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  作者: 東郷十三
42/46

42、”思い”出

「‟他人‟か。僕はそんな風には思ったことはないけどな。」

「あなた的にはそうでも、私はあなたによそよそしさを感じてる。いつも自分は遠慮して、こちらのご機嫌を窺ってるみたいな。」

「そんなつもりは毛頭ないよ。機嫌なんて取ってないし、気を使って遠慮したりなんかしない。」

「ほんとにそう?」

「疑り深いなあ。ほんとだって。ただ、昔話、いや僕の小さい頃の話を避けてたのは認める。そのころは嫌なことばかりあって、なんか思い出すことすら苦痛というかできればひとまとめにして隠しておきたいという…」

「ずっと隠し続けたって忘れることはないし、その思い出の苦しさは和らがない。いっそのこと誰かに、いえ、私に話してくれれば少しは心が軽くなる。 それにいい思い出だってあるでしょう?きっと話したいはず。心配しないで。 あなたの話がどんなものでも、そのことであなたに対する思いが変わることなんて絶対にないから。」

西の空、うっすらとしたオレンジ色を背に山のシルエットが浮かび上がっている。いつもより早めに灯されたライトは、時折民家を照らしだす。しかしその周りにも家があるのか、それとも一軒家なのか、あるいはその奥が山なのか畑なのかなどは、陽が隠れてしまった今はわからない。


 緋乃の言わんとすることはつまり、私の心の中に陽を当てたいということなのだろう。


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