なるようになる
「ただいま~ パン買ってきましたよ。
あと焼き菓子もたくさん買ってきたから、みんなでお茶にしましょう」
「お嬢様、お使いありがとうございます。
お茶の準備はできてますよ」
パティがひょっこり顔を出して言った。
私たちは2階の談話室でみんなでお茶をする。
1階で店番をしてくれているケイティとペリーヌはお菓子とお茶を休憩室へ運んで交代に食べてもらう。
2人とは明日にでもちゃんと話をしよう。
まずは、これからの商会について会議よ。
「ねぇドミニク、テッド。
今、王都で羽を使った髪飾りが流行りだしたの。
いろんな色の羽がそこかしこで売り買いされてるのよ
ちょっと珍しい鳥の羽を仕入れてみたいのだけど」
「ああ、だったらワグナー共和国がいいですよ。あそこなら大きな鳥や色の鮮やかな鳥がいるから」
そうテッドが教えてくれた。
ワグナー共和国と聞いて、またドキッとしちゃいました。
旦那さまのいる国ですね。
手紙でいろいろ聞いてみようかな。
「へ、へえー うちは今までワグナー共和国と付き合いあったかしら?」
「一度コーヒーを仕入れたと思いますよ。その時の船の船長に聞いておきますよ」
そうドミニクが請け負ってくれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
夕方、3階の自室で旦那様に手紙を書いてます。
領地にある港町に来ていること、1ヶ月程こちらに滞在する事などを書き封をした。
明日散歩がてら、手紙を出しに行こう。
ロエベ家に嫁いだら、この店や商会はどうしよう。
ドミニクに引き継いでもらうか、ロエベ商会に吸収してもらうか。
それと、みんなにはいつ私が結婚したことを言おうかしら。
書類上の手続きは終わっていた。
教会や国にも、もう報告をあげている。
まだ会ってはいないけど、まだ顔も知らないけど、私はテオバルド・ロエベ様の妻なのだ。
私は納得しているし、手紙のやり取りで少しずつお互いを知ってはきた。
この状況を悲観的にもみていない。
でも、他の人に話すのは何だか言いづらい。
変だ、おかしいと言われると反論できる自信がないのだ。
「納得してても、私だって変だとお思っちゃうしね」
ため息とともに本音がでる。
それでも、今自由にさせてもらえる事がありがたい。
後2年あれば、商会も町ももっと良くできるはずだから。
「まあ、なるように、なるわよ。
今回の災害だって何とかなったしね」
もう深く考えるのはやめる。
人間、悩んでもどうしようもない時はご飯を食べて、よく寝ること。
これはジャルジェ家の家訓だ。
と、言うことで私は部屋を出てパティに声をかける
「パティ~お腹減ったわ! ご飯にしましょう」