触手とは何か
※本図鑑の内容はすべて科学に基づいたフィクションになります。
触手とは、何だろうか。
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しょく-しゅ【触手】
<広辞苑>
各種の無脊椎動物の、主に口の付近にある、細長くて活発に運動する突起。先端に感覚細胞が多く、いろいろな刺激を感受し、食物を捕らえる用を兼ねる。ウズムシ・イソギンチャク・ゴカイ・ナマコなどに見られる。
<大辞林>
下等動物の体の前端や口の周囲にある,伸縮自在の突起状の器官。触覚・味覚などの感覚器官としてはたらくほか,捕食機能をもつこともある。クラゲ・イソギンチャクでは刺胞をもつ。
<大辞泉>
無脊椎動物の口の周囲にある小突起。感覚細胞が多く分布し、触覚や捕食の働きをする。
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以上より、触手は、
・無脊椎動物がもつ突起
・口の周囲にあることが多い
・感覚器官としてはたらく
・捕食機能を持つこともある
・刺胞があることがある
だいたいこれくらいの働きがあることになる。
しかしながらこれらの情報がすべてではないことを我々は知っている。
神奈川沖浪裏含む富嶽三十六景などで知られる、かの有名な葛飾北斎…こと鉄棒ぬらぬらが描いた、「蛸と海女」という絵をご存じだろうか。
「蛸と海女」というタイトルは通称であるが、おそらく誰でも一度は偶然、あるいは必然的に目にしたことがあるだろう。
絵の内容としては、海女とみられる女性が2匹の蛸に捕らえられ、性的快楽を受けるさまが描かれている。
小さな蛸に接吻され、大きな蛸にクンニリングスされている。
背景には海女の嬌声や局部からでる悩ましい音等がびっしりと書き込まれている。
まるで道端で拾ったエロ本を共有するかのように、仲間内で読み上げあい「なんじゃこりゃあ」と衝撃を受けた青春時代、思えばあのころから歯車が狂っていたのかもしれない。
閑話休題。
当時はおそらく非常にアヴァンギャルドな絵画という扱いを受けていたと考える。
現代においては過去のキワモノすけべ絵画という立ち位置だろうか。
真面目腐って触手の定義を述べてみたものの、本来私が言及したい触手はそれではない。
さて、触手は触手でも、
やわらかく、
しなやかに蠢き、
絡みつき、
吸い付く、
好色なしょく-しゅ【触手】の話をしていこう。