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意外な真実 その4


「あの、今日のお詫びを兼ねて私の家に来ませんか?」



「え?」

 突然のお誘いに驚く。一方、香澄ちゃんの方はというとなぜか顔を真っ赤にし、どこかそわそわしている。

「お、美味しいお茶菓子があるんです。」

「へ、へぇー」

 なんか、無茶苦茶力がこもってるなぁー。まぁ、でも、だいぶ腹が減ったし、のども渇いてるし、ちょうどいいや。あ、でも、もうすぐ夕飯の時間。・・・ま、大丈夫だろ。

「じゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかな。」

 そう、返事をした時の香澄ちゃんの顔をオレは一生忘れないだろう。

 まさに、太陽のような笑顔。あまりの可愛さに一瞬、見とれてしまった。

「?どうかしましたか?」

 可愛く首を傾げて尋ねられ、慌てて首を振る。

「な、なんでもない!さ、暗くなってきたし、早く行こう。」





「今日、両親は帰りが遅くなる予定なのでゆっくりしていってください。」

 加藤家の家の前。ドアのカギを開けた香澄ちゃんが柔らかな口調でとんでもない爆弾発言をした。

「えっ?そ、それはちょっと・・・」

 色々まずいのではないか?

 いや、何がまずいのかはわからんのだが・・・

「さ、どうぞ。」

 そう、香澄ちゃんがドアを開けてくれる。

 ここまで来て逃げるわけにもいかない。ということで、全ての勇気を振り絞り家の中に入ろうとした。その時、聞きなれた犬の鳴き声が聞こえ、首を声のした方に向ける。

 ・・・・・うわぁー、ジョンさんがものすごーく殺気立ってオレを睨みつけてるよ。

 あいつ、そのうち殺気で人、殺せるようになるんじゃないのか・・・?

 なんか、怖いな。・・・まぁ、いいや。よくないけど、いいや。

 それに、今のあいつは、犬小屋で首に鎖を掛けられ動けないみたいだし・・・・殺されはしないだろ。多分・・・

「小杉君?」

 なかなか、中に入ろうとしないオレに香澄ちゃんが呼びかけてくれた。

 そこで、ようやく現実に返った。

「や、やっぱ、オレ、帰るよ。」

 え?と香澄ちゃんが驚いた顔をした。でも、その方が、お互いいいと思うんだよね。

 やっぱ、お年頃の男女が一つ屋根の下にいるってまずいと思うし、ジョンがい殺さんばかりに睨みつけてくるし。

 と、香澄ちゃんの顔が驚きから涙顔になって、ようやく、失言をしたことに気がついた。

「や、違うんだ!一緒にいたくないとか、お茶を飲むのが嫌とかじゃなくて・・・・えーと、その・・・」

 うまい言葉が見つからない。なんて言ったら香澄ちゃんは笑ってくれるんだ?

「そう!今日、香澄ちゃんは実のヤローとデートだったじゃんか。」

 すると香澄ちゃんの顔が一変し、不思議そうな顔で「デート?」と首をかしげる。

 その仕草が、何とも言えないくらい可愛い・・・いや、今はそんなこと関係ない。

「そ、そう、デート。」

 なんだか、また、胸の奥がムカムカしてきたが、今はそれどころじゃない。

「それを、オレが邪魔しちゃったじゃないか。だから・・・その・・・」

 って、結局何が言いたいんだよ、オレ!

 くそ、なんなんだ。この言葉にできない想いは。

「あの・・・私、実君とデートなんてしてませんよ。それに、今後もする予定なんてありませんし。」

「へ!?」

 可愛らしい天使は、困惑した顔で再び爆弾を落としてくれました。

 いや、それよりも、デートじゃない、だと?でも、」実の奴はデートだって・・・

「それに、私、好きな人がいるんです。」





なんか、もう、意外じゃない気がしてきました・・・

多分、香澄ちゃんの気持ちに気がついてないのは捺矢としやだけでしょうね。

すみません。まだ、この話は続きます。

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