表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/44

プロローグ

 皿の上に乗ったカレー風味のチキンソテーを青年はじっと見つめて、箸でゆっくりと持ち上げた。

 皮の部分が見るからにパリッとしていて、湯気と共に香ばしい焼いた肉の香りとカレーのスパイシーな香りが漂ってくる。それだけでじゅわりと口の中に唾液が湧いてきた。

 

 口に入れて噛みしめると、程良い焼き加減の鶏肉からはうま味を閉じ込めたような肉汁が流れだし、癖のない肉にカレー粉のアクセントが効いている。薄すぎもせず、濃すぎもせず、ちょっとご飯が欲しくなる程度の味の濃さは絶妙だ。

 思わず頬が緩んでしまうのは当然だろう。一切れ、二切れ、食べ進む度にはっきりと笑顔になっていく。 

「うまい」 

 言える言葉はそれだけだった。その言葉を聞き、青年の表情を見た人間なら誰でも、彼が食べた一皿の美味を想像できる。

 画面の中ではその青年の顔の下に、「Crane(クレイン) Magic(マジツク)」というロゴと「初心者向け レシピアプリ」という検索ワードが並んだ。 

 

 レシピアプリ・クレインマジック。新リリースの初心者向けアプリ。

 楽しく作り、美味しく食べる。自然と料理がうまくなる。

 そんな謳い文句でクレインマジックは人々に魔法を掛け、小さな奇跡を起こすことになる。


 これは、時給につられてアプリ開発会社でアルバイトをすることになった青年が、「美味しい魔法」と出会って自らも小さな奇跡を起こした物語である。

お読みいただきありがとうございます!

面白い、続きが気になると思っていただけたら、ブクマ、評価・いいねを入れていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ