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危機

さて、ここはどこなのかしら?

どこかの家と言うより納屋みたいな所へ連れて来られて、椅子に縛りつけられた。


「悪いね、あんたに恨みはないが、頼まれてね」

「しばらく、ここで大人しくしててくれ」

私を担ぎ上げて連れてきた2人の男は縄で縛る時に口々に言って出て行った。


しばらくってどれくらい?


物取りとか人攫いならまだわかるけど、私はこの国の人間ではないのに一体誰がこんなことをするんだろう?


私を疎ましく思ったり、恨む程この国の人との関係性はないはず。


私にはこんな事をする人物の心当たりがまったくない。



何時間たったか、窓から西日が差している。

もう夕方に近そうだ。

このまま、ここで夜を明かすのかしら?


そろそろ喉も乾いたし、お腹も減ってきたわ。



ガチャガチャ


鍵の音?

誰か入ってくるみたい。

さっきの男の人かしら?


現れたのは女の人?

「あなたは、今朝の…」


そう、レジスさん達と一緒にいた人だ。私を睨んでた人。


また、睨んでる。

初対面の人にここまでの怒りをぶつけられる覚えがないのだけれど。


「なんでよ!」


「え?」


「なんであんたなのよ!

本当は違うんでしよ?」


「あの、何を言ってるか分からないんですけど」


「あんたがテオバルド様の奥さんなんて信じないんだから!」


え?

そう言うこと?


「そう言われても…」


「あんたがいなければテオバルド様は私を見てくれる… きっと私と結婚してくれる」


私の手を縛っている縄以外をほどいて、納屋から連れ出された。


どこへ連れていかれるのだろう…。


「この先にね、崖があるの

あんたは知らない男達に襲われそうになり、逃げてそこから落ちて死ぬのよ」


私を殺そうとしているの?

初めて危機感と恐怖が沸いてきた。


どうしよう歩くのを拒んでも、手を縛られているのと、恐怖で上手く踏ん張れない。


「ちょっと! ちゃんと歩きなさいよ」


「殺されると分かっていて、付いていく馬鹿はいないわよ」


「なによ! じゃあここで殺してあげましょうか?

別にあんたが男に拐われたのは侍女が見てたし、私が疑われる訳ないんだから」


そう言っていきなり髪を持たれて引き倒された。

馬乗りになって、私の首を絞めようと手を伸ばす。


そんなの黙ってやらせる分けないじゃない!

縄で縛られている手を前に出し反対に手を掴む


「ちょっと! 何するのよ

大人しくしなさいよ」


「それはこっちのセリフよ」


2人で揉み合いながら言い合っているけど、上に乗っかられている私の方が不利だわ。


どうしよう… だんだん押されている。

このままじゃあ本当に首絞められて殺されてしまう。


もうダメだ…

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