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パシテア美術館

メガロポリスから南に車で約3時間。

私、亜梨沙、結菜、愛、彩水の5人は

湾港都市パシテアに到着した。

パシテアは人口200万人。

様々な物資の中継都市として栄えている。

我々が向かったのは市立美術館。

「そこの館長さんと私の親は姉妹なんですよ」

と言って彼女は私に微笑んで見せた。

インペリアル州立大学経済学部金融学科三年生「結菜」21歳。

髪はロングのポニーテール。黒髪。

瞳は黒。肌色は白。

身長164cm バスト97cm

ウエスト63cm ヒップ95cm

体重66kg BMI値24正常

身体及び体内機能に異常なし。

亜梨沙と同じ歴史研究会所属。

脳内偏差値予想90。

番号MEW-DK35アンドロイドと実咲との人工受精で産まれた女性。

反体制組織「オーディン」との繋がりは現在調査中。


昼食後美術館に到着したのは午後1時。

早くも日が沈み始め建物がオレンジ色に輝く。

「久しぶりね結菜、元気にしてた?今日はお友達も一緒なのね」

美術館館長「香織」。37歳独身。

犯罪歴無し。

「今日はあの彫刻を皆にも見せて欲しいの。過去をつかむきっかけになるかも知れないから」

「それは構わないけど…」

と言って私を見た。

「アレスは此処に残って」

亜梨沙が私に指示した。

「了解」

香織の体温及び心拍数の上昇を確認。

危険分子の可能性有り。


香織さんが私達に見せてくれたのは等身大の白い女性の像。

「これは…?」

「ナイアス地下遺跡で発掘された約1万年前の彫刻よ。大理石で出来ているわ」

「凄い…」

「これは…興味深いですね。素晴らしい。

表情も豊かで…。優しい笑顔も良く表現されています」

いつもは冷静な彩水が興奮している。

良く見るとドレスの様な服の上に文字が刻まれている。

「…?永遠の…あ…い…を…誓って?」

「あ…本当だ。…あ…い…って…なんだろ?」

香織さんが言った。

「あいとは…古代の人間が使った言葉。男性と女性が互いに惹かれ合う時に使われた言葉よ。この古い文献にもたくさん使われているわ」

「やっぱり…男は奴隷なんかじゃない」

「そうよ。遥か昔…男と女は対等。そして愛とは好きになると違う意味…異性に対してだけ使う特別な言葉なの」

奴隷なんかじゃない。

同じ人間だった。

「もう1つ見せたいものがある」

と言って香織さんが私達に見せてくれた物。

ガラスケースに保存された汚いバック。

様々な道具と…紙切れ。

「5000年前のバックに入っていた手形。もうボロボロだけど…」

僅かに…読める。

「例え…に?…滅ぼされ?…僕と…人類の……?…引き裂かれない?今度…変わって?…エリナ…君を…愛し……」

また…愛してる…

あの絵画の男女を思い出す。

抱き合い…唇を重ねる2人。

あれが…愛し合う行為になるなら…。

不思議そうに手紙を見つめる彩水。

水色の髪と綺麗な顔立ち。

1年後輩とは見えない大人びた雰囲気がある美しい子。

「手紙の空白を埋めれば…」

「クイズみたいで愉しそう!」

彩水の親友である愛が笑って言った。

いつも明るい可愛らしい彼女。

白い髪の毛は遺伝らしい。

「滅ぼされって…誰に…」

結菜の疑問に答えたのは彩水だった。

「…人類を滅ぼしたのがアンドロイドだとしたら…」

「…!」

まさか…

アンドロイドが…?

「静かに…」

香織さんが声をひそめて言った。

「迂闊な事は言わない方が良いわよ。どこでこの会話が盗聴されているか分からない。あのアンドロイドは亜梨沙さんの物?…気を付けて」

「アレスは大丈夫です。人間の味方になる様、指示しています」

香織さんが口に手を当て会話を閉ざした。

「ここからはノートに書いて…」

香織《私も彩水さんと同じ。人類を滅ぼしたのアンドロイド自身…》

亜梨沙《自分達で滅ぼし自分達で復興したと言うんですか?》

香織《憶測だけど…おそらく人類を1度滅ぼしリセットしたかった。敵対する男性だけを排除して女性とアンドロイドによる世界を作りたかった》

亜梨沙《何の為に?》

香織《分からないけど…男性だけを迫害している現実を見ていると…》

彩水《判断材料が欲しいですね》

香織《明日ナイアス遺跡に行かない?あそこには私の仲間がいる。何か新しい情報があるかも》

結菜《皆で行きましょう!》

香織《亜梨沙さんのアンドロイドは帰した方が良いわよ。男性を敵と見なしているプログラムは変更出来ない以上、私達の行動に違和感を感じるはず》

亜梨沙《彼は違います。私達を守ってくれるアンドロイドです》

絶対にアレスは人間に味方してくれる。


美術館を出ると辺りはすっかり夜。

私達は一先ずホテルへ入り休憩してから食事に行く事にした。

私はアレスの部屋をノックした。

「もうすぐレストランに行くわね。ホテルの1階だからアレスは来なくて良いわよ」

「わかった。外出は控えた方がいい。パシテアは港町、貧困層も集まるエリアもある」

優しいアレス。

彼は他のアンドロイドとは違う。

「ねぇアレス…私の事好き?」

「私は亜梨沙の所有物。好きと言う感情はない」

「好き…って言ってみて…」

アレスは私の理想。

顔も身体も全て。

「好きだ」

あの絵画が頭から離れない。

アレスの唇に唇を合わせ重ねてる。

「もう一度…言ってみて」

「好きだ。私は亜梨沙か好きだ」

「私も好きよ…アレス」



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