参 暗い森
ゴトトトン、ゴトトトン、ゴトトトン、ゴトトトン、ゴトトトン、
ガタッ、ガタッ、ガタッ、シュゥッ、ガタッ、ガタッ、
ガッタン、ガッタン、ガッタン、ポォッ、ガッタン、ガッタン、
キィィィー、ガッ、タッ、シュゥゥゥー。
汽車が駅に着いた。
大きな紅い上弦の月が、見おろしているかの如く。
駅の周りは灯りがなく暗い。
靑は武雄に渡された地図を取り出した。
「えーと。・・・・・・この森を真っ直ぐって、無理ですよぉ。」
目の前の真っ暗な森は風でガサガサと、嫌な音を立てている。
「大丈夫、何とかなるよ~。」
トルーディーは靑の左手をぎゅっと握る。
「でもぉ。うぅー。」
靑は今にも泣き出しそうだ。
それを見たトルーディーは靑をむぎゅっとだきしめた。
「ふえぇ? とっ、とるでぃー・・・・・・さん?」
ビクッと肩を震わせ、トルーディーに顔を向ける。
「大丈夫! ワタシがハルを守るからっ。命に替えても守るからっ。だから・・・・・・安心して。」
トルーディーの顔は隠れて見えない。
何をやってるんですか、ボクは。
トルディーさんに迷惑かけて・・・・・・。
「そうですね、此処に居るよりサッサと行った方が良いですよね。気を使わせてごめんなさいです。」
「いや、まぁ、うんっ・・・そう、サッサと行った方が良いよ~。」
トルーディーと靑は手を繋いで、森の中に入って行った。
「ん? そう言えば、トルディーさんもこっちの方に用事があるですか?」
靑はずっとつ付いて来るトルディーを不思議がった。
「え? う~ん、まぁ、そんな感じだね。」
靑の質問をトルーディーは濁らせる。
「そうなのですか? 今日は本当にありがとうです。本当、迷惑をかけてしまい・・・・・・。」
靑が申し訳なさそうに下を向く。
「大丈夫! 迷惑なんかじゃないよ。大丈夫だよ。こんな暗い道、誰だって怖いよ。」
トルーディーは靑に優しく微笑んだ。
「トルディーさんも?」
「・・・・・・ハルが居なかったら、ワタシだって無理だよ。」
そう言って左手で靑の頭をくしゃっと撫でた。
「えへへっ! 頭撫でられたの何時ぶりですかね!」
靑は右手で自分の頭を撫でながらトルーディーに満面の笑みを向ける。
「あっ。トルディーさん、見えたです!」
靑はパタパタと駆けて往く。
大きな門の小さな看板には『遠果村』と書かれてある。
「・・・・・・本当、変わってないなぁ。」
トルーディーは靑の背中に微笑みながら、呟いた。




