幕間2
ちょっとホラーです。苦手な方はご注意ください。
この幕間を読まなくても続きはお楽しみ頂けます。
3/20 修正しました
暗闇の中を裸足で歩いている。
自分の手や足はぼぉっと青白く光っていて、辺りをほんのり照らす。
地面は水を張ってあるような、歩くと波紋が広がっていく。
周りは見えない。
何もない。
この空間には自分1人だけ。
「ど……して……」
耳横を何かがすり抜けていくように音が掠めていく。
勢いよく振り向くと胸に何かがぶつかった。
「か…え……、て」
「……、どせ」
「ぃ、……やだ…」
胸にぶつかった黒いドロドロとした何かが同じ言葉を繰り返している。
なんとかドロドロを引き剥がすと、足元から黒い手のようなものが絡みついてきた。
「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」
「かえせかえせかえせかえせかえせかえせかえせかえせかえせかえせかえせかえせかえせ」
ゾッとするような怨嗟に、必死に黒い手を引き剥がして追いつかれないように走る。
両耳を劈く子どもの泣き叫ぶ声と女の狂ったような叫び声に耳を塞ぎながら延々と走る。
「お前に何ができる」
脳を揺らすような大きく低い声に驚き、足が絡まって転んでしまった。
急いで立ちあがろうとするが、黒い影が馬乗りになって首を絞めてくる。
ギリギリ、ミチミチと生々しい音がする。
「お前に、何ができる」
「お前は何を守っている」
「守れなかったくせに」
「所詮お前は!!」
「〜〜〜〜っ!!……、はっ、はっ……」
上半身を跳ね上げ辺りを見回す。
自室だ。小さなテーブルと遠征の荷物が音を立てずに居座っている。
呼吸を整え、未だ震える手で乱れた髪を掻き上げながらベッドを降りる。
月明かりに照らされた窓に歩み寄り、そこに映り込んだ自分を見る。
乱れた髪の間に映る蜂蜜色の髪が目に止まる。
今は何も考えない。
明日以降にはわかるはずなのだから。
もう一眠りするためにベッドに潜り込むが、寝付けるわけもなく、ただ夜が更けていくだけだった。
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