表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/14

夏のある日に

テーマ:星空と二人


「今日さ。星を見に行かない?」


 8月に入った初日。彼女はいきなりそんな事を言い出した。

 小学生の宿題じゃあるまいし、なんでわざわざ星なんか見に行かなきゃならないのか。


「やだよ。面倒くさい」

「たまには付き合ってよ。今日だってこっちが買い物に付き合ってんだから」


 う。それを言われると弱いな。

 でもなぁ。星かぁ。まったく興味ないんだよなー。


「うーん……分かった。でも星の事なんてまったく分からないよ?」

「それでも良いよ。君と一緒に星をみたいだけだから」


 そっと両手でこちらの右手を包み込んだきた。

 ひんやりとした感触。でも、顔が熱くなっていくのが分かる。


 くっそ。ずるい。こんなの、断れる訳がない。


「……夜の九時。いつもの公園でいい?」

「うん。それでいいよ」


 それはもう嬉しそうに笑う。

 この笑顔を見れるんだから、星を見に行く程度、お易い御用だ。


「じゃあ、また夜にね」


 ひらひらと手を振って、軽い足取りで帰って行った。

 ……こっちも帰るか。



 家に帰って夕飯と風呂を済ませ、スマホで星のことを調べてみたりしていると、あっという間に約束の時間になった。


 自転車をこいでいつもの公園に向かうと、既にブランコに乗って空を見上げている不審者を発見。

 その隣のブランコに腰掛けて、同じように空を見上げる。


「ね。夏の大三角は分かる?」

「一応。ベガとデネブとアルタイルだっけ?」

「そう。ベガが織姫でアルタイルが彦星だね。天の川を挟んでるから一年に一度しか会えないんだよね」

「あー。あれ、きっつい話だよなー」


 よく覚えてないけど、イチャイチャしすぎて仕事しなくなったから会えなくなったんだっけか。

 自業自得と言ってしまえばそれまでなんだけどさ。


「私たちはいつでも会えるから。良かったなって思う」


 何気に毎日会ってるし。ずっとイチャついてる訳じゃないけど、織姫と彦星みたいだな。


「まぁでも、私らの場合は2人とも織姫だけどなー」


 隣で笑う彼女を見て、私も笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ