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幕間4

こちらの幕間4で第1章締めです。

第2章に行く前に補完としてここまでで発覚したものを含めた設定等を投稿したいと思います。

 首都ウィルト市からルーラー選帝侯領に戻る馬車の中で、1組の報告文書一覧がモルテナウスに届けられた。

 報告書の表紙には「惑わせの森調査報告 レオナルド=ダンダリオ」の文字。

 モルテナウスは1枚1枚丁寧に読み込んでいく。


──やっぱり、僕の思った通りだったねレオ


 幼い頃に出会った帽子を被った詳しすぎるガイドについて取り憑かれたように調べた。

 子どもの視点では眼鏡の下から目を見ることは可能で、自分と同じ色の瞳の彼女に妙な親近感を抱いてしまったあの日からずっと。

 1問えば100返ってくるあの豊富な知識量。

 気味悪がられた自分の瞳を大事にしなさいと慰めてくれたあの慈愛の心。

 貴族だからといって態度を変えず淡々と仕事をこなすあの芯の強さ。

 あぁ、何もかもが愛おしい。

 貴女の探究心を僕だけに向けてくれたなら。


 馬車のドアがノックされ、執事がドアを開けたことで自邸に到着したことを理解する。

 邸の入口で娘と息子を抱く妻が笑顔で出迎えてくれている。

「おかえりなさいパパ!」

「ただいまエミリー。いい子にしてたかい?」

「もちろん!」

「うんうんえらいね。パパはもう少しお仕事があるからママと待っててくれるかな」

「はーい」

「という訳なんだ、もう少し子供たちと待ってて」

「わかりました。でもお仕事も程々にね」


 家族と離れ自室に戻り室内着に着替え、人払いを済ませると机に広げられた資料や報告書に目をやる。

 モルテナウスは椅子に深く腰掛け、口元を手で隠しくつくつと笑う。

「さすがに僕にも身分ってものがあるからねぇ…難しいってものなんだよ」

 この国で貴族と一般人の婚姻はかなり難しい。

 ただ1つの例外を除き、身分差の恋は叶わぬものとするのがこの国の常識。

 しかしモルテナウスは皇族の中に1人だけ出自不明の側妃の存在に、希望を抱いている。

 自分のものにしたい。

 でも幼なじみの手元にも置かせたい。

「レオ…キミが僕のこの気持ちを知ったらどんな反応を見せてくれるのかな…彼女に意図的に誘導するのに家族を使ったり、盗作論文の歴史学者を差し向けたりだなんてさぁ……ふふっ、ふはっ、あっははははは!」

 モルテナウスは机上に丁寧に立てられたアルバムに手を伸ばしパラパラとめくる。

 そこには隠し撮られたアルバの博物館で働く様子の写真ばかりが収まっていた。

「あぁ、アルバ。キミを低脳な学者共のおもちゃにはさせないよ、僕とレオで守ってあげるからね」

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