青緑
静謐な檻
断りもなく訪れもなく
咲き誇る一輪の花
風もなく音もなく
施しの一滴の水もなく
光り輝く花びらに
曲線を描く葉や茎に
寄せられる虫もなく
訪れる死も
はたして始まりがあったかさえ
記憶もなく記録もなく
気付けばそこにある
静謐な檻
宇宙の果て
境目もなく 存在の有無もわからず
心の中
際限もなく とりとめない
抱きしめることもできず
目視することもかなわず
囲い込んだ腕の中で
小さくなった私の魂
膨らみすぎた想いは
何処へ溢れ出すのか
傷付いた心は
世界の果てに逃れて
新しい世界を見出すか
耐えて耐えて
そして何かが変わるのか
変わらないのか
そこにいる