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『売らない』 『焚書』

作者: 安岡 憙弘

 売らない

                                   安岡 憙弘     

 僕は作品を売りたくない。しかし家族を納得させる為には「売る」という言葉を使わざるを得ない。

 でもできるだけ多くの人に、できればみんなに僕の作品を読んでで欲しい。又、生活費も得なければ芸術家として活動していくこともできない。ここに私の二律背反がある。

 売ろうとすれば魂が確実に汚れるし

 売れれば欲が出てくる。




  ふん

                                     安岡 憙弘

 昔、ナチスや中国で焚書と呼ばれるものがあった。自分の子供の様な本を燃やされた作家は、たとえそれが有害図書であったとしても、気持ちははかりしれない。私も原稿が焼失する恐怖はなんどか味わった。しかしたとえ燃えたとしてもそれで私の努力は無になっただろうか。いや、なってはいない。何故なら本自体に価値はありそうで実はないから。本当に価値のあるものは自分の心に積み上げてきた誰にも奪えない財産、そして心の豊かさだからである。本が燃えたということは実はその本は世に出るべきではなかった、又はいずれ他の人が意思を汲んで書いてくれるだろう。

 我々のすべきことは、燃えた本があったからこそ、書けた作品を創作することである。作品は消えても、作家であることをやめてはならない。その作品ができたとき、その芸術家の、画家の、彫刻家の人生に、一歩いっぽの後退もなかったのだ。

 

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