第57話 掲示板4&とある男の過去
・RWO第一回イベントについて語るスレ
1名無しの視聴者
すごかったな
2名無しの視聴者
ティティルちゃん最強!!
3名無しの視聴者
ツルギさんも惜しかった
4名無しの視聴者
ゲームとはいえ、垂直の壁での戦闘はバトル漫画っぽくてめっちゃかっこよかった!
5名無しの視聴者
まあ最後にツルギさんとティティルちゃんの戦闘よかった
6名無しの視聴者
わかる、最後一撃入れたツルギさんのしてやったりって表情も良き
7名無しの視聴者
あ~~ティティルちゃん悔しそうにしてたよね、俺らからしたら勝ってるじゃんって思うけど、最初の無傷宣言が崩れたのは悔しかっただろうね
8名無しの視聴者
後マーシャルコード義勇軍参戦のシーン、戦記物みたいでよかった
9名無しの視聴者
そういえばライアンとザークの戦いってどっちが勝ったんだっけ?
10名無しの視聴者
ザークが勝った、しかもライアンが飲んだ劇薬のタイムリミットの5分以内に
11名無しの視聴者
あの狂信者すげぇよ、いろんな意味で
12名無しの視聴者
勝った後もロールプレイを欠かさなかったし
13名無しの視聴者
さすがだわぁ、ただ怖いやつではなかった
14名無しの視聴者
ライアンもまさかあんなに強かったとは、でも勝てなくて残念だったな
15名無しの視聴者
あ、そういえばあの試合、ライアンが押してた姫様NPCも見てたらしくて、そのことをあった際に褒められたらしいぞ
16名無しの視聴者
はぁ?
17名無しの視聴者
マジかよあいつ
18名無しの視聴者
実質勝者www
19名無しの視聴者
感動を返せ馬鹿野郎wwww
20名無しの視聴者
まあさすが王城凸のライアン
21名無しの視聴者
速報、ティティルちゃんコラボ決定
22名無しの視聴者
は?
23名無しの視聴者
そりゃツルギさんとあのディシアさん?と3人でコラボするとか言ってたし
24名無しの視聴者
そのコラボはスケジュール調整で少し後になるらしい、その前にティティルちゃんと中華姉妹でRWOでコラボ配信するらしい
25名無しの視聴者
中華姉妹!?
26名無しの視聴者
あの子らも強かった
27名無しの視聴者
俺姉派
28名無しの視聴者
俺妹派
29名無しの視聴者
妹のリンちゃん派
30名無しの視聴者
姉のランちゃんに甘やかしてほしい
31名無しの視聴者
リンちゃんにお兄ちゃんって言われたい
32名無しの視聴者
↑わかる
33名無しの視聴者
↑わかる~
34名無しの視聴者
↑お姉ちゃんって言われたい
35名無しの視聴者
ランちゃんと結婚すればリンちゃんにお兄ちゃんって言われるのでは?
36名無しの視聴者
↑お前天才か!?
37名無しの視聴者
↑今回の国民栄誉賞はお前だw
38名無しの視聴者
そういえば同性婚ありだっけ?
39名無しの視聴者
後数年後には行けるはず
40名無しの視聴者
よし
41名無しの視聴者
おおう、女のほうがやべぇやついない?
42名無しの視聴者
あはは(現実逃避)
43名無しの視聴者
そういえば、RWOの第2次イベントの詳細来てたよね?
44名無しの視聴者
確か20個のエリアに分かれてそのエリアの村でクエスト進めるってやつだっけ?
45名無しの視聴者
エリアごとのランキングとかあったはず
46名無しの視聴者
ティティルちゃんと同じエリアだといいなぁ
47名無しの視聴者
第2次は生産職が多く活躍できるかも
48名無しの視聴者
PVでたけどほんとファンタジー物の田舎って感じ
49名無しの視聴者
とりあえずレベル上げするかぁ
50名無しの視聴者
ようやく鍛冶師の俺の出番か
51名無しの視聴者
え?鍛冶師いる?ちょっと装備の整備してほしいんだけど
52名無しの視聴者
あ、じゃあ私も、服飾屋でーす!●●の町でお店やってま~~す()
53名無しの視聴者
宣伝すなww
54名無しの視聴者
コラボ楽しみだなぁ
55名無しの視聴者
あ~ユニーク武器落ちてたりしないかな
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とある世界
王女が亡くなる30年前
真夜中の路地裏に一人の少年が壁に背を向けて倒れこんでいる
「はぁ………はぁ………」
格好はボロボロの黒の外套、外套の内側には動きやすい軽装といくつかの暗器が見える
「はぁ………くそっ……」
彼は孤児であった、親の顔など覚えてない
子供のころは孤児院で育ったが、国からの給付金は中抜きによりいつもお腹をすかせていた
腹を満たす手段に選択肢がなかった、ごみを拾うか奪うか
影が薄かった彼は孤児院を抜け出した後、近くのお店で果実を盗み、うまくいけばひったくりと行ったが、スラムの住人に目を付けられ、袋叩きにされるが返り討ちにする
そこからは独学で力を付けた
力を付け、一番最初に手をかけたのは孤児院の給付金を中抜きしていた貴族の一人
気配を殺し、帰宅途中の馬車で油断しきってるところで首を掻っ切った
そこから腐敗した話を聞いた貴族を狙って殺し、金をうばっていった
自分が生きるためとは言え、殺すのはさすがに罪悪感のようなものがあったが、腐敗した貴族を狙うことで紛らわした
彼が貴族を狙うようになってから、町ではうわさが流れた
貴族殺しの悪魔
やれ本物の悪魔が出た、やれ呪いか何かの類だろう
やれ金を奪うだけで生き残った、やれただの自作自演だ
やれ腐敗した貴族から民を救った英雄だ
彼はそんなことは気にせず、ただ空腹を満たすために腐敗した貴族から金を奪っていった
ある日
彼はいつものように貴族を襲った
だがそこにいたのは貴族ではなく多くの兵士
彼は気づいた、これは罠だと
馬車の中、そして周りから剣を持った兵士たちに襲われる
幸いなことに、多少の切り傷だけで済み、その場から逃げることができた
「はぁ………はぁ………」
もう同じように馬車にいる貴族を狙うことはできなくなるだろう
また同じように罠に引っかかればどうなるかわからない
「はぁ………くそっ……」
場所を変えるべきか、対象を貴族から変えるべきか
かすり傷の傷跡を手で抑え、疲弊した体を休める
このままここにいては気づかれてしまう
もう少し休んだら立ち去ろう、そう考えた時だった
「あら、貴族殺しの悪魔ってどんなものかって思ったけど、まだ子供じゃない?」
「っ!誰だ!?」
その声が聞こえた瞬間素早く立ち上がり、ナイフを構える
「あらごめんなさい、驚かせて悪かったわね」
「さっきの貴族の手下か?いや、お前、女か?貴族の女が何しに来た?」
姿を確認する、格好は貴族が外に出歩くときの格好、それも今まで見た貴族よりも煌びやかであった。
「あら、私ってそこまで知名度ないのかしら、残念」
「あ?」
「私の名前は○○・○○○○・○○○○○○、この国の第1王女よ」
「お、王女!?」
彼は驚いた、目の前にいる女性はこの国の王女様、本来会話することすらできない存在が目の前にいる
「な、なんで王女様がこんなところにいやがる!?」
「貴族殺しの悪魔、あなたに会いに来ましたの」
「俺に?まさか殺しに?王女様自らが?」
「そんなわけないでしょう、剣の鍛錬はしてますが、あなたに勝てるとは思ってないわ、それに殺すのが目的じゃないし」
「なら何しに来た?」
「あなたをスカウトに来たの」
「はぁ?」
彼は意味が分からなかった、自分を王女様がスカウト?
「少し話をしましょうか、」
彼女は近くにある木箱の上に座り、語りだす。
「ねぇ、この国は腐ってるって思わない?」
「あ?腐るって、そんなこと王女が言っていいのかよ」
「ここには他に誰もいないから何でも言っていいの、で?どう思う?」
「はぁ………そりゃ腐ってるだろ」
「どうしてそう思うの?」
「あ?そりゃ周りを見たらわかるだろ、この国の貴族と俺たちの生活が全然違う、襲った貴族の恰好を見たけど俺達には見ることもできない飾りがたくさんだった、屋敷に潜入した時もめっちゃうまそうなもん食べてた」
諦めて開き直ったのかのか、嘆きを聞いてほしかったのか、目の前にいる女性にすらすら話す彼
「それにスラム街が多すぎる、この町のいろんな場所を見てきたけど、貴族の屋敷以外みんな寂れてた」
「そう、思った以上に深刻な状況ね」
王女は彼の返事を聞き、話を続ける
「今の王、私の父は病気に侵されてる」
「王様が!?」
「えぇ、それもすぐに良くなるようなものじゃない、こうなったら貴族は次の跡継ぎについて考えるんだけど、私の妹の第2王女が次期国王に立候補したの」
「第2王女?よくわかんないが、そういうのは長男が継ぐんじゃないのか?」
「そうね、でも第2王女は王座を欲したの、まああいつ頭の出来は良くなかったから、誰かにそそのかされたんだと思うわ」
「第2王女はね、賄賂をもらう代わりに多少の横領を見逃すようになった」
「はぁ!?王女が何やってんだよ!?」
「そうよね!ほんとあの愚妹、無駄に肥え豚共にそそのかされてまぁ、はぁぁぁぁ」
王女はたいそう呆れたようにため息を吐く
「あんな愚妹にこの国は任せられない、だから私が王になる、でもいろいろ足りないの」
「なにが足りないんだ?」
「本当にいろいろよ、でも一番は信頼できる人」
「人望ないのかよ」
「あはは、まあそうかもねぇ、というより愚妹は貴族たちに都合がいいからね、ただの人形よ」
「で、なんでこんな、まさか俺?」
「あら、気づいた?そう、私にとっての肥え豚共を始末してくれる子がいるって聞いてね」
「はっ、俺はあんたなんかの下につかねぇ」
彼はきっぱり断った
「ん?なんで?」
「さっき話した内容も作り話かもしれないし、貴族は信じれない」
「あら、私、半分は平民よ?」
「は?」
「あんまり知られてないけど、私の母は平民なの、学園で父と出会ってそのままいい感じだったらしいわ」
「で、王様って跡取りのために何人か子をなさないといけなくてね、愚昧の母は貴族でね」
「うわぁ、なんかどろどろしてるな」
「そして数年前、母は殺されたわ」
「え?」
突然の発言に固まる
「犯人は遺体で見つかったけど、差し向けたのは愚昧の母よ」
「あ、えっと」
「だからね、貴族殺しの悪魔さん」
王女は立ち上がり、彼に手を差し伸べる
「むかつくあいつらをぶっ殺すために、手を貸してくれない?」
「っ!」
彼は少しだまり
「仕方ねぇ、どうせこのままじゃ食っていけねぇし」
手を握る
「その貴族殺し、手伝ってやるよ」
「えぇ、契約成立ね」
「それで一ついいか?」
「あら、何かしら?」
「傷が痛んで気絶しそうだから休める場所に案内してほしいんだが」
「あ、ごめんなさい!!長話しすぎたわね、ん?ねえ君?あ、やばい早く連れて帰らないと、あ~待って待って!気絶しないで、ねえ!」
そのまま彼は気絶し、次起きる際は見たことない天井のある部屋で目を覚ます。




