闘いの後
「ん…ぅん……」
目覚めると、僕は見知らぬ部屋のベッドにいた。
部屋は見るかぎりすごく豪華。
僕の泊まっている宿とは似ても似つかない。
「あ、目が覚めた?」
薺が近くの一室から出てきた。
手には料理を乗せた皿があった。
「君、あれから一週間も目覚めないんだもの。正直、ちょっとやばかったかな、とか思っちゃったじゃないの。」
あれから、というのは僕と薺が闘った日の事からだろう。
にしても、そんな気が全くしない。まるで時間をブッ飛ばしたかのように。
「それで……ここは?」
「私の借り宿。というか、シオンが昔に住んでた所。彼、今は傭兵所でいているから。」
……もしかして、シオンってものすごく金持ちだったりするのか?こんな豪華な家を持っているなんて。
「あの……。シオンって一体何者なんですか……?」
聞いてみた。
「ん〜、詳しいことは言わないように口止めされているんだけど、彼は実は貴族の出なんだよね。そんな風には見えないけど。」
「ハハッ、確かにそうですね。」
僕はなんだかおかしくて笑った。
「……!」
「? どうしたんですか?」
見ると彼女は驚いたように僕を見ていた。
「いや……。君がそんな風に笑うなんて思ってなかったから……」
「ムッ。失礼な。」
少しの静寂の後、僕と薺は大笑いした。
「うん、元気そうね。……あ、そうだ。今度シオンに会いに行きなさい。何か聞きたがっていたでしょ、君?アイツを説得しておいてあげるから。」
「あ、ありがとうございます……」
まさか、こんな事を言ってくるとは思わなかったので返事がだいぶぎこちなくなった。
「んじゃ、私はちょっとヤボ用があるからさ。昼食はそこに置いておくから。といっても私の食べ残しみたいになっちやったけど。」
彼女は料理を超速で半分食い、バタバタしながらドアに向かった。
「あ!ちょっと……」
時すでに遅し。彼女は外へと出ていってしまった。
「色々と聞こうと思ったんだけど……ま、いいか。」
身体が完治すれば、シオンに話を聞けるんだし、今はじっくりと身体を治す事に専念しよう。
実際、身体が完治したのは予想よりもはるかに早い、一週間後の事だったのだが。
最近、魔法学園アヴィリオンをやり始めました!ロークという名のミスティックなので、やっている人は連れていってください!レベルすげー低いですけど(汗