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さっそく失恋!? その1

種族を越えた愛を目指すおバカな主人公の話です。

 一目ボレってあると思うか?

 オレはそんなのくそ食らえ!て思ってた。だけど、あの日、あの時、あの瞬間。オレは確かに『恋』に落ちたのだ。

 そう!あの美しい顔立ちに澄んだ瞳をもつ彼女に・・・・・

 ああ!君のことを忘れた時など一瞬たりとてない。

 愛してる!ジョセフィーーーーヌ!!


「だが、そいつは犬だろ。」

 冷静なつっこみ、どうもありがとよ。我が親友、内藤実君よ。おまえの一言で現実に戻ってきちまったじゃねぇか。

「そんなの関係ねぇ!!種族の違いがなんだ!オレ達の愛の前には障害にもならねぇぜ。」

 なんか、おまえアホだろっていう目で見られてる気がするのはオレだけだろうか。

「しかも一方通行。」

 ぐふ・・・・・・

 いつも、いつもこいつは・・・・ま、まぁ、いい。今日のオレはいつもとひと味違うのだ。

 え?何でだって?よくぞ聞いてくれました!今日は今まで待ちに待った結婚式・・・じゃなくて新しい家族がやってくるのだ。

 その名も名犬ジョセフィーヌ(オレが命名)

 ペットショップで『彼女』に人目ボレをしたオレは渋る親を説得し、ほんとはやってはいけないバイトをしまくり、今までためたお年玉を引っ張り出してお金をためた。

 そして、半年後の今日、ついに時は来たれり!

 敵はペットショップにあり!!

 ということで授業のチャイムが鳴り終わると同時にオレは鞄を持ち、自転車置き場まで全速力で走った。

 なんか後ろの方で教師が「ホームルーム・・・・」とか何とか言ってた気がするが無視だ。

 靴を履き替え、放り投げるように鞄を自転車のかごに入れる。

 そして、鍵を壊さんばかりの勢いで開けると、オレは自転車にまたがった。

「うりゃーーーーーーーーーーーーー」

 本来学校からペットショップまで自転車を駆使しても20分はかかるのだが、今のオレに不可能はない。愛の前には障害の方が勝手に逃げるものだ。

 そして、なんと奇跡が起こった。

 5分。わずかたったの5分でオレはペットショップにたどり着いたのだ。これも、愛のなせる技。

 道中パトカーのサイレンが聞こえた気がしたがきっと気のせいだ。

 オレは自転車を放り捨てると、天国への扉を開いた。




「おじさん。ジョセフィーヌを嫁に貰いに来たぜ。」

 かっこよくオレは決めポーズまでつけながら中に入る。

 この時のオレは、ジョセフィーヌが自分のモノになったと信じて疑わなかった。

「ははは!残念ながら、ちょっと遅かったね。ちょうど今売れちゃったところなんだ。」

 テヘ♡と笑う店主の声がオレの頭に鳴り響く。

「ああ、あとね、あの子、オスだから。」

 オスだから・・・・オスだから・・・・オスだから・・・・

「ぬぁにーーーーーーーーー!!」

 バカな、バカな、バカな!!あの愛らしいジョセフィーヌがオス?しかもオレ以外の男に売られただとーーー

「おもしろいからほかっといたんだけど・・・・まさか本気でメスだと思ってたんだねぇ。」

 なんか哀れみのこもった目を向けられてる気がするぞ!

 つうか、何が「は、は、は、は」だ!

 30半ばの独身オヤジのくせに・・・・

 オレが今日買うこと知ってたはずなのに・・・

 くそ!グーで殴らせろ!!今ならもれなく一発で勘弁してやる。

 だが、さすがに警察のやっかいにはなりたくなかったので、そこはオレ。必死に堪える。

「で!」

「で?」

「オレの嫁、ジョセフィーヌはどこ?」

「そこ」

 ちなみにオスだからね。嫁にはならないから。と言うオヤジの言葉を無視してオレはオヤジが示した方を振り返る。そこには、目を丸くした少女とが立っていた。そしてその腕の中には・・・・

「ジョセフィ~ヌ!」

 オレはお花畑で空を飛びながら愛しのジョセフィーヌのもとへ向かう。

「ワォーン」


がぶり


 がぶり?なんか、右手が痛い気が・・・・・

 恐る恐るオレは右手を見ると・・・・なんとオレの手がジョセフィーヌの口の中にあるではないですか。

「○×△□※〒◇☆♂♀#・・・・・」

 そして、オレの声にはならない悲鳴が辺りに響き渡ったのであった。



初投稿です。さてさて、前途多難な主人公。彼の恋の行方はいかに!

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