→目覚め→説明
「……」
起きた所は、何処かの部屋のベッドの上だった。また、気を失っていたのだ。
「……ねえ、<アルター>?」
『なんだい?』
「君はずっと起きてたの?」
『もしかして、僕が君の体を勝手に使うと思った?』
「……多少。」
『あ、ヒドイなー。でも安心して。僕にはそんな事はできないから。』
「ふーん……。じゃ、あれは何?」
僕が寝るベッドのそばにあるテーブル。
その上には果物の入ったカゴと、果物の皮や芯が。
「……食べただろ?」
『やだなー。そんな事……あるけど。』
「ハァ……。これじゃ、うかうか寝てられないな。気をつけよう。」
『しょうがないじゃんか。
お腹すいてたんだし。』<アルター>はすねるように言った。
「全く……。ん?」
呆れていると、コンコンというドアを叩く音が聞こえた。部屋のドアが開く。
「大丈夫か、リア!?」
慌てた様子でシオンが入ってくる。『あ、シオンさんだ。』
「ちょっと待って!何で君がシオンの事を知ってるの!?」
「オ、オイ!急に誰と話してるんだ!?」
「あ……!」
『知〜らないっと。
』<アルター>はまるで狙っていたような物言いだった。
「な、何でもないよ。」
僕は誤魔化した。
疑いの目がまだ残っていたが、何とかなったみたいだ。
……本当かな?(で、何でシオンの事を知ってるの?)『君の知っている事は全部知ってるよ。
今まで君の中にいたんだから。
』(……!?ていう事は……!)『そう。
君がジークを……』(わ〜!それ以上は言うなぁ!!)僕は少しパニくった。
全部知ってるって事は、僕のあんな事やこんな事まで……『そ♪君が人に言えないような事まで知ってるよ。』
「うわぁ〜!このバカぁ〜!!」
暴れた、暴れた、暴れた。
座っていた椅子を吹き飛ばし、果物をヤケ食いし、ベットにダイブした。
「ど、どうした!?」
シオンが心配して僕に寄ってきた。
「なんか今日のお前変だぞ!?何処かで頭を打ったのか?」
「うぅ〜。シオン〜。」
ああ……僕はもう終わりだ……。
これじゃ、僕の恥ずかしい事が世の中に……
『大丈夫だよ。
ちょっと動揺しすぎ、リア。僕は誰にも言わない……ってか言えないから。』
(信用できないな……)
『あ、そんな事を言うんだ。なら言っちゃうよ?僕は本当は……』
(言えるんじゃないか!?)
まあ、しばらく僕と<アルター>の口論(?)は続いたのだけども。
その間、シオンは変なモノを見るようにこっちを見ていたような気がする。
「入りますぞ。リア殿。」
コンコンとドアの叩く音が鳴る。この声は確かオロドだ。
「どうぞ。」
ドアが開き、そこからオロドが……と思ったら、オロドだけでなくガロン、それにフォルテ、知らない女の人もいた。
「リアさん……でしたね?」
「は、はい。そうですけど、あなたは……?」
「私はキセラと言います。シオンと一緒に私を探しに来てくれたんでしたね?ありがとうございます。」
「い、いえ!僕は何もしていないですよ。礼ならシオンに言って下さい。」
「もう俺は言われたよ。」
隣にいるシオンが、そう言った。
「……リア、どうやら元気そうだな。何よりだ。」
フォルテが僕の方に歩いてきた。
僕が腰掛けているベッドの上に飛び乗り、僕にその鼻を寄せる。
「フ、フォルテ!?」
ちょっとくすぐったい。
フォルテはクンクンと匂いを嗅いでくる。
こうしているフォルテが、なんか犬みたいで可愛いなぁ〜とか思う。
ギュッとしたらフカフカで気持ちいいんだろうなぁ〜
「……やはり。」
フォルテが一言、小さくそうつぶやいた。
フォルテを見てぽわーとしていた僕は、それにちょっと驚く。
「汝からは、今までに匂ったことのない匂いがする。確かに人の匂いはするが、それとは別に人とも、魔族とも、獣人とも、ましてや竜の匂いでもない。あの姿を見た時に思ったが、汝は一体……」
「そうじゃ。リア殿、オヌシは一体……」
フォルテが、オロドが聞いてくる。
シオンやキセラさんまでもが無言でこちらを向いていた。
『リア……』
「そうだね。みんな、今から全てを話す。僕が過去にジークと会う前の事。そして、僕の中にいる<アルター>の事……!」
『後者の方は僕が話すよ。君にも言わなきゃならない事があるからね。』
(頼んだよ、<アルター>。)
『頼まれた!』
みんなが、僕の方を見る。
聞く態勢になっているようだ。僕も話す態勢に入る。
「それじゃあ先ず、過去にあった事を話すよ。僕は……」
腹痛い〜。ハイ、蒼月朱空の後書きタイムです。この後書きを書いている今日は始業式の早朝です。宿題終わってません。つーか宿題が何かわかりません。載っている紙が無いんです。更には課題さえ終わってません。絶体絶命です。今日あたり死ぬかも。いや、キツイよ?ダブるかもよ?半端ないよ?だが、やってしまうのが人間さ!小説を書くのが俺の初期衝動さ!自分でバカだと認識してるあたり、どうなんだろう?……こんなバカな後書きでも楽しんでもらえると、コーエイです。