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幕間1

幕間は小話、裏話、ちょっとした補足の話です。


3/20 修正しました

「1週間!?それはまた唐突だね?」

「でしょう?彼の部下は外堀を埋めるのがいつも速いって言ってたけど、速いってもんじゃないわ!爆速よ!」

 騎士団宿舎から大慌てで戻ってきたアルバの開口一番が1週間の遠征同行だった。

 いつも丁寧な言葉遣いのアルバがフランクな口調になっているのは相当焦っている証拠だと唯一知っているゲルフォルトも、流石に驚き笑わずにはいられなかったようだ。

「はぁ笑いすぎてお腹が痛い…でもアルバ、本当に良かったのかい?」

「何が?」

「ガイドの指名はルーラー選帝侯から、と言うのは置いといて、森の調査に行くのは本当にキミの意志?」

 長めの休暇申請に必要事項を記入していたアルバの手が止まる。

「ここしばらく研究者たちの新発見は聞こえてこない。そんな中で一ガイドのキミが提唱しようものなら、我々の平穏も危ぶまれるだろう。言葉は武器にもなるんだ、身内を危険に晒すのかい?」

 アルバは何も答えず書類を書き終え、ゲルフォルトに手渡す。

「そうやって脅してるけど、それで私が同行を取り下げると思ってるの?確かにみんなを危険に晒してしまう可能性は捨てきれない。でもあんなの聞いちゃったら行くしかないじゃない」

「ま、それもそうだね」

 ゲルフォルトは受理の印を押してまっすぐアルバを見た。

 普段外すことのない丸眼鏡を外してくつろいでいるアルバの瞳を見て、眩しそうに目を細める。

「キミの…その美しい“蜂蜜色の瞳”が、みんなを導いてくれるといいね」

「何を大袈裟な。貴方も蜂蜜色でしょ………グーフォ、博物館とみんなをお願いね」

「あぁ、アルも気をつけて行ってくるんだよ」



 快く送り出してくれたゲルフォルトには感謝しかない。

 そう考えながら、博物館裏手のスタッフ専用アパートの一室でアルバは古びた革の鞄を引っ張り出す。

 年季の入った古いデザインの鞄に必要品を入れていく。

 古いものとはいえ、拡張魔術が施されている代物で、1週間分の荷物程度なら収まりきるだろう。

 火の魔法石があしらわれたポットとマグカップ、水の魔法石を散りばめた携帯洗濯籠など屋外活動に必要になる魔宝具はある程度買っておいたが。


──これを使う機会がないことを祈るしかないか……


 アルバの手の中に握られていたのはどの魔宝具とも意匠が異なる短剣。

 護身用にしては無骨なデザインだ。

アルバはそっと鞄の奥底に短剣を仕舞うと、明日以降の日程に目を通していくのだった。

アルバさんは心を許した、信頼が置けるようになると名前の呼び方や口調が柔らかくなる傾向にあります。気にして読んでみると…



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