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一目ボレ ~オレと『彼女』の奮闘記~  作者: 亜里沙
番外編2~『ボク』と『あいつ』の戦闘日記~
33/39

ボクの女神の優鬱 中編


 次の日、散歩から戻る途中、嫌なにおいを感じ取り、家に帰りたくなかった。

「どうしたの?早く帰るよ。」

 ご主人様に急かされ、歩き出す。けぢ、嫌な臭いは家に近づくほど濃く香ってきた。


「わんわん、きゃーいん!!」


 ボクは必死にご主人様を止めようとする。だが、まだ子供なボクではご主人様の力に勝てるはずもなく、家に着いてしまった。

 そして、見つけてしまったのだ。玄関の前で怪しげな動きをした男を・・・・

「あ、小杉さん。」

 ビク!と変態の体が震えた。む?なんか、ご主人様、嬉しそうな顔をしてませんか?

 むーん、許せん!変態の分際で性懲りもなく再びご主人様の家にやってこようとは!

 いい加減思い知らせてやる!


 ボクは奴のお尻に照準を合わせ・・・・


がぶり


「○×△□*$%&!」

 ふん!自業自得だ。だのにご主人様は焦った様子で変態に近づき・・・

「ご、ごめんなさい!」

 なんと!今にも土下座をせんばかりに謝ったのだ。それが気に食わなくてさらに深く噛みつく。

「ぎゃふぁ!」


 だけどそれが逆効果だったらしい。ご主人様はこいつを家の中に入れ、ボクの説得にかかった。

 だが、何を言われようが離れなかった。ここで離れたらボクはこの変態に負けたことになる!

 どれくらい時間がたっただろうか。

 なかなか離れ無いことに焦れてきたのか、ご主人様の口からとんでもない言葉が出てきた。


「ジョンは私のこと嫌いなのね。だったら、その人と一緒に帰りなさい。」


 冗談じゃない!ボクの居場所はご主人様の傍です。こんな変態となんて一秒たりとも一緒にいたくない!!

 ボクは慌てて変態から離れ、ご主人様の所に飛びつく。

 そして、数瞬後。


「認めんぞーーーーーーーーーーーー」


 また、奴は意味不明なことを叫びながら出て行った。

「あ、待って・・・・・・・・・はぁ。」

 ご主人様はしばらくの間、あいつが出て行った方を見つめ、肩を落とした。





少し長いのでやっぱり3つに分けました。次回で最終話になります。

もうしばらくお付き合いお願いします。

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