神様を継ぐ日 ~Angel Hazrad~
世界はある災害に直面した。
それはいつの日からか天から降り注いできた謎の結晶によるものだった。その結晶に触れた者は「覚醒者」と呼ばれ強大な力を手に入れる。
やがて彼らの脅威は無視できなくなり、政府は特別部隊の設置や結晶の研究など対策に追われ、人々は混乱に陥る。
そしてある日、一人の少年・煤垣天征が結晶に触れたことで世界の運命の歯車は大きく動き出す。
やがて結晶は地球のみならず異世界をも巻き込むようになり力を持つものたちの衝突が幕を開ける。天征は色々な覚醒者たちとの出会い・戦いを経て成長し、狂ってしまった世界の謎に迫っていく。
これは謎の結晶によって狂わされた世界で翻弄されつつも、生命の輝きを刻む生きとし生けるものたちの物語。
1.お天道様の置き土産
スマホのアラームで目が覚めた。二度寝しようとしたが蝉の声がそれを許さない。寝ぼけた目で通知を見てみると「本日覚醒者が出現しました」という表示された。覚醒者警報だった。
「ああ、またか。」
煤垣天征はため息をつきながら着替えを済ませ外に出る。特にあてはない。街の喧騒は相変わらずだ。
しかし覚醒者の発見から数年経って世間の認識は緊迫していった。空から結晶が降ってきた当初は新種のウイルスなのかという憶測が飛び交い、SNSで度々話題になっていたことは記憶に新しい。
これを受けた政府は対策に乗り出し結晶の研究に着手した。明らかになったのは結晶に触れた者は生命能力が大幅に向上していて不死身に限りなく近い肉体を手にしていることだ。これにより世間の結晶に対する認識が変わり、生命科学の発展が期待された。
しかし、数ヶ月前に覚醒者が破壊行為を起こした事件が起こった。人外じみた生命能力とは別に魔法のような力を持て余し暴走する者や、得た力を悪用し犯罪行為に走る者まで現れてしまったため再び世間は混乱に陥った。
覚醒者の見た目は普通の人間と変わらないので、誰が覚醒者なのか人々は日々怯えながら暮らすことになった。
天征は変わってしまった日常を取り戻したいという願いを心の底で燻ぶらせながら、このまま結晶が引き起こした災害に無力なまま犠牲となってしまうのかと思考を循環していた。もし俺が覚醒者になったならその力を人を助けることに使いたい。何もできずただ神に祈って死ぬのはごめんだ。
ずっとこんなことばかり考えてたら頭がおかしくなりそうだ。気晴らしに海でも眺めに行くか。




