はじめて知る自分 その2
「と、捺矢君?」
突然のことに驚き焦った顔で香澄ちゃんがオレを見る。
そんな彼女が可愛くてオレは笑いながらそっと彼女を降ろす。もちろん、自分の腕は彼女の腰に回したままで。
「捺矢君は本当にずるいです。いつもいつも私の顔が赤くなるようなことを言って・・・・」
そのまま、香澄ちゃんは再びオレの胸の中に顔をうずめてきた。
うわぁー、やべー昇天しそう・・・もう一生このままでいいわ。
でも、そろそろ我慢の限界が・・・
「香澄ちゃん・・・」
自分でも驚くほど熱を含んだ声。香澄ちゃんはゆっくりと顔を上げオレを見つめる。
その顔はまだほんのりと赤く染まっている。
オレが何をしようと思っているのかわかったのだろう。彼女は恥ずかしそうに目を閉じた。
オレもそっと目を閉じ、彼女の甘いぬくもりに触れようとした。
がぶり
がぶり?なんか左足が痛いんですが・・・・・
嫌な予感がして、そろそろと目をやると・・・・は、は、は!嫌な予感って当たるんだなぁ。
ああ、愛してる。愛してるよ、ジョセフィーヌ。え?嘘だろって?そんなことないさ!オレは嘘なんて付かない。そう、とりあえず『ふざけんじゃねぇ―よ、てめぇーーー!!殺すぞ!』てな具合には愛してるさ。
「ジョン!」
様子がおかしいことに気付いたのか、香澄ちゃんは目を開け、オレとジョンを見ると顔を真っ青にして怒鳴った。
本日2回目。出会ったときからもう何度目になるだろうか?
というか、お前、さっきまで木の下にいたはずだろ!!どうやって紐をちぎってきたんだよ。
「ジョン!離れなさい。」
再び香澄ちゃんに怒られ、奴は耳を垂れ下げどこかしょんぼりしながらオレから離れる。
おお!昔に比べてだいぶ素直になったじゃないか。
がぶり
へ?・・・・・前言撤回。テメェ!いい加減にしろよ。何で今度は右足なんだよ!さっきも噛んだじゃないかよ!
くそ!さすがに今度は我慢できねぇぞ。いつも以上に痛い・・・
オレは涙をこらえながら点を仰ぐ。
ふ、さぁ皆さん!大きく深呼吸をして一緒に天高く、お空の御先祖様に向かって・・・・・
「○△□※〒◇☆♂♀#!!」