3話
まずはここから逃げなきゃだよね。この人は動けそうにないけど
「大丈夫ですか?動けそうですか?」
「っつ、お前、この状況でまともに動けたら化け物だろう。」
「うん、まともに冗談言えるなら、元気ですね。痛むかもしれませんが、手当ては安全なところでしますよ。我慢してくださいね。あまり騒がないでね。」
私は折れてない反対の手を肩に回して立ち上がる。
「っう、う、お前何を」
「あ、騒がないでって言いいましたよね。すみません、すっごい痛いですけど、我慢してください。一応負担和減らしますので。今は一秒でも早く離れたいの、あなたもそうでしょう。」
彼は何も言わない。私は彼の肩を背負って出きるだけ早く、そして腕に負担がかからない速度で走った。
「弓を打て!」
え?あっぶな!矢が飛んできて、私の横に刺さってる。あと一秒でも遅かったら刺されてたかも。一気に鳥肌が立った。改めて、私がこの世界で生きてることを実感する。
「あともう少し、頑張って、公爵の番犬さん、あともう少しで広いところに出るから。」
私は全力で走る。早くでないと、身を隠さないと。焦る。
「おい、いたぞ!!あそこだ捕まえろ!」
「ヤバい、囲まれた!」
最悪、何これ、絶望的じゃん。私前世でなんかしたっけ? 目の前は崖、回りは的、肩には怪我人。私これからどうなるの?