ボクの女神の優鬱 前編
それからはもうひたすら幸せな日々だった。
毎日のように女神に抱きしめてもらえるし、一緒に散歩に行ける。
これを幸せといわずに何を幸せというのか!
ただ一つ気にかかる点があるとしたら、それは我が女神ことご主人様の憂いを帯びた顔だ。
一体、何を悩んでいるのだろうか。ご主人様に一番近いボクにも相談できないことなの?
何とかして彼女を元気づけさせたい!
そこで、散歩途中、ぺろぺろと彼女の顔を舐める。
「あはは!くすぐったいよ、ジョン。」
楽しそうに笑うご主人様に満足していると…
「ジョ、ジョセフィーヌ!」
なんか、嫌な予感がする・・・・
恐る恐る声のした方を見る。動物の勘はよく当たる。
恐れていた通り、変態が、こっちに向かって飛んでくる。
このままではボクとご主人様の幸せな時間が壊される!そんな危機感を抱いた。
そこで、「わぉーん」と奴の元に向かう。そして、奴の右手に狙いを定め・・・・
ガブリ
「○×△□!」
ふん!何人たりとも、ボクとご主人様との時間は邪魔させないんだから。
だけど、この後このことを後悔することになる。
ボクがこんなことをしなければ、あんなことにはならなかった。いや、もっと優しく噛めば良かったんだ。そしたら、ご主人様が、当然の報いを受けて怪我をした変態を家にまで連れてこなかっただろうに…でも、
「認めんぞーーーーーーーーーーーーーーー」
ご主人様がお茶を用意した終わった時、変態は突然訳の分らないことを叫びながら出て行った。
一体何をどういう流れになったらそんな言葉が出てきたのだろう?ご主人様は普通に手当てをしてあげて、普通にお茶を出していただけなのに。
「あ・・・」
後に残されたご主人様は悲しそうに肩を落としていた。
後編(もしくは中編)に続く!