表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/14

狂科学者の伝え方

テーマ:バレンタイン


 マンションの自室に帰ると部屋の中にデカい箱があった。

 1畳程度の高さ。縦横は半畳程度。

 それが部屋のど真ん中に置いてある。


 ……またあの子の仕業か。


 スーツの上着を椅子にかけ、さてと向き合う。

 見た目はただの箱だ。金属製で押してみるとかなり軽い。

 どうやって運んだんだこれ。

 あの子のやる事は毎度よく分からんな。


 犯人は恐らく、隣に住むマッドサイエンティストの女の子。

 いつもよく分からない発明品を見せてくれる、少し変わった子だ。

 照れ屋で口実がないと話してくれないが。


 これもただの箱にしか見えないが、あの子の事だ。今回も仕掛けがあると思うんだが。


 ヒントは無いかと部屋を見回すとテーブルの上に1枚の紙。


『箱の中身はなんでしょう。フルネームで呼んでね☆』


 ヒントどころか答えが書いてあった。

 なるほど? 今回は小細工抜きなのか。


 あぁ、そうか。今日はバレンタインデーだ。

 つまり、チョコを渡しに来たのだろう。

 ふむ。あの子にしては珍しく直球勝負と来たか。

 また何か発明品を見せてくるかと思っていたが……


 それなら、こうしてみようか。


「箱の中身か。そうだな、俺の理想としてはまず、小柄で黒髪の女の子だな。細身の体型で、胸はそれほどなくて良い」


 カタリと箱が動いた。


「笑顔が魅力的で、実は家事能力が高くて、いつも俺の部屋を掃除してくれている。飯も美味い。特にシチューが最高だったな」


 カタカタと箱が動いた。


「いつも俺を見ていてくれて、発明品を見せてくれている様はとても愛らしい。可愛いさのあまり、自制出来なくなる日が来るんじゃないだろうかと思う」


 ガタン、と箱が跳ねた。


「もしこの部屋の中で二人きりになんてなってしまったら、欲望を抑えきれる気がしないな。困ったことだ」


 沈黙した箱に寄り添い、囁く。


「いっその事、美味しく頂いてしまうかな?」


 ゴトリと、箱が倒れた。

 きぃ、と箱が開く。


「いらっしゃい。こんばんは」

「……優しくお願いします」


 そう言った彼女の顔は耳まで赤かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ