグル巻きに捕縛されているが全員が1つの縄で一緒に巻かれている、雑だぞ~オイ(笑)
兵士20数名を連行してきていた。
「ご苦労!」
支配者らしく、簡潔かつ威厳たっぷりに、ゆっくり言ってみる。
っと、カッコ良くも労いつつ裏では。
[[聞こえてる?
式神たち・ゴーストたち、凄いぞ!
ありがとな!(人´3`*)~♪
この後はレイス達の言う事聞くんだぞ~!!]]
式神達、眷属だけに聞こえるようにイアが眷属ネットワーク成るモノを構築し、他の人達にはわからないようにしてるのだ。
らしい、詳しくは知らない!何故かって?意見を言っただけだからなのだ(*´∀`)♪
テレパシーに近いらしい。
《わかっ~た!》
《うん~~》
《なんでネコ~》
《またね~》
《声変わった?》
《にゃんにゃんだ~》
《あとで遊んでね~》
《いいよ~》
《バイバーーイーーー!》
《か~わいい》
思い思いに返事をしていく式神達。
傍目には無言のまま去っていく様に見える幽霊騎士たち………怖くない?
そして玉座の近くに固まって座らされている魔王軍の兵士`s.だが顔色は頗るる、よろしくない。
そりゃそうじゃ~!!
「よっ!元気~?
安心してくれ!君たちには、もう危害を加えるつもりは無いよ!」
頭上から声がしてオレに気がついたらしい!
あたまを上に向けて、、、、
恐怖におののく……………とかでは無いな、コレは。
威厳が何処かに旅だってしまった。
猫だからかな~
そっちに意識が行っちゃって話に集中出来てないパターンの奴だわこれ。
とにかく、話をして軌道修正だ!!
うわッ!?
目をキラキラさせたエマに捕まり抱えられてしまった。
不覚(≧口≦)
「そうだな~安心されるためにも、、朗報と吉報があるだけど~聞きたい~?」
困惑してる彼等の返事や様子を待ってる間にオレは気になっていた自分のステータス表記を開き見てみる。
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ダンジョン
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〔ステータス・プロフィール〕
名前/ヴァレン 種族/吸血鬼・起祖 (元人間)
性別/男 年齢/17 レベル/500 経験値:-----
状態:変化/ねこ
所持金:なし
取得DP:???(判定不可能)
◯職業/【大魔王】 堕天勇者
◯称号/大魔王 堕天勇者 不死の超越身 転移者
◯階級/始祖 魔王 大魔王 勇者 堕天勇者 転移者・覚醒
――――――――――――――――――――――――――――
HP(体力):不明-測定不可能
MP(魔力):不明-測定不可能
攻撃:不明-測定不可能
魔法:不明-測定不可能
防御:不明-測定不可能
魔防:不明-測定不可能
精心:不明-測定不可能
俊敏:不明-測定不可能
巧緻:不明-測定不可能
―――――――――――――――――――――――――
習得スキル
*
*
*
*
――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――
「Oops!!!」
マジで!?
素でびっくりしちゃた。
これはヤビイな~ぶっ壊れ性能だな~とは薄々には感じてたけど 〝まさかコレほどとはな〟 って奴だわ~!
そういう案件だわ~もう壊れてイカれてバグって虫ッてる勢いだわ~
マジヤビいはコレ!!
ガチのドン引き(´・ω`・)
щ(゜▽゜щ)考える時間を頂戴Please!
下ではオレの声に反応しちゃって、何だ何だ!!
っとこちらに再度、注目が集まってしまった困ったぞ!
ってエマさんまで!?
確かにそうですよね、なにも説明とかしてませんもんね~
でも下の君達は、どっちか選びなよ。
まずはエマさんね。
[[エマ、聞こえる?
オレ、ヴァレンだよ!!
今、直接脳内に話し掛けている。
[念話]、分かりやすく言うと思念会話、テレパシーだよ。
口に出さなくても頭で考えれば会話が出来るのだ!
今はオレと触れてるからエマも出来るよ~!]]
ぎこちなくオレを二度見と瞬きの数が増えるエマさん。
ビックリしながらも声には出さず、困惑ながらにオレに合わせてくれてる。
[[あ、あー、あーー!!
どうだろうか?
聞こえているかヴァレン殿?]]
[[大丈夫ぅ~!
ちゃんと聞こえてるよ!
成功だぜ。]]
[[良かった!
しかし全っく本当にヴァレン殿と居ると驚かされてばかりだ!
ワタシは大変だぞ!!]]
冗談めかして笑いに代えつつも苦情を承りました~
困惑させてばかりだな~と改めて実感する。
[[だよねーハハハは~
でね~さっき声、出ちゃったのは魔王さんとの戦いでレベルアップしたの確認したらビックリしちゃったからなんだ(・ωく)☆]]
「それは、あっ!?」
思わず声に出しちゃったお茶目なエマさんは[スキル|チャット]で言い直して話し出す。
[[それは、、父は強かったから、かなり上がっただろう。
‥‥‥‥‥うむッ!声が出るのも頷ける。
もしかしたら父なりの就任祝いかも知れないな。
違っていてもヴァレン殿は、そう思っていてくれないか?]]
さっき失敗で恥ずかしかったのかチャット内なのに小声で話してるキュートなエマさんったら。
[[うん、分かったよ。
ありがとう。
…………って少し喋り過ぎて兵士たちを放置しちゃってるね。
あ!
あとオレから離れないでね?]]
すると照れて顔を真っ赤にしてアワアワし出すので訂正しとこう。
[[きゅ、急に何を言い出すんだ!?]]
[[えっとね。
このチャットのスキル、創ったばっかだからオレに、ふっついてないと使えないんだ~。
離れてて使用出来るように調整とかしてるから(I.A.が。)
そのうちドコに居ても会話出来るようになるよ。
ん~っでね♡
ここからが本題なんだけど。
今から下の兵士達に魔王っぽく振る舞うからオレ感じに合わせてエマも魔王っぽくしてね。
勿論、あとでちゃんとしっかり諸々の説明するからっ、お願いっっ!
お願~~い!!]]
[[むっ、、作、、、、っウム!
分かった。
仕方ない、しかしだ!!
後でキッチリと厳しく問いただすからな。
そのつもりで覚悟しているのだぞ!
それで、つ、つまりはワタシもリアクション等で知っている呈の装いをすればよいのだな!?
だが、これでもワタシは先代、先々代の魔王と夫婦共に魔王から産まれた長女だったりするのでな!
部下も持つ身だ、大船に乗ったつもりでいてれ!
うむ!任されたぞ!!]]
[[うん確かに、そうだね!
ちょっと不安だけど助かるよ。
とびっきり偉い感じで宜しくね~]]
[[了解だ。出来る限り善処しよう!
だが実は演技となると、、、そういうモノはあまり得意では無いのだが!
ふむ頑張ってみるぞ!!]]
[[えっ?!
まぁ~一緒に頑張ろう。]]
エマとのアイコンタクトってかバリバリの会話を無事済ませて視線を、お互いに兵士たちに戻した。
「おっほん!
え~全員が集まっていないから手短に説明するが、、、、、魔王は死んだ。
そして新しい魔王には、キミたちも知っている!、、、ここにいるエマが成り代わって継承した!」
兵士たちは驚き互いに顔を見合せたり、会話しようとして、結局は口を開けずに黙り込む。
(教育が良かったのか恐ろしかったのか知らないが目上の階級の者に許可なく会話をしてはダメとかの奴なんだろうか?)
喜びなのか悲しみなのかは(オレには分からない)表情からは読み取れない。
彼等は視線をオレからエマや仲間内へと行き交わせていた。
「これが、朗報の方(^ー^)ニコ~
エマからも簡単に言って説明してやってくれっ!」
少し動揺と思案を浮かべながらもエマは支配者然とした態度・姿勢でオレを抱きしめながら話始める。
「ああ、確かにワタシの父は先程完全に亡くなった。
それはワタシを含め執事長のジャックとも確認している。
、、、、、そして次代の魔王にワタシ “エンマ・アイリィ・スカーレット” は就任した。
これは職業・称号ともに魔王っと成ったと言う事だ!
野良の魔族や不良が嘯く類いの虚言では無く、本当の意味での魔界を!
魔族を!
支配する魔の王だと言う事だっっ!!!!!」
エマのスピーチはよく透き通り、緩急を付けたり、間を置く事で、より凄さを際立たせていた。
それでいて、だだっ広い魔王の間にも響き渡り、魔王としての真の一族の品格の様なモノは、オレにさえもヒシヒシと感じさせる程だ。
この時ばかりは周りも静まり帰り、復旧作業中の幽霊騎士達さえも手を止めて息を飲んでいた。
エマは一呼吸して次の言葉を口にしようしていだが、先程彼女も入ってきた時に使った扉が開き、そこからジャックと数名の魔族がやって来る事で中断されてしまう。
痛ててててッ。
恥ずかしく のは分かったから1回力抜いて~
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お辞儀をして入ってくるのは執事長ジャックさんと、それに続くは豪華な衣装を着飾った者たちの他に数名ほど。
お辞儀をする者もいれば、お辞儀をせずに偉そうにしている者もいる。
「申し訳ありません。
時間が時間な物で連れてこれる人数に際限がありました。
魔王様方っ!」
ジャックさんは深く頭を下げて謝罪をする。
そのジャックさんの隣にはメイド服の女性もいて一緒に頭を下げていた。
エマが頷いて相づちをして合図を送ると、ジャックさん達は頭を上げて扉近くから玉座へと進みはじめる。
それに続くように高そうな格好の人達も付いてゆく。
位置的にオレとエマが玉座にいると分かるので、玉座下を目指してジャックを先頭に歩いてくる。
到着するとジャックさん達は巨大玉座の真下の、ほぼ壁だけどの近くで待機する。
他の者達は偉い位にいるのか捕まっている様子の兵士達とは別に少し前の方に並ぶ。
彼等を観察してるとジャックさんはエマとオレに聞く意味も込めてか質問を投げ掛けてくる。
「そういえば先程の、あの地響きが何だったのか御存知でありましょか。
御教え願えますでしょうか?」
これには場を和ませようとかの意図があるのかな。
慎重に答えようか。
っと玉座に居座っているのが猫である事に気づいたようだ。
それは連れて来た者、全員だったようで何人かが驚き(当然)そのままに怒りに任せて言葉に出そうと者もいたが、それをエマが止める。
「なっなんだ、こやつは!!!!」
「静まれっ。
事前にジャックから、お前達は聞き及んでいるだろうが。
ココに御座すは魔王様の御前なのだぞ!」
エマさんありがとう!
心底低い初めて聞くエマ・ボイスだったけど。
仰々しく紹介されても猫だからだと思うよ。
ジャックさんも猫になったのは知らないから説明してないはずだし、、、そう考えるとジャックさんの適応力パネェ~
あと抱っこ、されたままじゃ威厳とか無くない?
まぁ手を振って挨拶しとこうか~。
「は~いどうも!
元気?
幹部か何かの人かな?
強そうに見えないから、、文官とかかな?
ジャックさん連れて来てくれてありがとうね、エマもね、ありがと☆」
お辞儀をするジャックと何故か嬉しそうなエマ。
反抗的な態度の人もいるし、ちょっと警告の意味も込めて何より面白そうだからってのが大半なんだけど。
オレはエマから降りて玉座を数歩ポテポテしてから頭上に魔王から受け継いだ魔王の魔力を放った。
すると、オレの魔力と混じりあい溶けて完全に1つの "個" の魔王としての刻印・紋章として現れる。
魔王の間中を青鬼火が飛び交い嘲笑って。
緑雷が墜ち踊り。
赤竜巻が廻って瓦礫や木の葉が舞い。
床のタイルや天井は凍り付き、黒冷気が漂う。
岩の細長い白土槍が突き出てアーチを作り。
草や蔦が花を咲かせ岩に這う。
巨大な黄金の玉座の背もたれの部分、背板の丁度真ん中辺りにオレの紋章が火花を上げて刻まれていく。
「君たちの!
魔界の!!
絶対なる新たな支配者ッ!!!
…………………大魔王だ!!!!
よろしくね。」
動揺と驚愕が同時に走る。
息を飲み気圧された兵士は泡を吹き、幹部の中の数人が気絶して、そのまま倒れる。
幽霊騎士たちは片膝に両腕組んで置くように敬礼をし始めて、それに習ってかエマとジャック達も同じポーズをする。
まだ意識があり反抗的な態度だった幹部なんだろう魔族が意地でなのか必死に倒れまいと頑張りながらオレを睨んでいる。
「あぁ、それとジャックさ‥‥‥‥ジャック、キミの疑問に答えよう。
何故、揺れたのか?
それはっ、このオレが魔王城を完全に管理下に置き!!
ダンジョンと化したからだよ!!!」
言い終わると同時に今までで一番デカい緑雷が落ちて青氷柱が弾けて、床を凍らせていた氷を伝って部屋全体にイカズチが一瞬で走り去っていく。
やっぱりネコだから威厳皆無ですよね。
にゃ~~
月が完全に沈んで太陽が顔を出す少し前、空は青くなり始め雲を赤く染めてコントラストを作り薄紫の境界が酷く心情を写し出しているかのようで、そっと俯いた。
早く吸血鬼に戻りた~い!!!
完全連載再開までは、もうしばらくの間お待ち下さい。