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遠いようで近かった君  作者: 五十嵐緋華梨
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まさか キミがあの人だったんなんて気づかなかったよ・・・

「さくちゃんいってらっしゃい」

「そらくんもいってらっしゃい!」

さくちゃんとは私 阿須田桜あすださくらのこと。そら君とはチャットで知り合った。

知ってるのは年齢だけ どこに住んでるかもも本当の名前も知らない お友達のこと。同じ高校生なんだって。そら君だって 私のことは知らないから 何でも相談できる。恋の相談とかね。

そんな君が まさか貴方様だったとは 全然気づかなかったよ・・・


**********


学校につき 自分の席につく。

「桜!!おっはよー!」

と 真っ先に飛びついてきたのは 私の小6からの親友。鈴木春奈。通称ハルちゃん

「ハルちゃんおはよー!」

「今日テストだよん♪」

「え”?」

「どうせチャットの子とずっとしゃべってたんじゃないの~?」

「まぁそうだけど・・・まったく勉強してない~・・・」

そらくんと ずっとチャットしていて 気づけば午前3時で急いで寝たって感じで・・・

「あ!桜 来たんじゃない?」

ハルちゃんのその言葉で『キャァァァァァ!!』という 女子たちの黄色い歓声が響いた。

歓声の先には 学校のアイドルと言っても過言ではない 超かっこいい男子生徒がいた。

彼の名前は 中野結心なかのゆうしん。私の好きな人だったりします・・・

でも彼は1組。私は4組。一番離れていて 彼はきっと私のことなんて知らない。

「桜も行ってきなよ!」

「いいよ・・・」

まあいいんです 眺めているだけで


**********


いつも通り ただ窓の外の空を眺めてるだけの授業を終え 昼休みだ。

ハルちゃんと中庭でお昼を食べていた。そこに お友達と一緒に歩いている中野くんが通った。

私は思わず見入ってしまい 持っていたパンをスカートのところにHIT。

ブレザーはイチゴジャムだらけとなってしまった。

「最悪!!」

「あーあ しょうがない 洗って来い!」

と言われ 私は水道まで走った。


「最悪だよ!もぉ!」

と スカートの汚れた部分を 軽く水で流した。

ピロリン♪

携帯が鳴った。携帯を見ると『チャット1件』と文字が。みると

「今さくちゃん昼休み?」

「そうだよ!だけど イチゴジャムでスカート汚した!最悪!」

「あはは!残念!」

「ヒドイ!全然取れない!緑のスカートだから目立つ!なんかハート形みたいになっちゃったし・・・」

「いいじゃん!俺そろそろ昼休み終わったから行くわ!あとでね」

「私もそろそろだ!あとでねー!」

私はそこで携帯を閉じ ハートのイチゴジャムの染みが残ったまま ハルちゃんのもとへ戻った


**********


あの後 すぐに教室へ戻り そのまま授業を受けた。そしてHRも終わった。

「ぁ!」

私は 放課後委員会があったことを思いだし ハルちゃんにあやまり 急いで会議に出た。

文化祭についてか・・・いろいろ説明が終わり やっと会議が終わった。

教室に戻ると やっぱり誰もいない・・・ハズだった。でもそこには 私の席に座った

学校のアイドルがいた。

「え!?」

というと 彼はこっちに振り向いた。そして私の目の前まで来た。そして

「君さぁ・・・さくちゃんでしょ?」

と言った。『さくちゃん』と呼んでるのはそらくんだけ。ってことはまさかのまさか・・・

「そら・・・くん?」

恐る恐る聞いてみた。

「あはは!そう そらくんだよ」

と 笑いながら言った。ということは 私は今まで好きな人に好きな人の相談をしていたということ。

「俺ね ずっとさくちゃんのこと好きだったよ?」

え・・・?耳を疑うってこういうこと言うのかな・・・

「聞かせて?さくちゃんは?」

それはもちろん

「私も・・・そら君が好きです・・・!」

あんなにも遠かったのに こんなにも近くにいるなんて ≪Destini-運命-≫というのかな?

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