まさか キミがあの人だったんなんて気づかなかったよ・・・
「さくちゃんいってらっしゃい」
「そらくんもいってらっしゃい!」
さくちゃんとは私 阿須田桜のこと。そら君とはチャットで知り合った。
知ってるのは年齢だけ どこに住んでるかもも本当の名前も知らない お友達のこと。同じ高校生なんだって。そら君だって 私のことは知らないから 何でも相談できる。恋の相談とかね。
そんな君が まさか貴方様だったとは 全然気づかなかったよ・・・
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学校につき 自分の席につく。
「桜!!おっはよー!」
と 真っ先に飛びついてきたのは 私の小6からの親友。鈴木春奈。通称ハルちゃん
「ハルちゃんおはよー!」
「今日テストだよん♪」
「え”?」
「どうせチャットの子とずっとしゃべってたんじゃないの~?」
「まぁそうだけど・・・まったく勉強してない~・・・」
そらくんと ずっとチャットしていて 気づけば午前3時で急いで寝たって感じで・・・
「あ!桜 来たんじゃない?」
ハルちゃんのその言葉で『キャァァァァァ!!』という 女子たちの黄色い歓声が響いた。
歓声の先には 学校のアイドルと言っても過言ではない 超かっこいい男子生徒がいた。
彼の名前は 中野結心。私の好きな人だったりします・・・
でも彼は1組。私は4組。一番離れていて 彼はきっと私のことなんて知らない。
「桜も行ってきなよ!」
「いいよ・・・」
まあいいんです 眺めているだけで
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いつも通り ただ窓の外の空を眺めてるだけの授業を終え 昼休みだ。
ハルちゃんと中庭でお昼を食べていた。そこに お友達と一緒に歩いている中野くんが通った。
私は思わず見入ってしまい 持っていたパンをスカートのところにHIT。
ブレザーはイチゴジャムだらけとなってしまった。
「最悪!!」
「あーあ しょうがない 洗って来い!」
と言われ 私は水道まで走った。
「最悪だよ!もぉ!」
と スカートの汚れた部分を 軽く水で流した。
ピロリン♪
携帯が鳴った。携帯を見ると『チャット1件』と文字が。みると
「今さくちゃん昼休み?」
「そうだよ!だけど イチゴジャムでスカート汚した!最悪!」
「あはは!残念!」
「ヒドイ!全然取れない!緑のスカートだから目立つ!なんかハート形みたいになっちゃったし・・・」
「いいじゃん!俺そろそろ昼休み終わったから行くわ!あとでね」
「私もそろそろだ!あとでねー!」
私はそこで携帯を閉じ ハートのイチゴジャムの染みが残ったまま ハルちゃんのもとへ戻った
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あの後 すぐに教室へ戻り そのまま授業を受けた。そしてHRも終わった。
「ぁ!」
私は 放課後委員会があったことを思いだし ハルちゃんにあやまり 急いで会議に出た。
文化祭についてか・・・いろいろ説明が終わり やっと会議が終わった。
教室に戻ると やっぱり誰もいない・・・ハズだった。でもそこには 私の席に座った
学校のアイドルがいた。
「え!?」
というと 彼はこっちに振り向いた。そして私の目の前まで来た。そして
「君さぁ・・・さくちゃんでしょ?」
と言った。『さくちゃん』と呼んでるのはそらくんだけ。ってことはまさかのまさか・・・
「そら・・・くん?」
恐る恐る聞いてみた。
「あはは!そう そらくんだよ」
と 笑いながら言った。ということは 私は今まで好きな人に好きな人の相談をしていたということ。
「俺ね ずっとさくちゃんのこと好きだったよ?」
え・・・?耳を疑うってこういうこと言うのかな・・・
「聞かせて?さくちゃんは?」
それはもちろん
「私も・・・そら君が好きです・・・!」
あんなにも遠かったのに こんなにも近くにいるなんて ≪Destini-運命-≫というのかな?