運命の出会い ~私と『彼』の奮闘記~(前編)
完全に話の内容を変えました。前upされていた内容は全てなかったことにしてくださるとありがたいです。それでは、金蘭学園高等学校1年、加藤香澄ちゃんの物語のはじまり、はじまり~
一目ボレってあると思いますか?
友達がよく「私○○君に一目ボレしちゃった!」なんて話をしていたのを聞いていたけれど、内心でずっと疑問に思っていました。
両親は「父さん達は運命に導かれ、数々の障害をはねのけて結婚したんだ!!」と耳にタコができるくらい話してくれましたがとても信じられません。
『一目ボレ』や『運命』なんて、本当にあるんでしょうか。そんなモノが本当にあるのだったらこの世の中に『浮気』や『離婚』なんて単語は出てこないと思います。ちなみに英語で『浮気』は『extramarital sex』、『離婚』は『divorce』というそうです。
つまり、何が言いたいかというと日本以外にもこの意味の言葉があるということです。これは言い換えれば『一目ボレ』も『運命』も所詮人間が作った幻想でしかない、ということになります。よって、この世の中にはそんな夢物語のようなものは存在しないのです。存在しないはずなのです。
そう思っていました。あの人に出会うまでは・・・
◆◆◆
「カスミー、みんなと一緒にケーキ食べに行かない?」
ホームルームが終了し、帰り支度をしていた私に声をかけてくれたのは相沢恵実ちゃんでした。
恵実ちゃんはすっごくいい人なのです。入学してまだお友達ができず、一人でお弁当を食べていたとき「ねぇ、私たちと一緒に食べない?」と誘ってくれたのです。おかげで、そんなに苦労することなくお友達がたくさんできました。こんなに楽しく学校生活が送れるのも恵実ちゃんのおかげです。
そんな恵実ちゃんのお誘い・・・いつもは断らずむしろ喜んでついて行くのですが、残念ながら今日は少し用事があるので無理です。
「ごめんなさい。今日はこの近くのペットショップに行って犬を買いに行くので無理なんです。」
「ああ、そういえばそんなことを言ってたね。念願のマイホームに念願の犬との生活・・・だっけ。」
そう、今まではマンション(しかもペット禁止)で暮らしていたのですが、私の高校入学を期に両親が(中古の)家を買ったのです。マイホームなので犬を何匹飼おうが問題なし!ということで、先日の家族会議で犬を飼うことに決まりました。
そして今日は先日両親と話し合って決めた犬を買いに行く日なのです。
「ま、それなら仕方がないか。その代わり、買った犬の写真撮ってきてよ。」
「うん、了解しました。」
私は恵実ちゃん達と別れると学校から徒歩15分程度の距離にあるペットショップに向かって歩き始めました。
(わんちゃん、わんちゃん、楽しみだなぁ~)
私には兄弟が居ません。まぁ、兄のような存在の1学年上の従兄は居ますが・・・
両親は共働きのため、学校から帰ってきても家には誰もおらず、寂しい思いをしたことが何度かありました。
時々、従兄が遊びに来ては私の面倒を見てくれましたが、それでもやはり寂しい思いは消えません。
でも、今日からは違います。なんて言っても家族が増えるのです!もう、寂しくなんてありません。
楽しみだなぁ。
私の足は自然と早歩きなり、通常より早く目的のペットショップに着きました。
どきどきしながらドアノブに手をかけ、ドアを開けて中に入ります。
「こんにちわ。この間来た加藤ですけど・・・」
この時、私はまだ気づいていなかったのです。運命と出会うことを・・・
後編も近日中にupできたらします。