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一目ボレ ~オレと『彼女』の奮闘記~  作者: 亜里沙
番外編1 ~オレの願望と立ちはだかる壁~
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壁は高いぜ・・・その1

 香澄ちゃんと付き合うことになって早一ヶ月がたつ。季節は真夏。定期テストも終わり、学校も夏休みに入った。

 一ヶ月・・・本当に色々なことがあった。ああ、あったとも!う・・・う・・・思い出すだけで悲しくなる・・・

 まぁ、とにかく様々な・・・・・様々な障害がオレ達の・・いや、オレの前に立ちはだかりやがった。

 『おかげで』なのか『そのせいで』なのか。最初のころは「小杉君」だったオレの呼び名が「捺矢としや君」と名前で呼んでくれるようになった。まぁ、『君』がついているが、これでみのると並んだだろう。

 え?誰のことだって?そんなの決まっているじゃないか!オレの彼女だ。

 ・・・・・・・・うわぁー!『彼女』って言っちまったよ。はずいぜ。

 と、とにかく、あの時の感動は今でも忘れない。初めてオレを下の名前で呼んでくれた時、天にも昇る気持だったんだ。くそー!日本語ごときではうまく表現できないぞ。

 まぁ、日本人むけにわかりやすく例えるならば“Big bang”(片仮名にするとビッグバン)が起こるエネルギーなみに大きかったんだ!

 え?わかりにくいだと。知らん!オレさえわかっていればいいのだ。

 うーでも、まだ、実のヤローとは位置的に同じなんだよなー

 実のことも下の名前を君付けで呼んでるし。そのうち呼び捨てにならないかなぁ。

 へ?別にそんなコトどうでもいいじゃん、だって?ふざけんな!これはゆゆしき事態ですぞ。

 はやく奴とは差をつけたい。じゃないと、香澄ちゃんが奴に盗られてしまうかもしれない。

 え?香澄ちゃんって誰だって?むしろ、お前は誰だだって?

 ふふふ、教えてやろう。オレは香澄ちゃんの・・・か、か、か・・


『カレイか?』


 ・・・・・ちがーう、彼氏だ!ああ、くそオレの頭の中まで入ってくるなよ、実!

 ゴホン。さて、気を取り直そう。

 えーと、そうそう、つまりオレは香澄ちゃんの彼氏で実のヤローはただの従兄妹。しかも産まれた日にちが近かったらしくほとんど産まれたときから一緒にいるのだ。

 つまり、奴とオレではスタートからして天地ほどの差があるというわけだ。

 ・・・でも、呼び捨てにして欲しいなぁ。頼んだらだめかな?

 香澄ちゃんがオレを呼び捨てにして呼ぶ・・・グホォ!やべー、鼻血出る。

 で、でもさ、やっぱ彼氏としては他のヤローとは違う扱いをされたいわけでだ・・・・

 

 ・・・・・オレのこの望みは不相応なものなんだろうか?


備考:捺矢が香澄と出会ったのは6月。現在は7月下旬です。

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