ボクの女神の優鬱 中編
次の日、散歩から戻る途中、嫌なにおいを感じ取り、家に帰りたくなかった。
「どうしたの?早く帰るよ。」
ご主人様に急かされ、歩き出す。けぢ、嫌な臭いは家に近づくほど濃く香ってきた。
「わんわん、きゃーいん!!」
ボクは必死にご主人様を止めようとする。だが、まだ子供なボクではご主人様の力に勝てるはずもなく、家に着いてしまった。
そして、見つけてしまったのだ。玄関の前で怪しげな動きをした男を・・・・
「あ、小杉さん。」
ビク!と変態の体が震えた。む?なんか、ご主人様、嬉しそうな顔をしてませんか?
むーん、許せん!変態の分際で性懲りもなく再びご主人様の家にやってこようとは!
いい加減思い知らせてやる!
ボクは奴のお尻に照準を合わせ・・・・
がぶり
「○×△□*$%&!」
ふん!自業自得だ。だのにご主人様は焦った様子で変態に近づき・・・
「ご、ごめんなさい!」
なんと!今にも土下座をせんばかりに謝ったのだ。それが気に食わなくてさらに深く噛みつく。
「ぎゃふぁ!」
だけどそれが逆効果だったらしい。ご主人様はこいつを家の中に入れ、ボクの説得にかかった。
だが、何を言われようが離れなかった。ここで離れたらボクはこの変態に負けたことになる!
どれくらい時間がたっただろうか。
なかなか離れ無いことに焦れてきたのか、ご主人様の口からとんでもない言葉が出てきた。
「ジョンは私のこと嫌いなのね。だったら、その人と一緒に帰りなさい。」
冗談じゃない!ボクの居場所はご主人様の傍です。こんな変態となんて一秒たりとも一緒にいたくない!!
ボクは慌てて変態から離れ、ご主人様の所に飛びつく。
そして、数瞬後。
「認めんぞーーーーーーーーーーーー」
また、奴は意味不明なことを叫びながら出て行った。
「あ、待って・・・・・・・・・はぁ。」
ご主人様はしばらくの間、あいつが出て行った方を見つめ、肩を落とした。
少し長いのでやっぱり3つに分けました。次回で最終話になります。
もうしばらくお付き合いお願いします。