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初めてのキス

なんでか分からないけど、馬車の中でのテオバルド様の言葉が…『結婚する気を見せなかったのが良くなかった』『嫌なら離婚すればいい』

トゲのように刺さって抜けない

抜けないから苦しい


「もともとその気もなかったのに、我が領を…我が家を助けてくれる為に結婚を承諾されたのなら、ある程度復興が進みロエベ商会も高位貴族との繋がりができたら、もう私は必要ないし、ロエベ男爵がいいと言えば別れる事は可能で…」


言えば言う程、どんどん悲しくなってくるし、言葉も止まらない。

そして、涙も…もう止められなかった。


「リディアーヌ?」


そんな私を見てテオバルド様が驚いていた。


「ごめんなさい、困らせるつもりはないのです。

でも、私はテオバルド様と手紙のやり取りをしながら、会えるのを楽しみにして…

でも、テオバルド様はテッドでテッドの事は信頼してるし、大好きだし、テッドがテオバルド様で良かった。

良かったけど、これからずっと一緒いると思ってたテオバルド様は… り、離婚を考えているし」


私の目は大洪水状態で堤防決壊もう自分では、止められない。



さすがに慌て出したテオバルド様がハンカチを出して顔に当ててくれた。


「まってくれ、リディアーヌ私はあなたと離婚をしたい訳ではないぞ。

むしろあなたに家のために不本意な結婚をさせることになってしまったから、だから」


「私は最初から嫌々結婚などしておりません。

ちゃんと旦那様になるテオバルド様と向き合っていこうと決めて、手紙を送ったのです

私の気持ちは手紙に書いた通りです」


「本心だと、信じていた。

私だって君との手紙のやり取りがいつの間にか私にもなくてはならないものになっていた。

ただ、マルクスのみんなにはずっと結婚の事を言わなかっただろ?

あそこの連中には、君は本音で接していたのに…。

だから、結婚を隠したいのかと思った」


「違うんです 自分の結婚の話なんて恥ずかしくて、言い出しにくくて…。

タイミングが分からなかったから」


まさかテオバルド様がそんなことを気にしていたなんて…


「ならリディアーヌはこのまま私と結婚していても、いいのだな?」


「はい、もちろんです」


「そうか」

溜め息のように長く息を吐きながら目を瞑ったテオバルド様はその後に私を見つめて、引き寄せた。


「テオバルド様…」

声を掛ければより強く抱き締められた。


「本当は怖かったよ。

テッドじゃなくなった自分は受け入れてもらえないんじゃないかって。

リディアーヌを助けに行きながら、不安だった」


そう言って身体を離してくれたと思った瞬間に唇を塞がれた。

初めてのキスなのに、突然過ぎて頭が追い付かない内に彼の唇は離れて去っていく。


「私初めてですのに、急になんて、酷いですわ」


ちょっと怨み節です。

だって、初めて好きな人とするキスは特別だと思ってたのに。


さっきまで悩んでた事も、泣いてた事も忘れて拗ねている私を見て、テオバルド様は笑っていた。

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