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もしも、若いころの自分に何かアドバイスをするとしたら

掲載日:2021/08/03

喫茶店でモーニングを頼み、スマホで時間を確認する。

出勤1時間前には、会社の近くの喫茶店で過ごすのは、もう習慣になっている。


いい年をしてはいるが、独身であるので、無駄遣いに苦言を言われることはない。

朝食用に、パンを買っておいても、家においておくと、つい忘れて駄目にしてしまう。

朝ごはんは喫茶店で済ませる。

自分にとっては合理的なことだ。


ネットニュースを流し読みしながら、モーニングの卵を食べる。

塩分は控えるように、健康診断で言われたので、量は少なめだ。


無料のNEWSをみているので、画面の下には、広告がちらちらとアピールをしている。

年齢的な問題もあるのだろう。

広告欄には、毛生え薬とか、アンチエイジング関連がならぶ。

最近はAIで相手に適した広告を選んで表示するらしい。


もしも、若返ることができたら、何をしようかな。

意外と思いつかない。

今のまま若返ったとしても、同じ人生を歩みそうな気がするな。


できたら、若いころの自分にアドバイスをしたい。


若いころの自分は、貧乏で、馬鹿で、優しいだけが取り柄の人間だった。

今はどうなんだろう。

痛い思いをした分、多少は馬鹿がましになったように思う。


正直さも足りなかった。

自分の欲望をさらすことに、臆病だった。

良い人ぶって、随分損もした。


最初に付き合った女の子には、一度も好きだといえないままに、別れてしまった。

次に付き合った女の子は、どうだったかな。

もう思い出せないが、きっと似たようなものだったろうな。


まぁ無理なんだけどさ。

もしも、そんなことができると仮定してだ。

何か、アドバイスをするとしたら、なんて言おうか。


我ながらくだらない思い付きだと思うが、考えることが楽しい。

トーストを頬張りながら、思いを巡らす。


「あの日、あの子とは、最後まで行けたんじゃないか」


んー、違うな。

そういうことじゃない。


「なるたけ、体に負担が少ない仕事して、自分磨きをしなよ。できたら、資格とること。」


意外と良いアドバイスだと思うけれど、若いころの自分がきくかな。


若いころ、仕事は頑張っていたらいいと思っていた。

じっと様子を見たり、配慮や片づけをに注力なんてしなかった。

そもそも、一日の作業や会議に、作戦なんて考えもしてなかった。


「段取りや、片付けが大事なんだよ」


当時の先輩のアドバイスを理解したのは、随分後だったな。


時計を見ると、そろそろ出社の時間だ。

まだ、始業40分前ではある。

が、そのくらいに会社に行くと、今日の欠勤者の電話に出ることができる。

誰かがやらないといけないことだ。


返却のカウンターに食器を返すと、店員から声がかかる。

「ありがとうございました。いってらっしゃいませ。」


なんとなく、軽く会釈をして店を出る。

夏の日差しは、朝だというのに容赦がない。


まぶしさに目を細めたとき、一つ思いつく。

あぁ、これにしよう。


「人生は、本当に一回しかないから、好きなことをするように」



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― 新着の感想 ―
[良い点] 良い言葉だと思います。人生の無駄遣いはしないようにしたいです。
[一言] おかえりなさい。
[良い点] 色々自分も考えさせられました。 [一言] サラっと良い話でした。 ・・・なんて伝えるかな。
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