夢の王子様
それは楽しくて…
それは有意義で…
それは不思議な場所
それは夢なのである
君と出会い
君と過ごす時間はとても輝いて見える
そして、一番の癒しの時間だ
ずっとこの時間を過ごしていたい
そんな風に思わせてくれる時間だった
けれど、いつもその時間は終わり…目が覚める
なんて悲しい終わりなのだろう
一生終わりが来なければいいのに…
そう思っていつも君に会いに行っていた
そんなある日、自分と同じ悩みを持った人に会った
それは君だった
夢の人に会いたいと彼女は言った
自分と同じことを思ってくれていたと思うと胸が躍るようだった
しかし、彼女に声をかけた瞬間
彼女は俺を怪訝そうな目で見た
それは不審者を見るようなそんな嫌な目だった
俺はそんな目で見てほしくなかった
どうして…やっと会えたのに…どうしてそんな目で見るの?
と胸の奥底で悲しみが湧き上がって来た
そんな悲しい気持ちだったが、彼女からメールが届きデートをすることになった
俺にとって、とてもいい時間だった
やっと…この時間を手に入れた…と思ったのに…
彼女は、倒れていた
俺はどうすればいいのか考えて、考えても思いつかなかったからこその行動が森に連れて行くこと
何故かあの場所は夢で会う場所と似ていた
だからこそ、不思議な力を信じてあの場所に行ってみた
すると…彼女は目を覚ました
「…」
どうしてこんなところにいるのだろうと言いたげな顔だった
「お店で倒れていた君をここまで連れて来たんだ」
「……どうして森なの?」
「…不思議だから、というより何故あの場所で倒れていたの?」
彼女は黙り、考える素振りをして答えた
「…ミシンの針を触った後から記憶がない…の」
ということは…血を見た瞬間に一瞬の痛みと恐怖から気を失ったということだろうか
「…多分、指が針に刺さった痛みで意識を失ったんだと思う、とりあえず…意識が戻ってよかった…」
「……ありがとう」
何故か感謝された…
それはどういう意味なのだろうか?と考えてるうちに時間が経ったのか、ある女の子が声をかけてきた
「…もうおそいですけど、いえにはかえらないんですか?」
その片言のような言葉を聞きながら、彼女は答えた
「…一晩泊めてください」
女の子は溜息をついて承諾した
彼女が心配だった為、着いて行くことにした
すると、大きな屋敷があり「…晩御飯出来てますよ」とカフェの店長さんが部屋に案内してくれた
なんとなく全てセッティングされたようなストーリーのように思い、その流れで彼女に告白した
「夢の中でずっと会いたかった君に会えて俺は嬉しい…だから…これからもこうして会って話したい。恋人として…」
すると彼女は頷いた
これは仕組まれた場面なのだろうか…それとも…ただ自分が選択したからこその人生なのだろうか…
分からない…けれど、君と人生を歩めるならその仕組まれたストーリーで生きようと思う