女神との邂逅
あの変態はあれから毎日のようにペットショップに来ては、ボクを撫でまわす。
学校帰りだそうで、いつも制服とかいうのを着ていた。
はっきり言って鬱陶しい。いや、そんな言葉じゃ表現できないほどうざったい。
一応、毎回毎回、飽きもせず愛撫してくるあいつに、噛みついてやるのだ・・・・・一向に懲りない。
そんな毎日にいい加減、疲れてきた。
しかし、それを癒す存在が現れたのだ!
今でも覚えている。雲ひとつ無い、青い空。女神は現れた。
彼女は『学生』だそうで、制服を着ていた。
ボクを見つけ、店主の許可を得ると、恐る恐る頭を撫でてくれた。
その時ボクは彼女の香に感動した。
ああ、ほんと、なんていい匂いがするんだろう。あの変態とは大違いだ。甘くて、滑らかで、もっと嗅いでいたい気分にさせられる。
やがて、その手が離れ、物足りない気持ちになり、クーンと甘えるように鳴く。
それに対し、彼女は優しく、もうそれは天使のような笑みを送ってくれる。
そして「またね」と言って、出て行ってしまった。
『またね』ってことはまた来てくれるのだろうか?それは、明日?それとも明後日?期待に胸を膨らませながら、彼女の匂いを思い出していた。ああ、幸せだ。
だけど、その幸せは長く続かなかった。
「会いたかったぜ!ジョセフィーヌ!」
またあいつが現れ、抱きしめてきた。
ふざけんなよ!あの子の匂いが消えちゃうじゃないか!
ボクは、包帯が巻かれている右手に向かって全身全霊をかけて…
ガブリ
「○☆×§ΘΣ・・・・・」
ふん!許可なく触ってくるからだ。ボクに触っていいのはあの女神だけ…
それから何度か彼女は会いに来てくれた。
そしてついに、彼女に飼われることが決まったのだ。
今でもあの時の喜びを覚えている。
でも、あの時のボクは知らなかった。
それがボクの愛する女神と変態を出会わせるきっかけになるということを。