表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

第3話 逃亡


 何とか城から逃げ出すことができた私は逃げる為とはいえ、王子の足を踏みつけるというとんでもないことをしてしまったことを改めて実感し血の気が引く。


「とんでもないことをしてしまったわ……」


 ティティアーナは重たいため息をついて呟きながら、家に帰る帰路を歩いていた。


 ガラスの靴を脱ぎ捨ててきてしまった為、歩く度に地面の感触が直で伝わり、とても痛い。


「王子の目の前でガラスの靴脱ぎ捨てたのだから、気付いたら絶対拾うわよね。はぁ…… これじゃ見つかってしまうのも時間の問題かもしれないわね」


 私は頭をフル回転させて考える。起こり得るかもしれない未来を変える為にはどうすれば良いのかを。


「家を出て国外逃亡でもしようかしら」


 まあ、国外へ辿り着くまでに捕まったら意味がないのだけれど。


 それに継母であるヴィアラと姉二人のリゼとロナも私が居なくなることは願ったり叶ったりだろう。


「よし、決めたわ! 帰ったらすぐ家を出る準備をして国外へ逃亡するわよ」


 ティティアーナの芯のある声が夜の闇に溶け込むように消えていく。

 


 12時を過ぎる前に家へと帰って来てしまった私は妖精の魔法で仕立てられた星柄のデザインが施された魔法でまだ解けていない青色のドレスを脱いで、いつも着ている地味でボロボロの見窄らしいワンピースに着替えて、家を出る身支度を整える。


「よし、これで大丈夫かしらね。一応、一言くらい残しておきましょうか」


 舞踏会が終わったら帰ってくるであろう継母ヴィアラと姉二人のリゼとロナ宛に一言『お世話になりました。もう戻りません』と書いた置き手紙を残し、私は荷物を持って家を後にした。


「国外逃亡なんて、我ながら思い切った行動だわ。頑張って逃げるわよ……!」


 暗い夜空の下、ティティアーナは自分自身に気合を入れて歩き始める。 


 夜の空に浮かぶ満月がティティアーナの姿を見守るように照らしていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ