意外な真実 その2
前回の続きです。
「オレさ、香澄ちゃんが好きなんだ。だから、泣いてる顔もカワイイけど、笑ってる顔の方がもっといいよ。」
ん?なんだか、周りが静まり返ってる気がするんだが・・・オレ、なんか変なこと言った?
香澄ちゃんは顔を真っ赤にしてるし、実もなんか呆れた顔でオレを見てるんだが・・・
「お前、自分が何を言ってるのかわかってるのか?」
そりゃ、わかってますよ。てか、なんかオレ、悪いこと言った?正直な言葉だったのに。
「そうか。よくわかった。お前は天然アホ、バカ、タラシのヘタレだ。」
おい、なんか酷い言われようなんですが。誰がヘタレでタラシだ!しかも天然付き。まー、アホとバカが否定できないのが悲しすぎる・・・・
「自覚がないのか。可愛そうな奴め。」
なんだ、その憐れみのこもった目は。言いたいことがあるならはっきり言いやがれ!
睨みつけるオレを無視して実は香澄ちゃんの方を向くと、彼女の頭を優しく撫でた。
「まったく、香澄も大変な男に惚れたな。」
オイ、コラ!オレですら呼び捨てなんてしてないんだぞ!!
お前が彼女の名前を呼ぶな!
・・・・ん?今、なんて言った?誰が誰に惚れたって?
「そんじゃ、おお邪魔虫は退散することにしよう。またな。」
実は片手を挙げ、それだけ言うと、スタスタと歩き去ってしまった。
「え?実君!」
香澄ちゃんは慌てた様子で実の名前を呼ぶが、あいつは振り向くことなく、雑踏の中に消えていった。
「くそ!言うだけ言いやがって・・・」
まぁ、実際問題、あいつは邪魔だったので、これはこれでいいのだが。
だが、一体、何がしたいんだよ。わけわかんねー
大体、あいつは入学当初から腹黒で口が悪くて、でも何でか女にもてて・・・
「あの・・・実君は、口は確かに悪いですが、いい人ですよ。」
どうやら実に悪態をついていたのが香澄ちゃんに聞こえたらしい。
って、なんで、あいつを庇うんだ!しかも、あいつの話をするときの香澄ちゃん、少し嬉しそうなんですけど!!
「ふ、ふーん。よく、あいつのことを知ってるね。」
なんか、胸の奥がむかむかするぞ。何故だ?は!?まさか、新手の新型インフルか!
ヤバ!香澄ちゃんにうつしたらやばいぞ。
マスクを買いに行った方がいいのか考えていた時、何と、香澄ちゃんがとんでもない爆弾を落とした。
「だって、実君は私の従兄ですから。」
長い・・・この話は長すぎる。ということで、今日はここで切ります。
さて、本日の意外な事実はいかがだったでしょうか。捺矢は未だに自分の気持ちを自覚していません。さて、彼が自覚する日は来るのか!?




