メルビ工房
テッドと一緒に向かったメルビ工房はこの町唯一のおしゃれに特化した工房です。
女性の手袋、帽子、髪飾りから日傘、靴下止め扇子までいろんな小物を作っています。
工房長のメルビさんが素敵な面白い人なのです。
「あら~ リディアーヌ様じゃなーい!」
「こんにちはメルビ、今日はお願いがあって来たの」
私の目の前にいるのは、とても美しい紫の長い髪を1つに束ねて大理石のような滑らかな白い肌は女性よりキメが細かそうでその上ギリシャ神話から抜け出したような美しい顔と体を持った男性。
そう、メルビさんは美しい物をこよなく愛する、美男子なの。
「早速だけど、メルビこれ見てくれる?」
私は羽の入った箱を開けます。
「あら~素敵な羽、キレイ」
色とりどりの大小の羽が沢山入っていて、まるで虹のようです。
「わたし、この羽で髪飾りを作りたいのよ」
私は王都で流行っている髪飾りの話をして自分が作りたいものがあるから協力をしてほしいとお願いしました。
「素敵じゃな~い、ぜひ作りましょう、いくらでも手伝うわ」
「ありがとうメルビ」
その後私達は髪飾りのデザインを考えて、あーでもない、こーでもないと言い合っていると、あっという間に日が傾いて来ていました。
夢中になっていると、時間の経つのは早いですね。
「わあ、もうこんな時間、メルビごめんね話し込んじゃって」
「だいじょーぶ、楽しかったしね」
今日はもう戻ることにしました。
「じゃあメルビ決まった3点のデザインは進めてね。
試作が出来るとしたら、いつ頃?」
「そうね~余裕みて5日後ってとこかしら」
「分かったわ、じゃあ5日後にまた来るわね」
◇◇◇◇◇◇◇
夕闇が迫るなか、テッドとゆっくり歩いて家路につきました。
「ごめんね、私にはあっという間だったけど、テッドには長い時間だったでしょう?」
「大丈夫ですよ、こうなると思ってたから、こうして仕事を持ってきたし」
そう言って鞄を持ち上げて見せられました。
「え?
いつのまにテッドったら仕事なんてしてたの?
私テッドが何してたか全然見てなかったわ。
つい、デザイン考えるのに夢中で」
「お嬢さんらしいですね」
クスクス笑うテッド
「そうね、楽しかったもん」
頭使って、いっぱいしゃべって、興奮もしたし、疲れてる。
でも、凄く充実感に満たされていた。
少し火照った頬に風が心地よかった。




