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プロローグ
×××Side
ギルドの依頼を受け、達成目標を探していた一人の少女は森の中で迷っていた。少女は歩くのもやっとのことで、疲れ切っている様子だ。5日も歩いていたら当たり前だ。むしろよくここまで生きていけたのは凄い。
少女は疲れ切って、よろけながらも微かにある音を捉えることができた。
(水の………音。)
少女は水の音がする方に歩き出す。しばらく歩くと湖があった。水は透き通り、ゴミ一つない。あるのは、いや、いるのは一人の少年。その少年の身体は傷だらけだ。傷だらけと言ってもかなりの量ではない。だが、それでも痛々しいほどだ。その傷の下には少し痣みたいなのが見える。
少女は疲れ切っていて、少年の顔をはっきりと見ることが出来ない。
「ん?君は、————さん?」
少年は少女の名前を確認した。だが、少女はその質問に答えるなく地面に倒れた。人と遭遇して安心したのか。はたまた、体力が完全に切れたのか。いや、両方だろう。
倒れた少女に少年は慌てて駆け寄る。
「とにかく師匠呼ばないと。」
そこで少女の意識は無くなった。